前回に引き続きマーケティングについての話になります。
ダイレクト・マーケティング又はダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)こそ、成功している中小企業が実践しているマーケティング手法です。
大企業がイメージ作りや商品・サービスの認知のために行うマス・マーケティングに対して、個別のお客様に直接的(ダイレクト)に働きかけ、かつ、反応(レスポンス)をもらうためのマーケティングをダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)と呼びます。
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今回は『ダイレクトマーケティング(DRM)こそ中小企業の活路』です。(編集前のメルマガは2017年6月28日(水)に配信されています)
ダイレクト・マーケティングとは?
日本でダイレクト・マーケティング(又はダイレクト・レスポンス・マーケティング)で有名なのは神田昌典さんですね。
起業するならこの本は必ず読んだほうが良いとまで言われている本です。
もう15年から20年前の本にも関わらず、すごい本です。
TVCMや新聞などのようにイメージ戦略や認知を狙った一方的なマスマーケティングではなく、お客様から直接反応をもらえるようなマーケティング方法のことをダイレクト・マーケティングといいます。
決してDMを使ったマーケティングのことではありません。
お客様からのダイレクト(直接)な反応(レスポンス)を狙ったマーケティングのことです。
(媒体の問題ではないので、TVCMや新聞でもDRMは可能ですが、わかりやすいようにTVCMなどをマスマーケティングと上記では定義しました)
ちなみにダイレクト・マーケティングとダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)は、同じ意味として使っております。
ダイレクト・マーケティングの3つのステップ
基本的には3つのステップに分かれます。
その3つとは、集客→教育→販売というステップです。
集客
無料プレゼントなどのオファーと呼ばれるものを用意して、今メルマガやLINE@に登録したら漏れなくプレゼントします!という形でお客様の連絡先を集める方法が一般的です。
これがリスト(=お客様の連絡先)を集めるなどと言われます。
いかに興味を持つお客様を集めることができて、常にこちら側からアプローチできる状態にできるかが、ダイレクト・レスポンス・マーケティングのポイントです。
こちら側からいつでもアプローチや連絡ができる状態というのが特に重要です。
それがなければ能動的なマーケティングはできず、お客様が店舗や販売サイトに来てくれるのを待たねばなりません。
次のステップである教育というステップにも進むことができません。
教育
教育というと言葉が悪いのですが、ただ興味を持っているだけのお客様に商品が欲しいと思ってもらえるかという場になります。
商品が欲しいではなく、必要、なければ困ると思っていただければ、次の販売というステップが楽になります。
例えば、私が最近力を入れている経理の代行業務なども興味がある方は多いですが、あったら良いなくらいの方が多く、本気で導入を考えている方は少数です。
しかし、経理や労務に使っている時間を経営者が削減でき、その時間を売上に直結することに使うことができれば会社や事業は更に成長できるのは間違いありません。
教育というと上から目線になりますが、なぜ成長が間違いないのか、代行することにどんなメリットがあるのか、伝える機会がなければほとんどの商品やサービスは理解もされず、購入もされません。
この伝える行為をDRMでは「教育」と呼び、更にメルマガやLINE@などでするケースが増えています。
更には、文章ではなく、YouTubeなどを使った動画で複数回に渡って配信するという方法も最近は増えています。
私で言えば、こう何度も経理代行業務の話を出すことと、「【VOL145】記帳代行などの経理業務やバックオフィス業務を外注するメリット」という記事に誘導することこそが、DRMでいえば「教育」というステップになります。
ちなみに「集客」というステップはこのサイト自体が最近では一番成果を出しています。
このサイトからメルマガに登録してくださる方が本当に増えました。
無料プレゼントも長らく用意しておらずDRMの基本から外れてしまっていて参考にはなりませんが・・・
販売
教育というステップで信頼関係を築き、かつ、商品やサービスの必要性や良さを感じてもらえたら販売というステップになります。
突然押し掛けてきたセールスマンからモノを買うのと、知り合いからモノを買うのではハードルの高さが違います。
ダイレクト・レスポンス・マーケティングの1つの特徴である「集客→教育→販売」は、このステップによって完成されます。
ダイレクト・マーケティングの10個のルール
何度かお勧めしていますが、ダイレクト・マーケティングを学びたければ、「ダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門」がお勧めです。
ここまで読んだ方は、少なくとも集客や売上アップ、はたまたマーケティングに興味があるわけですから、送料込みの550円で購入できる本ですから、買いましょう!
