結局どうやって金融機関を選んだら良いのか? 都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、政府系金融機関

読了時間目安:約 8分13秒

前回までに金融機関の種類について説明させて頂きました。 今回は事業又は企業の規模に応じて、どうやって金融機関を選んでいったら良いかについて解説させて頂きました。

具体的には、

(1)都市銀行(都銀)
(2)地方銀行(地銀)
(3)信用金庫・信用組合
(4)政府系金融機関

と金融機関の種類についてお話してきました。

忘れてしまった方はこちらからご覧ください。

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ①都市銀行と地方銀行編

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ②信用金庫・信用組合と政府系金融機関編

では、今回は結局どうやって付き合う金融機関を選んだら良いのか?という話をさせて頂きたいと思います。

この記事の目次

金融機関は規模に合わせて選びましょう。

政府系金融機関(日本政策金融公庫)→信用金庫・信用組合→地方銀行→都市銀行の順で規模が小さいと借りにくくなっていきます。
今、預金口座でも構わないので金融機関とお付き合いがある場合には、まず付き合いのある金融機関に借入の相談をしてみることをお勧めしますが、もし断られてしまったら、まずは日本政策金融公庫とお付き合いをすることをお勧めします。
前回もお伝えした通り、日本政策金融公庫は政府期間が100%株式を持つ政府系金融機関であり、簡単にいえば、民間金融機関の手が届かないところをサポートするのを仕事としております。

実態はさておき、起業前~起業2年以内の実績のない事業主、企業がお金が借りやすいのは事実です。

そしてこれも前述しましたが、通常の金融機関と違い預金口座の開設ができません。
結果として、他の金融機関の預金口座から日本政策金融公庫に返す必要があります。

この時に、信用金庫・信用組合または地方銀行あたりの預金口座から返済をし、金融機関に対し借入金の返済履歴を残しておくと実績としてカウントされ、その口座のある金融機関から借りやすくなります。

つまり、ステップとしては、日本政策金融公庫→信用金庫・信用組合又は地方銀行(地銀)→都市銀行(都銀)とステップアップしていくことをお勧めします。

付き合う金融機関は1行で良いのか?

これは断言します、複数行と並行して付き合うことをお勧めします。
金融機関はお金を貸して金利をもらってはじめて収入になります。
特に融資担当だと、貸出金額のノルマや新規融資のノルマなどを持っています。

つまり、複数行とつきあうと競争原理が働くわけです。

○○銀行さんは○%の利息で○千万円貸していますが、うちの銀行では0.2%金利の安いプランで同額貸しますよ!

なんてことが、かなりの確率であるわけです。

私の経験でも1行としか付き合っていなかった会社が同じ会社に追加融資を頼んだら担保余力があるにも関わらず、かなり金利の高く、返済期間も短い提案を受けました。
そこで、私が付き合いのあった金融機関を紹介したところ担保なしで金利は低く、返済期間の長いプランを出してくれました。
更にその話を前述の金融機関に出したところ、慌てて紹介した金融機関より良いプランを持って上司と尋ねてきたことがあります。

相見積もりをしろということではありませんが、金融機関や支店長、はたまた担当者によって方針や積極性が違うことはよくあることですので、複数の提案を受け最善のものを選択すべきです。

金融機関とは何行と付き合うのが理想か

年商10億円前後からそれ以上の企業

中小企業でも、年商10億円を超えるような企業であれば、都市銀行2行、地方銀行、信用金庫・信用組合から2行~3行、政府系金融機関(日本政策金融公庫と商工中金)から1行~2行くらいの計6行程度が目安ではないでしょうか?

大事なのは種類をわけるということです。

年商5億前後の企業

都市銀行1行~2行、地方銀行、信用金庫から1行~2行、日本政策金融公庫の計4行くらいが理想かと思います。

年商1億円前後の企業

都市銀行0行~1行、地方銀行、信用金庫・信用組合から1行~2行、日本政策金融公庫の計3行くらいが理想です。

年商1億円未満

都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合のどこからでも良いので1行、日本政策金融公庫の計2行

※あくまでも一般論です。

政府系金融機関をうまく活用しよう

上記金融機関の中で、政府系金融機関だけは少し考え方が違います。
なので、どの規模の企業にも日本政策金融公庫を入れさせて頂きました。

通常の金融機関は、また後日詳しく書きますが、プロパー融資と言われる、いわゆる金融機関独自の融資と、保証協会付と呼ばれる、金融機関が保証協会の保証をつけた上での融資の2通りの融資があります。

このプロパー融資というのは、金融機関が自ら貸付に責任を持ち、貸付企業が倒産した場合には自分たちで何とかしますという融資制度なので、当然金融機関は貸付に慎重になります。

ところが、保証協会付というのは、もし貸付企業が倒産した場合には、一般的には80%は保証協会から金融機関に補てんしますので、20%だけ金融機関でどうにかして下さいという制度になっています。(但し、企業は80%についても保証協会に返済する義務をもつので、保証協会付だから免除になって、プロパーだから免除にならないといったことはありません。)

結果として、業績が非常に良いとか、人的物的担保がしっかりとあるとかの場合でないと、プロパー融資というのはなかなか実行してくれない金融機関が多いのです。

一方、保証協会付は借りやすい反面、A銀行とB信用金庫で借りても、結局保証協会を使うとなると保証協会が定める企業ごとの保証上限がいっぱいになってしまうと、どこの金融機関を窓口にしても融資がされなくなってしまうのです。

ところが、今回理由は割愛しますが、日本政策金融公庫(政府系金融機関)だけはこの保証協会付という融資制度がないので、全てプロパー融資となります。

つまり、保証協会付しか借りれない企業は、たくさんの金融機関と付き合っていても借入という意味では保証協会とだけ付き合っているようなもので、保証協会が無理といえば借りれなくなってしまいますが、日本政策金融公庫との付き合いを続けていれば保証協会以外からの借入になるので、別枠となります。
いざという時のために、日本政策金融公庫をセーフティネットのように活用することをお勧めします。

また、一度全額返済してから、資金繰りに困って借りようとすると難しいですが、慣習として日本政策金融公庫は元金の半分を返した企業に対しては、追加融資を行う傾向にあります(あくまでも慣習であって絶対ではありません。)
全額返してしまう前に常に新規借入をして、利息は保険と考え、継続して日本政策金融公庫と付き合っていくこともリスクマネジメントとしてはありだと思います。

資料を比べて選ぶ会社員

編集後記

中小企業やスモールビジネス事業者はまず日本政策金融公庫を有効に活用しましょう。
その上で、地方銀行又は信用金庫・信用組合のうち、地域にあって通常の振込処理等もしやすい金融機関で口座開設し、ゆっくりと付き合いを始めていくというのが有効な方法だと思います。

そして徐々に独占状態ではなく、金融機関を増やし、金融機関同士に競争させる方向で考えていくのが最善です。

金融機関と企業はあくまでも対等です。
競争させたら気分を害すると卑屈に考える必要もありませんが、あまりにも損得だけで考えるのもよくありません。

このシリーズでは、金融機関との付き合い方(例えば金融商品の購入をお願いされたら、とか、追加の担保をお願いされたらなどなど)も取り扱っていくつもりですので、楽しみにしていて下さい。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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