【VOL135】マーケティングに役立つ心理効果〜印象編5選〜

読了時間目安:約 17分9秒

事業を行うのに必要な要素の1つにマーケティングがあります。
マーケティングにはいろいろな理論がありますが、その中でもこれだけは必ず覚えておいてほしいとお伝えしたのが3Cと3Mという考え方です。
詳細は他の記事で書いていますので、その中の1つでもある「お客様にどう伝えるか(=メッセージ)」の部分について、心理効果の中でも特に「印象」についての話しを中心に今回は書いていきます。

3Cと3Mについて詳しく知りたい方はこちらをご覧下さい。
【VOL122】中小企業の経営に最低限必要なマーケティングの基礎

心理効果の代表例と重要性について書いた記事です。
【VOL123】マーケティングを最大限に活かすための消費者心理の基礎と代表例5つ



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【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字

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今回は『マーケティングに役立つ心理効果〜印象編5選〜』です。(編集前のメルマガは2016年12月21日(水)に配信されています)

価値をどう伝えるかが大切

中小企業の経営者の方とお会いしていると8割の方が売上に苦戦しています。
多くの人が、良いもの(又はサービス)を作れば、販売や営業活動をしなくても売れると思い込んでいます。

お客様は素人です。
はっきりいって、見れば他社との違いがわかるでしょ?というスタンスでは理解もしてもらえませんし、購入しようなどとは思いません。

大切なのは、価値を言語化して伝えることです。
【VOL122】中小企業の経営に最低限必要なマーケティングの基礎でお伝えした3Mのメッセージの部分になりますが、人がどういう言葉や文章に心を動かされるかは心理学で研究されています。

この心理学を悪用して商品やサービスの良さを誇張して売るのは詐欺ですが、実際の価値を伝えるのは必要なことです。

今回は人の印象に影響のある心理効果を中心に5つほどご紹介致します。

ハロー効果

ハロー効果とはある事象や出来事によって、他のことが誤解されて認識されたり、歪んで理解されたりすることを言います。

ハロー効果の由来

ハロー効果とは、英語の挨拶のhelloではなく、haloのことを指します。
haloの意味は円光、後光などで、ハロー効果は別名、後光効果などと言われています。

ハロー効果の事例

【VOL123】マーケティングを最大限に活かすための消費者心理の基礎と代表例5つで紹介した「社会的証明の原理」にも通じるものがあります。

例えば、弁護士の人と聞いたら、頭が良さそうとか、固そうとか、真面目そうとか、稼いでいそうなどと想像しませんか?
これはハロー効果の1つです。

弁護士でも軽い人もいるでしょうし、貧乏な人もいるはずです。

しかし、弁護士だとういう1つの事象によって、他のことまであれこれ想像され、その人のイメージが決まってしまう効果をハロー効果と言います。

これは社会的証明とは違い、ビジネスの初対面のときに着ているものが何かなども含めて、相手に与える影響すべてをひっくるめてハロー効果と呼ばれています。

一般論ですが、スーツを着ていけば固そうに見られ、私服であれば自由な職業なのかな?などと想像されます。

このハロー効果を上手に活用すれば、自身が相手からどう見られるかもある程度コントロールできるようになります。

ビジネスの現場で使われている例としては、ホームページやパンフレットなどの取引企業にやたら大企業や有名企業などがでてくるというのがあります。
これは、知っている企業と取引していて安心というハロー効果を狙っているといえます。

中小企業で活用できるハロー効果

中小企業で活用できる事例としては、

・有名人、有名企業からの商品・サービスの紹介文
・テレビ、新聞、雑誌、書籍などの掲載実績
・お客様の声の掲載

などがあげられます。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果とは、人気のあるものや流行っているものに心を惹かれることを言います。

バンドワゴン効果の由来

バンドワゴンとは、行列の先頭の楽隊車のことです。
バンドワゴンに乗るという表現で、時代の流れに乗るとか流行に乗るとかいう意味で使われます。

バンドワゴン効果の事例

初めて行った街で食事をしようとしたときに、ガラガラのお店を選ぶか、お客様がたくさんいるお店を選ぶかの選択をする際に、後者を選ぶ人が圧倒的に多いのが、バンドワゴン効果の1つです。

ラーメン屋などの小規模の飲食店では、出店費用を抑える意味合いもありますが、お店をあまり広くせず席数を減らし、わざと賑わっているように見せたり、行列を作ったりしているお店もあるくらいです。

