緊急保証制度(セーフティネット)融資とは?制度と対象

読了時間目安:約 7分24秒

困った時の頼み綱とも言われる借入制度である緊急保証制度(セーフティーネット)。
直近であれば、リーマンショック後に活用した企業が多くあるのではないでしょうか?
そんな緊急保証制度(セーフティネット)融資についてまとめてみます。

緊急保証制度(セーフティーネット)融資とは?

業績が悪化している業種の中小企業者の資金繰りを支援するために創設された制度で、正式名称を原材料価格高騰対応緊急保証と言います。

前回の、信用保証協会の責任共有制度とは?信用保証協会の基礎の中でお伝えした、責任共有制度の対象とならない経営安定関連保証(セーフティネット保証)の5号の範囲を拡充した制度となり、通常より審査基準が低くなります。

制度の作られた目的も中小企業救済の意図が強く、借りやすい制度となっておりますので、不況時には利用する企業が多くなっております。

緊急保証制度(セーフティーネット)の特徴

別枠として無担保で保証枠が最大8000万円

信用保証協会は企業の業績や実績に応じて、通常の保証枠を無担保で最大で8,000万円用意しています。(最大であり、どんな企業でも8,000万円借りられるということではありません。)

この枠を通常とすると緊急保証制度では、その通常枠とは別に無担保で最大8,000万円の枠を用意してくれます。

つまり、限度枠いっぱいまで借りていたとしても、この制度を使えば別枠としてまた借りられるということです。

非常にありがたい制度といえます。

保証限度枠の仕組み

参考までに保証限度枠の仕組みをご紹介しておきます。

◯一般保証限度額
普通保証2億以内
無担保保証8,000万円以内
無担保無保証人無保証1,250万円以内

◯別枠保証限度額
普通保証2億以内
無担保保証8,000万円以内
無担保無保証人無保証1,250万円以内

となっており合算で2億8,000万円までとなっております。

但し、通常枠、別枠ともに普通保証枠は担保があっての話であり、ともに最大額ですので、担保の価値や企業の業績、実績に応じて実際の保証限度額(=貸出限度額)は変わってきます。

保証期間が10年

保証期間が10年以内となっており、据え置き期間も1年認められています。

こちらも最大の話なので、ケースバイケースですが、最大で運転資金を10年の期間で借りることができるということです。

個人的な経験則としては、限度額一杯を借りるのはなかなか難しいですが、限度期間一杯で借りるのは比較的簡単なイメージがあります。

保証料がやすい

おおむね1%以内の保証料率となっております。

各保証協会及び保証制度ごとに違いがあります。

信用保証協会の100%保証

信用保証協会の責任共有制度でも、お伝えしましたが、緊急保証制度(セーフティーネット)は責任共有制度の対象外となります。

金融機関が貸し倒れによるリスクをとる必要がないので、融資が通りやすい一面があります。

借換制度との併用も可能

借換制度については別途ご説明しますが、既存の借換を緊急保証制度で借りたお金で返済し、一本化をすることが出来ます。

月々の返済額を軽減することができますが、一定の条件があるので注意が必要です。

信用保証協会の責任共有制度でも触れているので、参考にしてみて下さい。

対象となる中小企業

業種及び業績基準により、規定があります。

半年周期で業種の増減や業績基準の変更がありますので、実際に利用される方は要確認です。
(最新情報は中小企業庁のホームページから確認すると便利です。)

今回は2015年4月現在の詳細を載せておきます。

期限は平成27年6月30日までです。単純に延長される場合と、条件に変更があり延長される場合、そして場合によっては廃止される場合があります。

最新情報は常にチェックしたほうが良いですが、金融機関の担当者や顧問税理士さんに、うちの会社って緊急保証制度の対象になる?って聞いてしまうのが一番早いかもしれませんね。

大事なのは、こういう制度があることを知っていて、誰かが提案してくれなくても、自分で聞くことができるということですね。

では2015年4月現在の詳細です。

指定業種はこちらから→http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2015/1504025gou.pdf

その上で、中小企業庁のホームページから引用すると

(イ)指定業種に属する事業を行っており、最近3か月間の売上高等が前年同期比5%以上減少の中小企業者。
(ロ)指定業種に属する事業を行っており、製品等原価のうち20%を占める原油等の仕入価格が20%以上、上昇しているにもかかわらず、製品等価格に転嫁できていない中小企業者。

と書かれています。

これもサイトを見た方が早いですね。細かい計算方法も載っています。
http://www.chusho.meti.go.jp/kinyu/2014/140303gaiyou.pdf

ちなみにこれは全国的な話であり、都道府県または市区町村によって売上高の減少基準が3%で良いなど、条件が緩和されている地域もあるので、調べて見て下さい。

緊急対応

編集後記

緊急保証制度(セーフティーネット)は、ぜひ活用してほしい制度の1つです。

現実に活用する中小企業も多いと思います。

注意してほしいのは、過去に緊急保証制度(セーフティーネット)で借りていて、まだ借入残額が残っている場合には、その残額は、別枠の残額と計算されます。

この制度でも融資を受けることができない、またはこの制度を使っても業績改善できない場合には、廃業前の最後の手段としてリスケジュールという選択肢になります。

そうならないためにも、緊急保証制度(セーフティーネット)をただ借りるだけでなく、友好的に利用して欲しいと思います。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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