【VOL66】企業の経営状態がわかる4つの見るべき財務上の数字

読了時間目安:約 8分7秒

財務諸表(貸借対照表、損益計算書)を見る際にどこの数字をみたら良いかわからない方は非常に多いのではないかと思います。
利益が出ていれば良いかというとそんな単純な話でもありません。
企業が健全な財務状態にあるかみるための指標について説明致します。
これを知れば、自社はもちろん、他社の分析もできるようになるので、数字が身近になると思います。



今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。

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【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字

からお読み頂くことをお勧めします。

今回は『企業の経営状態がわかる3つの見るべき財務上の数字』です。(編集前のメルマガは2015年8月5日(水)に配信されています)

総資本経常利益率で事業効率を知る

何度かお伝えしているかもしれませんが、総資本経常利益率で企業の経営効率をみることができます。

経常利益=企業が経常的に出す利益

総資本=貸借対照表の資産の部の合計額、または、負債の部と資本の部の合計額

つまり、全資産を使って1年にいくらの経常利益を稼いでいるかを率でみましょうというお話です。



よく投資なんかの際に、利回りという話をすると思いますが、それと同じで、

3,000万円の不動産を購入して、毎年300万円の収入が入ってくれば、表面利回り10%ということになります。

投資の世界では実質利回りが10%あれば優良といわれますが、企業もまったく同じで、総資本経常利益率10%あれば理想と言われます。



参考記事

【VOL35】経営は能率主義では失敗します。経営者の仕事は儲かる事業構造を作ることです。(メルマガ版財務講座)

【VOL36】経営効率は財務諸表でわかります。見るべき数字とは?(メルマガ版財務講座)

【VOL37】数字で見る経営効率の良い経営状態とは?(メルマガ版財務講座)

【VOL38】あなたが3,000万円持っていたとしたら??(メルマガ版財務講座)

債務償還年数で有利子負債(借金)が多くないかを確認

企業が今の利益で何年間で借入金などの有利子負債(借入金や社債など)を返済できるのかという指標です。

有利子負債÷(税引き後利益+減価償却費)=返済年数

とされ、返済年数が10年を超えている企業は借金などの有利子負債が収益力・返済力に比べて多すぎる可能性が高く危険とみなすことができます。

但し、税引き後利益+減価償却費は単年度のものではなく、直近3年程度の平均数値でみたほうが、より現実生を増すこととなります。

特別利益や特別損益に関しては、税引き後利益を基準に考えているので、本来は差し引きした後の数値を使っておりますし、金融機関などもその数値を使うこととなりますが、返済能力を見る指標という意味からすると、お金の支出のない、貸倒損失などの特別損失は、税引き後利益にプラスし、返済能力とみなし、逆に債務免除益などのお金の入金のない特別利益に関しては税引き後利益からマイナスし、返済能力とみなさないことが、本来の企業の実力を見る数字になるといえます。

詳しくはこちら
金融機関の融資審査のポイント【特別利益・特別損失編】

自己資本比率で企業の安定度を確認

資本の部の合計÷資産の部の合計=自己資本比率

と計算され、持っている全資産のうち、何%が自分たちで稼いだ利益と株主からの出資金なのかを示す指標となります。

自己資本比率が高ければ高いほど企業は安定していると言いますが、目安としては30%の自己資本比率があれば、当面は安定していると言えます。

50%の自己資本比率があれば優良企業と一般的には言われます。

但し、企業の安定度を示す目安としては上記で間違いありませんが、借金をして機械や設備に投資する製造業のような業種と、設備投資のないコンサル業などの業種では自己資本比率に大きな違いがあります。

とはいえ、製造業の自己資本比率50%とコンサル業の自己資本比率80%ならコンサル業のほうが安定していますし、製造業の自己資本比率30%とコンサル業の自己資本比率15%であれば、製造業のほうが安定していることとなります。

つまり、業種により自己資本比率の平均には違いはありますが、自己資本比率の持つ意味は変わらないということです。



参考記事

【VOL50】貸借対照表で見るべき大事な数字:自己資本比率とは?

【VOL51】貸借対照表は会社の歴史であり未来像である:BS経営の入り口

【VOL52】一目でわかる!簡単な貸借対照表のポイントは資金の流動性です。

【VOL53】企業の安定度をみるための貸借対照表の数字

【VOL54】安定企業を目指すために抑えておきたい貸借対照表の数字とは?

損益分岐点比率で収益の安定度を見る

固定費÷粗利益額=損益分岐点比率

で計算されます。

今の売上額が何%になったら、黒字と赤字スレスレ、つまり損益トントンになってしまうかを見る指標です。

例えば、売上高200万円、粗利益額100万円、固定費80万円、経常利益20万円の会社があったとします。

この場合、固定費80万円÷粗利益額100万円=損益分岐点比率80%となります。

この80%の意味は、売上高が80%になったら損益トントンになってしまいますよ、という意味で、

売上高200万円×損益分岐点比率80%=売上高160万円

売上高160万円×粗利益率50%=粗利益額80万円

粗利益額80万円-固定費80万円=経常利益0

となります。

損益分岐点比率は低ければ低いほど安定していると言われますが、企業は投資をするものです。

人材や商品の開発、広告宣伝費などの投資にお金を使ったあとで、損益分岐点比率が80%あると理想とされています。

企業分析

編集後記

いかがだったでしょうか?

つまり、総資本経常利益率10%、債務償還年数10年未満、自己資本比率50%以上、損益分岐点比率80%以上の会社が優秀な会社といえるということです。

上場企業は全ての数字が公開されていますので、一度分析してみてはいかがでしょうか?

あの有名な◯×社の上記4つの数字はこうなのかと思いながら数字を眺めると面白いかと思います。


最後に

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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