Facebookやインスタグラムなども、みんながやっているから始めた人も多いのではないでしょうか?
これもまさにバンドワゴン効果の1つといえます。

バンドワゴン効果を有効に活用するためには、人気があることを演出することともいえます。

中小企業で活用できるバンドワゴン効果

中小企業でも活用できる

・お客様の声を集めて人気がある商品、サービスであることを証明する
・お客様が利用している写真や動画などをホームページなどで公開する
・売り切れた商品なども公開し、人気商品は売り切れるほど人気であることを証明する
・他社で実施されたものでも良いので、アンケートなど客観的に証明可能なもので人気を証明する。
 これは別に自社の商品でなくても大丈夫です。
 例えば、「中小企業の8割が人事評価制度を導入しています」など、商品やサービス自体の人気でも問題ありません。

プラシーボ効果

プラシーボ効果とは、思い込みによる心理効果のことを言います。

プラシーボ効果の由来

プラシーボとはラテン語の喜ばせるという意味の言葉が由来となっています。
偽薬効果とも呼ばれ、有効成分がまったく入っていないカプセルを「この薬はとってもききますよ」といって飲ませた結果、症状が改善したという事例がたくさんあり、患者を喜ばせるという意味も含めて、この思い込みに寄る効果がブラシーボ効果と名付けられました。

ブラシーボ効果の事例

ビジネスではありませんが、風邪をひいている人の側にいると自分も体調が悪いと思い込んだり、食べ物を食べた後にその食べ物が消費期限を過ぎていたものだと知った途端、お腹の調子が悪くなったりするのも、ブラシーボ効果の一種です。

飲食店などで、「◯◯という産地のアブラがたっぷりのって、身がひきしまった◯◯です」などと、説明されてから食べるとおいしく感じるのもブラシーボ効果です。

ハイレベルなものになると、昔流行った「ファイト一発」のCMのようにかなり誇張な表現になります。
決してリポビタンDを飲んでも、あんな力を発揮できるわけではないのですが、なぜかリポビタンDを飲めば仕事を頑張れそうな気がします。
リポビタンDを飲む=力を発揮できるという思い込みによる効果が大きい部分です。

中小企業でも活用できるブラシーボ効果

商品やサービスを使った効果や未来を見せることを意識してみましょう。

・人事評価制度を導入した企業の社員は生き生き働いていて社風が改善された
・ジムに通うようになって体調がよくなり仕事もはかどるようになった
・髪を切ったり、パーマをかけたりして、理想の自分のイメージに近づけた

などです。

決して人はモノを買っているのではなく、そのモノを通して得られるコトを買っています。
コトを得られるかどうかは良い意味での錯覚が必要ですので、ブラシーボ効果を上手に使ってみましょう。

初頭効果

初頭効果とは、最初が肝心、人は最初に示された情報に強く影響を受けます。
第一印象が大事というのもこの初頭効果からきています。
人は見た目が9割 (新潮新書)という本が一時期流行りましたが、これも初頭効果の話です。
特に人は無意識に5〜7秒くらいで、相手の印象を決めると言われています。
そして、その5〜7秒くらいで無意識に決めてしまった印象は、よほど強い別の印象に残ることがなければ、ずっと続くと言われています。

表情、話し方、髪型、服装など第一印象を決めるには要素は様々ですが、印象が大切な政治家などはイメージコンサルタントなどを雇うほど重要視しています。

初頭効果の事例

例えば、10人がプレゼンをする場合、プレゼン内容に大差がない場合には、最初の人と最後の人が印象に残ります。
(最後の人に関しては次項の親近効果にて説明します。)

また、有名な、干支の十二支、子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥ですが、最初のネズミ、ウシ、トラとイノシシくらいしか言えない人が多いのも初頭効果の現れです。

これを存分にビジネスの現場で発揮されているのがキャッチコピーです。
一時期流行ったJRの広告ですが、「そうだ、京都行こう!」などはまさにその典型です。
一体何の広告だったかは忘れても、このフレーズだけはドンと心に入ってきます。

中小企業でも活用できる初頭効果

まずは何と言っても第一印象です。
見出しなどは当たり前として、一番効果的なのは自社のビジョンや理念を前面に、かつ、ひと言で表現することです。
ただの整備士とか美容師とか職業や、飲食店とか製造業などと行った仕事内容で紹介するよりも、どういう想いで仕事をしているかを初対面のときに伝えたほうが印象に残ります。
特に経営者同士や経営者の方を相手に話をする際にはなおさらです。

セミナーなどの質疑応答の際には一番最初に質問する、セミナー終了後の名刺交換は真っ先に行く、プレゼンの時は一番になどを意識するだけでも効果的です。
次に紹介する親近効果は、一番最後の印象が大事という正反対なことが書かれています。
初頭効果と親近効果では、相手に与える印象が違ってくるので、その違いを把握して使い分けられると理想です。

