経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ②信用金庫・信用組合と政府系金融機関 編

読了時間目安:約 9分54秒

金融機関の種類について、前回の都市銀行(都銀)と地方銀行(地銀)に引き続き、今回は信用金庫・信用組合と政府系金融機関についてです。 まずはそれぞれの金融機関の特色と相違点を知って頂けたらと思います。

金融機関の種類は以下の4つに大分類されます

(1)都市銀行
(2)地方銀行
(3)信用金庫・信用組合
(4)政府系金融機関

前回は(1)都市銀行(都銀)と(2)地方銀行(地銀)についてお話をさせて頂きました。
経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ①都市銀行と地方銀行編

今回は(3)信用金庫・信用組合と(4)政府系金融機関の2つを見ていきましょう。

都会の風景

信用金庫・信用組合

いわゆる○○信用金庫や○○信用組合と言われるところです。
ところで、銀行と信用金庫、そして信用組合とはそれぞれ何が違うかご存知でしょうか?

銀行、信用金庫、信用組合の違い

細かい説明は次回以降として、今回は簡単に書かせて頂きます。

まず銀行は株式会社であり、株主の利益を優先する営利団体であり、信用金庫と信用組合は信用金庫は会員、信用組合は組合員のための非営利団体であるというところが大きく違います。

また、従うべき法律も銀行は銀行法、信用金庫は信用金庫法、信用組合は中小企業等協同組合法、協同組合による金融事業に関する法律(協金法)となっています。

大きな違いは銀行は営利団体であり、儲かるか儲からないかが非常に重要な指標になるのに対し、信用金庫・信用組合は会員又は組合員のために非営利で活動しているということです。
信用金庫と信用組合では、細かい制限や従うべき法律が違いますが、中小企業の経営者がその違いを正確に把握する必要はないと思いますので、今回は割愛します。

銀行と信用金庫・信用組合は何が違うかを抑えて頂ければと思います。


信用金庫・信用組合のメリット

・銀行と違い非営利団体であるため、会員又は組合員のために貢献することを目的としている
つまり、小規模事業者であっても借入がしやすい傾向にある(あくまでも銀行と比べた場合です)

・地方銀行と比較しても更に地域密着であり、会員又は組合員に貢献することを目的としているため、最後まで親身に相談に乗ってくれる(貸し剥がしのようなことは少ない)

・担当者変更が少ない。


信用金庫・信用組合のデメリット

・規模が小さいため借り入れできる金額が少ない
都市銀行→地方銀行→信用金庫→信用組合という順に規模が小さくなるイメージです。

・資本力がないため、利息が高くなる傾向がある。

・会員又は組合員の相互扶助で成り立っているため、最初に出資金が必要となる(但し金額的に5万円程度で大丈夫なので、大きなデメリットと思う必要はありません)


信用金庫・信用組合のその他の特徴

地方銀行と同様で資本力が低いため、回収が難しくなっても簡単には諦めません。
事業を継続したい方には最後の最後まで信用金庫・信用組合が親身に対応してくれるので、メリットになるケースもありますが、事業を辞めたい方は都市銀行なら減額の可能性がありますが、信用金庫・信用組合ではその可能性は少なくなるのでデメリットと言えます。

政府系金融機関

政府系金融機関とは、日本政策金融公庫と商工中金、日本政策投資銀行などことを言います。
なぜ政府系というかというと、どちらも株式会社なのですが、日本政策金融公庫の株主は100%日本政府です。
商工中金に関しても過半数を超える株式を政府が保有しています。
そのため政府系金融機関と呼ばれます。

そして、どちらも設立趣旨は、簡単にいうと民間の金融機関が手の届かないところをサポートすることとなっています。
どちらかというと商工中金は民間金融機関と近いですが、日本政策金融公庫(旧:国民生活金融公庫と農林漁業金融公庫、中小企業金融公庫)は非常に特色があり、中小企業の財務戦略には外せない機関となります。

なので今回は日本政策金融公庫に焦点を当てて解説致します。


日本政策金融公庫のメリット

・融資を受けやすい
民間企業が貸し出し困難な事業者を対象にしているため、起業前または起業後実績のない企業でも借入がしやすくなっております。
事業をしている人ならご存知かもしれませんが、借入を考えた時に真っ先に候補としてあがるのが日本政策金融公庫ではないでしょうか?

