金融機関 ATM

事業をする上で必ず必要となる金融機関との付き合い方をまとめていきます。
一口に金融機関といっても種類があり、特色も様々ですので、まずはそこについてまとめました。
今回は都市銀行(都銀)と地方銀行(地銀)についてです。

第1回目は金融機関の種類についてです。

よく銀行借入と表現する場合が多いですが、銀行のみでなく信用金庫、信用組合なども含まれるので、総称して金融機関と呼ばれます。

金融機関の種類は以下の4つに大分類されます

(1)都市銀行
(2)地方銀行
(3)信用金庫・信用組合
(4)政府系金融機関

それでは1つ1つ見ていきましょう

金融機関 ATM

(1)都市銀行(都銀)

いわゆるメガバンクと呼ばれる三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行(順不同)の3行とりそな銀行をくわえた4大銀行のことを表します。

りそな銀行が入るかは議論の分かれるところですが、借入の際の考え方は同じなので、一緒に説明いたします。

都市銀行のメリット

大資本経営のため
・金利が安いこと
・大きな単位での借入が可能なこと
があげられます。

都市銀行のデメリット

・初回借入の敷居の高さ
・担当者が変わる頻度が高く期間も短い

などがあげられます。

都市銀行のその他の特徴

これはメリットかデメリットか微妙なところですが、貸付先企業が回収困難の可能性がある場合のことを貸倒懸念債権と呼びますが、この判断が非常に早いです。
大資本だけにシビアというところでしょうか?
そして本格的に貸付金が回収不能となった場合に、サービサーと呼ばれる貸付回収代行会社のような機関に債権の売却を行います。

この場合、ケースバイケースですが、債権額の2割程度で売却すると言われております。
例えば1億円の貸付金(企業側は借入金)があった場合には、サービサーは2割なら2,000万円で買い取るということです。(何割で買い取るかはケースバイケースの上、企業側には知らされません)
つまり、返済不能に陥った企業は1億の借金でも交渉次第でサービサー側が利益がでる額を返済すれば必ずしも1億返す必要がないということです。
この辺の交渉方法や詳細はまた別途書きます。但し、実際にやる場合には専門家に頼んだ方が良いでしょう。

事業をたたむことを考えていれば、うまく交渉すれば借金も残らず自己破産もせず、きれいに片付きますが、事業を継続したい場合は致命的となります。
貸倒懸念債権、つまり回収に危険があると判断された企業、ましてやサービサー(回収代行会社のようなもの)に債権を売却した企業には、新しい借入など出来なくなるからです。
その判断が非常に早く、そしてシビア、この辺は一長一短というところでしょうか?

(2)地方銀行(地銀)

地方銀行とは都市銀行以外で○○銀行と名乗っているところすべての銀行を言います。
例えば
横浜銀行、東京都民銀行、阿波銀行、静岡銀行
などがあります。
(挙げた名前に特段意味はありません。過去に付き合いがあったところをあげました)

地方銀行のメリット

・小回りの良さ
集金をはじめとして、定期的に訪問に来てくれます(但し、一般的な話であり金融機関や担当者によっては・・・)

・担当者の変更がほとんどない

・地域密着型
ここが最大のメリットかもしれません。都銀は全国規模で物事を考えるのに対し、地銀の使命は都銀が手が回らない規模の企業をサポートすることにあります。
つまり、地域の中小企業こそメインのお客様と考えていますので、中小企業に対し、親密かつ熱心に対応してくれます(先ほどと同じく、もちろん担当者にもよります)

地方銀行のデメリット

・都銀に比べ利息が高い

・定期預金や金融資産の営業も多い
これは経験則ですが、都銀は大手企業や中小企業でも売上規模が10億円を超えるような企業にしか金融資産や為替予約の営業をしていないようでしたが、地銀は中小企業をメインのお客様としており、定期的に訪問してくるため、定期預金や金融資産の営業が中小企業に対しても多いように感じました。
定期預金の見返りに借入ができるということはないのですが、やはり心理的に断ると不利になってしまうのではないかという気持ちになり、つきあいで定期預金や金融資産の購入をしている企業も多数ありました。

地方銀行のその他の特徴

資本力がないため、回収が難しくなっても簡単には諦めません。
事業を継続したい方にはメリットになるケースもありますが、事業を辞めたい方は都市銀行なら減額の可能性がありますが、地方銀行ではその可能性は少なくなるのでデメリットと言えます。

編集後記

事業をやる上で必要な金融機関との付き合い方をまとめていきたいと思います。
まずは金融機関の種類を知り、上手につきあって頂きたいと思い初回のテーマにあげました。
しかし、長くなってしまったので、数回にわけてお送りしたいと思います。
起業時の銀行口座の開設の仕方なども別の機会にお伝えしていく予定ですので、楽しみにして頂ければと思います。

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