親近効果

よく初頭効果と対比して効果が紹介されるのが、この親近効果です。
初頭効果が最初の印象が残りやすいとしているのに対し、この親近効果は最後が印象に残りやすいとされています。

初頭効果の際に、十二支の話を書きましたが、多くの人が、ネズミ、ウシ、トラの最初の3つと、最後のイノシシくらいしか覚えていないことからもわかるように、最初も最後も印象に残りやすいので、初頭効果も親近効果も正しいことに間違いはありません。

その違いがどこにあるかというと、
初対面など、相手の関心や理解が低いときには、初頭効果を意識し、
関心を持ってくれたあとは、親近効果が影響力があると言われています。

相手が関心が無いときは、初頭効果を使って興味を引きつけないと親近効果も何もないからです。

例えば、ネットで何か調べようとするときに、検索にでてきたページを1ページ1ページ最後まで読んでない人がほとんどです。
最初の数行読んで、読み続けるか、別のページに移動するかを決めてしまいます。

関心が強い場合には、最後まで読み、そのページが役に立ったか立たなかったかの判断をします。
その際に最後の部分が相手の印象に残りやすいというのが親近効果となります。

親近効果の事例

商談や交流会などであまりうまく話せなかったとしても、御礼のメールや手紙を送ることで、良い印象として残ります。
また、価格の話は商談の最後にしろとか、値引きをするなら最後の最後にしろなどと言われているのも、実はこの親近効果と関係があります。
価格を下げることが良いか悪いかはおいといても、購入を決めるのに価格は大きなインパクトがあります。
値引きを最後にすることで親近効果が働き強く印象に残り、値引きもしてもらえたのに買わないなんて損なのではないかという心理が働くこととなります。(余談ですが、プロスペクト理論など他の心理効果も複雑に働いています)

中小企業でも活用できる親近効果

購入判断を左右するようなインパクトのある情報はなるべく最後に持ってくるようにすることであれば今日からでもすぐにできます。
価格の話を例に出しましたが、競合他社との違い、なぜいつか買うのではなく、今買ったほうが良いのかなど理論的に説明する部分でも購入の決め手と思えるのであれば最後の部分に持ってきましょう。

また、単純におまけをつける、プレゼントをつけるなど、得する部分を購入判断の切り札にするのであれば、これを最後に持ってきます。
つまり、一番インパクトを残したい部分は最後のほうに持ってくるということです。

当たり前ですが、いくら最後が大事とはいえ、その仮定がダメであれば最後だけ良くしても意味がありません。
終わりよければすべて良しという言葉もありますが、親近効果はそういう意味ではないということに注意しましょう。

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編集後記

ビジネスをする上でお客様の心理を考えることは非常に重要です。
もちろん商品・サービスがお客様の役に立ち、喜んでもらえるものにすることが最も大事ですが、それをどうお客様に伝えるかも同じくらい大切です。
こんな言葉もあります。
「伝えたか伝えなかったかではなく、伝わったか伝わってないかが重要なのだ」

伝わるか伝わらないかは相手がどう感じるかという部分が大部分を占めるので、どう伝えたらどう感じるかという心理を読む必要があります。

そのためにもお客様の行動心理や、一般的に心理効果のある方法というのはビジネスをする上で学ぶことが必要です。
意外と軽視しがちな部分だからこそ差別化できる要因となります。

そして、その心理効果を活かしたマーケティングを学ぶのにお勧めなのが、文章でお客様に購入の決断をさせてしまうコピーライティングを学ぶことです。

何度もお勧めしていて、いい加減しつこいくらいですが、その仕組みを学ぶために、ダン・ケネディのダン・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門
は本当にお勧めです。

そして、実際のコピーライティングを学ぶのであれば、ウェブセールスセールスライティング習得ハンドブックがお勧めです。

企業の経営は売上がなければ成り立ちません。
財務や会計がどんなに優れていても会社は潰れてしまいます。

なので、経営ナビでは売上アップに役立ちそうな情報も発信しています。
売上が伸び悩んでいる経営者の方は、まずはマーケティングと消費者の行動心理をマスターしていただけたらと思います。

こちらの記事も参考にしていただけたら幸いです。

【VOL122】中小企業の経営に最低限必要なマーケティングの基礎

【VOL123】マーケティングを最大限に活かすための消費者心理の基礎と代表例5つ

【VOL124】マーケティングより大切なビジネスモデルの作り方


最後に

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【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字
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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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