・預金口座がないため、返済口座を別の金融機関に設定できる
テクニック的な話になりますが、通常は金融機関からお金を借りたら、その金融機関の口座からお金を返します。
しかし、日本政策金融公庫では預金口座は解説できないため、他の金融機関の口座を使えることになります。
ここで安易に口座を選ぶのではなく、次に借りたい金融機関の口座に設定しておくと、その金融機関の口座から、借入金の返済をし続けたという実績になりますので、次はその金融機関から融資を受けやすくなります。

・半分融資を返済出来れば、追加融資を受けられる確率が高い。
これはあくまでも決まりではなく、そういうケースが多いという程度の話としてご理解ください。
例えば最初に300万円借りて、150万の返済が終わった時点で、次の融資を日本政策金融公庫から受けることが可能になる可能性が高いということです。
逆にいうと半分返済が終わってないと借りれない可能性が高いということですが、これを知っていると財務戦略を立てやすくなると思います。

日本政策金融公庫のデメリット

・審査が非常に細かい
厳しいという意味ではなく、細かいです。
用意する書類も非常に多く、不備があるとなかなか融資実行まで結びつきません。
設備投資等に関してもだいたいではなく、物件の契約書や設備の見積書など、細かく確認されたり、融資後に物件変更が不可能だったりと細かく決まりがあります。

また、政府系というだけあって、税金の滞納等があると融資はおりません。(源泉所得税の納付書まで提出を求められます)他の金融機関でも税金の滞納はNGですが、よりチェックが厳しいと思って頂ければと思います。

日本政策金融公庫のその他の特徴

回収が難しくなっても簡単には諦めません。その諦めなさは地方銀行、信用金庫・信用組合以上です。
事業を継続したい方には最後の最後まで信用金庫・信用組合が親身に対応してくれるので、メリットになるケースもありますが、事業を辞めたい方は都市銀行なら減額の可能性がありますが、信用金庫・信用組合ではその可能性は少なくなるのでデメリットと言えます。

また、返済困難になった際にリスケジュール(返済金額を一定期間少なくしてもらうこと等)をお願いした場合に、前述の金融機関に関しては、メイン銀行に横並びで応じる場合が多いですが、日本政策金融公庫は横並びでは応じず、独自の交渉が必要で、かつ、リスケジュールには民間企業より困難だと思って頂ければと思います。
一時期は日本政策金融公庫は絶対に応じない難攻不落と言われた時代もあったようですが、最近では応じているケースもあるようです。

編集後記

金融機関の種類、いかがだったでしょうか?
次回は金融機関の選び方についてお伝えします。
金融機関は、政府系金融機関→信用金庫・信用組合→地方銀行→都市銀行をステップアップするようにつきあっていくのが良いというのが定石です。
この定石の根拠や具体的方法などについて、まとめていきます。

金融機関から借入ができない時に!

ファクタリングという方法があります。
これは、自社の売掛金や在庫を担保にお金を借りることができます。
金融機関でも土地や保証人の代わりに売掛金や在庫を担保にお金を貸す制度がありますが、まだまだ一般的ではありません。

ファクタリングは怪しい資金調達ではありません。
返せないときには、売掛金や在庫がファクタリング会社のものになります。

在庫は売却に手間がかかるため取り組んでいる会社も少ないですが、売掛金を担保にお金を貸している業者は多いようです。

下記、売掛金100万円以上からファクタリングが可能で、いくら借りられるか診断できますので、ご興味ある方は参考にしてみてください。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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