【VOL20】最低限稼がなければいけない利益を計算してみましょう!長期事業計画の立て方:数値編-利益(メルマガ版財務講座)

読了時間目安:約 7分27秒

利益とは収入から支出を引いたものではありません。
支払日がきたら支払わなければいけないお給料(人件費)のように、稼がなければならない利益というものがあります。
事業の状況によって稼がなければいけない利益は違いますので、考え方と計算の仕方を載せさせて頂きました。



今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。

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今回は「最低限稼がなければいけない利益を計算してみましょう!長期事業計画の立て方:数値編-利益」です。(編集前のメルマガは2014年09月17日(水)に配信されています)

稼がなければいけない利益が多すぎて焦る男性

なぜ長期計画を数字立てる必要があるのか

長期事業計画がなぜ必要なのかは、前々回の「【VOL18】長期事業計画でビジョンとミッションを示す」でお伝えしましたので割愛します。
忘れてしまった方はこちらから→【VOL18】長期事業計画でビジョンとミッションを示す

なぜ数字で立てる必要があるのかという話も何度もしていますので、割愛させて頂きます。

長期事業計画の立て方

あなたは今までどういう方法で長期計画を立てていましたか?

感覚とか、前年実績の何%増とか、今までの伸び率から考えてとか、いろいろな方法があるかと思います。

もう一度ここで改めて考えてみて下さい。

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・・・

まず、考え方にはいくつか方法がありますが、稼げる利益と稼がなければいけない利益は大きく違うということです。

稼がなかればいけない利益とは

まず稼がなければいけない利益についてお話させて頂きます。
稼がなければいけない利益を稼げていない会社は、売上が前年何%アップとか、伸び率が・・・とかいった発想ではなく、利益から考える必要があります。

なぜなら、利益は経費として投資をしたお金と、投資した結果返ってきたお金(=売上)との差額で残ったものではないからです。

利益は、人件費や他の経費と同じように、稼がなければいけないものです。

人件費が、売上と人件費以外の費用の残った金額で決まってしまったら従業員はついてこないでしょう。最低賃金を下回ってしまうという問題もあります。

利益も同じように、最低限稼がなければいけない利益というのがあります。

法律で定められていたり、文句をいう人がいないため、ついつい甘えがちになってしまいますが、事業を継続するために利益は絶対必要です。

稼がなければいけない利益の目安

いくつか目安がありますので、目安ごとに解説していきます。

①赤字の会社の場合

まず何にしても赤字を解消する短期計画が必要です。

その上で債務超過の会社に関しては、3年~5年で債務超過を解消する利益を出す長期計画を立てることが望ましいです。

※債務超過とは、事業開始から現在までの赤字の累計が資本金の金額を上回っていることを言います。気になる方は、貸借対象表の資本の部を見て、資本の部の合計を見て下さい。その部分がマイナスになっていると債務超過、つまり持っている資産より、負債のほうが多い状態ということです。
簡単にいうと、現金300万円(資産)、借入金400万円(負債)だと債務超過100万円ということです。

②年間の借入返済額>年間の税引き後利益+減価償却費(=返済可能額)の会社の場合

まずは、年間の借入返済額を自力で返せる会社にあることが目標となります。
もちろん、足りない分は返した分の一部を金融機関やその他から資金を調達すれば、資金は回りますが、金融機関を含む他人次第ではいつでも資金ショートする可能性がありますので、まずはそこから脱却する必要があります。

もちろん債務超過の場合は①と同様に3年から5年で債務超過を解消する長期計画を立てる必要があります。

※年間の税引き後利益は、短期的な利益や費用は含まず考えましょう。例えば、不動産業意外で不動産の売却による損益があったとしても一時的なものですので、それを差し引いて毎年経常的に返済できるお金に計算しなおしましょう。

③損益分岐点比率80%前後が目安

損益分岐点とは、固定費÷粗利益額のことで、事業の安定度を表します。
難しいことは覚えなくて大丈夫ですが、仮に損益分岐点80%ということは、売上が20%減ったとして、損益がトントン(つまりゼロ円)になる状態ということです。
逆に、損益分岐点120%ということは、あと1.2倍の売上にしないと赤字だということです。
1つの目安ではありますが、まずは約80%、つまり約20%売上が落ちても赤字にならないくらいの余裕を持った事業を作り上げないと、変化の激しいこの時代は厳しくなります。

また、別の機会に解説しますが、事業には将来への投資も必要です。
損益分岐点は低ければ低いほど数字上の経営は安定することになりますが、80%前後に近づいてきたならば、それ以下に落とす前に、将来への投資(=未来費用)をしていきましょう。

この投資をしなくて、30~40年前は好調だったのに、倒産していく企業は少なくありません。

④総資本経常利益率10%以上

投資の利回りは約10%前後と言われています。(諸説ありますし、投資するものによって違うのは重々承知していますが、参考までに)

つまり、事業でも事業に投資したお金の10%くらいは利益を出そうという考え方です。
投資したお金とは何か?事業に使っているすべてのお金です。
どこを見れば良いかというと貸借対照表の資産の部ですね。
資産の部の合計が、今まで事業に運用してきたお金の合計ということです。
この10%の利益を出すことが目安となります。

以上

まずは最低限の利益を稼ぐことを目標にしましょう!

①と②は最低限の数字です。
逆に③と④は理想の数字となります。

まずは①②を達成し、③④に近づけるような長期計画を利益面では考えていきましょう!

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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