うっかりやってしまいそうな借入がNGになる8つの行為。

読了時間目安:約 8分16秒

あなたの会社は大丈夫ですか?
金融機関との付き合いがない、または、短い経営者がうっかりやってしまいそうな決定的なNG集をご紹介します。
態度が悪いとかではなく、知識不足が原因で起こりそうな事例をまとめてみましたので参考にして頂けたら幸いです。

長く金融機関とお付き合いされている方には不要かもしれませんが、これから新しく金融機関とお付き合いしようと思っている方の中にはうっかりやってしまっているミスがあるかも知れませんので、ご確認ください。

その前にまずここまでの金融シリーズで忘れてしまったところがあれば復習してみて下さい。

金融機関の種類編

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ①都市銀行と地方銀行編

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ②信用金庫・信用組合と政府系金融機関 編

結局どうやって金融機関を選んだら良いのか? 都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、政府系金融機関

担保編

借入基礎知識:担保編 ①金融機関はなぜ担保を求めるのか 

借入基礎知識:担保編 ②人的担保と物的担保 特徴と違い

借入基礎知識:担保編 ③不動産の評価方法と担保になりにくい不動産


金融機関からの借入がNGになる項目

これをやったら金融機関から敬遠されるという項目を載せさせて頂きます。
業績、担保、信用、その他含めての総合判断になるので必ず借りられなくなるということではありませんが、借りられる可能性は限りなく低くなると考えて頂くと良いかと思います。

①税金の支払いが未納(滞納)

税金の支払は国民の義務、引いては会社の義務です。

ましてや消費税や源泉所得税、住民税は消費者や従業員の方から一時的に預かったお金ですから、それを支払わず、他にお金を使っていたら横領も良いところと思われても仕方がないことです。
金融機関からもお金を貸しても返してくれないのではないかと思われてしまいます。

そして決算書を一目みればわかる項目です。
納税資金のための貸付を行ってくれる場合もあるので、未納になる前に金融機関に相談にいきましょう。

②社会保険料の未納(滞納)

①と同様に会社の義務です。
そして概ね半分は従業員さんからお預かりして代わりに納付するものと位置づけられています。
やはり金融機関の信頼を失うに十分すぎることですので、借入は困難になるケースが多いです。

③連続での赤字決算

企業が借りたお金をどうやって金融機関に返すかといえば、つまるところ利益を出してお金を稼ぎ返済するということです。
金額云々はともかく、2年連続で赤字の企業に返済できる能力があるとは、なかなか金融機関は考えてくれません。
よほど、将来の業績が明るい要因がなければ難しいといえます。

但し、建前は業績重視で融資する方針なので決算書が連続して赤字だと難しいということになりますが、実務的には担保余力があり、返済が最終的に出来そうな企業には業績が数年悪くても貸す傾向があります。

④債務超過の企業

これも決算書の数字のお話です。
資産より負債が多い状態のことを債務超過と呼びます。
簡単に言えば、手元の現金預金と将来入ってくるお金や、換金できる資産(土地建物、車両など)を足しても、将来払わなければいけないお金や借入金のほうが多い状態のことです。

つまり設立から現在までのトータルが赤字ということになりますから、お金を貸すのは難しいという判断になります。
これは貸借対照表を見ればすぐにわかる数字です。

但し、実務的には代表者の個人財産(=自宅)を足して債務超過にならないケースや、負債とは言っても代表者から会社がお金を借りている場合(役員借入金などと呼びます)には、それを除いて債務超過にならない場合には、実質的な債務超過ではないとみなされ借入ができるケースが多いです。

⑤代表者やその家族、役員に対する過大な貸付金または仮払金等がある

返済が毎月されていて、代表者が会社から借りた理由が明確な場合には問題にならないことが多いです。
会社の規模にもよりますが、金額が小額の場合も問題にならないケースが多いです。(概ね100万円単位から問題になります)

金額が多い場合には、金融機関に頼らず、自分が会社から借りている分を返済して、会社の資金繰りに当てるのが筋ではないかと金融機関が考えたとしても不思議ではないことです。
金額が大きく使途が不明の場合、金融機関は自分たちがお金を貸しても結局代表者やその家族にお金が横流しされてしまうのではないかと疑いますので、借入をするのが困難になります。

特に代表者が借りた記憶はないのに、帳簿上のつじつま合わせのために代表者名義で仮払金や貸付金で処理されている場合は最悪です。

これを読んだ方は、すぐにでも自社の決算書を確認してみて下さい。
もし、代表者名義の仮払金や貸付金があり、小額でも返済されていない場合には、税理士と相談してみましょう。

⑥関連会社や関係会社に対する貸付金、仮払金

これも⑤と同様で金融機関がお金を貸しても、関連会社や関係会社にお金が流れてしまうのではないかと警戒されますし、まずそこから返してもらうのが筋ではと思われてしまうため、借入をするのは難しくなります。

⑦豪華な車などの資産を持っている

浪費癖のある社長なのではないか?とか、まずはそれを売って資金調達をすれば良いのではないか?など疑いを招き、借入できないケースが多くなります。

⑧リスケジュール(返済条件の変更)をしている場合

毎月◯万円ずつ返済しますと借りる時に約束しておいて、返せなくなってしまったので減額して下さい、またはしばらく待って下さいとお願いし、最初の約束から今の約束が変わっている状態です。
一度約束違反をされ、約束を変えているわけですから、再度信用してもらうのはなかなか難しいと考えたほうが良いと思います。
このケースはよっぽどの場合以外、借入は出来ませんし、かつ、数年にわたってその履歴が残ってしまいその後の借入をする際にも影響します。

NGを出す女性x

編集後記

その他にも業種による規制や、代表者が過去に金融事故を起こしている、ノンバンクからの借入が会社または個人である、カードローンが多額等の理由で断られるケースもあります。
もちろん要件を満たさない場合にも断られます。(例えば創業2年以内の融資制度なのに、3年目の企業が申し込むなど)
その中でも、今回はうっかり勘違いしてやってしまいそうなミスを並べてみましたので、参考になれば幸いです。

次回からは借入の種類について解説していけたらと思います。

最後に

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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