ちなみにリッチシェフレン氏のインターネットビジネスマニフェストも550円という安さに惹かれて購入しましたが、少しレベルが高くて、一度は読んだのですがまだ理解できていないので、お勧めはしていません。というかできません・・・
そのダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門の中で10個のルールが定義されていますので、紹介します。
私の意見は通常文で本からの抜粋は、
に書きます。
つねに1つ以上のオファーをする
オファーとは、
「これを買うと、2個目が無料で手に入ります」とか「無料のカタログとDVDの申込はお電話で」といったものだ。
とマーケティング入門の本には書かれています。
最近では、このオファーを無料にして、いかに魅力的に、有料で買ってもおかしくない付加価値をつけるかが集客のためのポイントになっています。
オファーを提供しない広告を決して出してはならない。
とまでこの本には書かれています。
相手がただちに行動を起こさずにはいられないようにする
行動意欲は、広告を見た直後が一番高く、時間が立てば起つほど低くなっていきます。
なので魅力的なオファーでレスポンスをすぐにしてもらうことが大切です。
あなたのオファーはこの相手を駆り立てて、今すぐ動こうという気を起こさなければならない。目標はすぐさま反応を得ることだ。ありきたりで、退屈で、平凡なオファーではその役目を果たせない。
と書かれています。
明確な指示
人は自由を求めるにも関わらず、選択肢が多くなればなるほど、何も行動をしなくなるという傾向があります。
行動をしなくなるというよりは、迷ってしまって何もできなくなってしまいます。
なので、次に何をしたら良いかを明確にすることが大切です。
次に何をしてもらいたいか、それをいつどのように行うのか、それを行ったら続いて何が起こるのかを正確に伝えなければならない。
と書かれています。
追跡と測定を使う
投資と利益の測定はビジネスにおいて大事です。
この後のルールにも出てきますが、イメージ作りやブランディングのためにマーケティングを行うと投資した金額と利益が見にくいですが、ダイレクト・レスポンス・マーケティングは、レスポンスを目的としています。
利益に直結しなくとも、オファー件数などで明確に測定が可能なのが特徴です。
それぞれの投資がどれだけの利益を生むか追跡せずに1ドルたりとも費やしてはならない。
と書かれています。
あ、アメリカの本なので単位はドルです。
ブランディングは副産物と考える
目的をごっちゃにしてはいけません。
目的を複数持つと言い訳の材料となってしまいます。
一度、ダイレクト・レスポンス・マーケティングをすると決めたら、具体的な成果(=レスポンス)を成果と考え、それを追求しましょう!
レスポンスとセールスに集中するのだ
反応と販売だけを求めましょうと書かれています。
ブランドを生み出すためだけの行為には、10セントたりとも費やしてはいけない。
中小企業はブランディングより、直接的な成果を求めるのが正解です。
そのためのダイレクト・レスポンス・マーケティングです。
フォローアップを行う
前述した教育のことを指しています。
心理効果についてかいた記事にザイオンス効果(=単純接触効果)と返報性の法則いうものがありましたが、人は自分のために何かをしてくれた人にはお返しをしたいし、接触回数が多い人ほど好意を抱きやすい傾向があります。
本気でお客様のためを考えフォローアップしましょう。
ザイオンス効果と返報性の法則についてはこちら。
→【VOL123】マーケティングを最大限に活かすための消費者心理の基礎と代表例5つ
あなたから見込み客に接触した場合も見込み客からあなたに接触してきた場合も、それがどんな形であれ一連のフォローアップを行うきっかけにできるものだ
説得力のある宣伝文句を使う
購入という決断をお客様にしていただくのだからこそ、説得力のある言葉が必要になります。
世の中ではセールストークとか、コピーライティングなどと言われますが、商品・サービスが良いものであるならば、買わないことこそお客様に損をさせてしまうことになります。
ぜひ説得力のある言葉を使いましょう。
参考記事
→【VOL140】経営に活かすためのコピーライティング~本質とテクニックを見分けよう~
→【VOL141】経営に活かすためのコピーライティング~コピーの型の基礎~
注目を集めるための競争は熾烈で、誰もが障害をかき分けながら突き進まなければならない。
私の著書『究極のセールスレター』を読むこともお勧めする。
通信販売広告を真似る
通信販売広告も良いですが、情報商材やネットビジネスの人の売り方を真似ることをお勧めします。
イメージがよくないのは、広告の善し悪しではなく、商品・サービスが良くない人が少なくないという点が原因です。
実際の商品・サービス以上に広告を誇大にするのはよくないですが、ビジネスをする上では、そこから学ぶという姿勢が大切です。
商品・サービスがそれほどよくないものでも売れるわけですから、商品・サービスが良いあなたの商品・サービスは広告次第でもっと売れるわけです。
(※情報商材・ネットビジネスの商品・サービスがすべてダメと言っているわけでは決してありません。あくまでもイメージとその原因である比率の話です)
あらゆる広告は通信販売広告を真似るべきだ。
商品の購入か、または少なくとも無料の情報請求をするように求めているもの、あるいはクーポンまたはフリーダイヤルの番号がのっているものをファイルに集めよう
結果がすべてを決める。議論の余地はない
ダイレクト・レスポンス・マーケティングをする以上、その結果は売上に求めましょう。
売上はあがってないけど、◯◯は・・・という意見は不要です。
何のためにダイレクト・レスポンス・マーケティングをするかを常に忘れてはいけません。
マーケティングに対するあなたの意見や感覚は重要ではない
更に極端ですが、
唯一の有効票は顧客やクライアントによるものであり、偽りのない唯一の投票用紙は彼らの小切手やクレジットカードだ
意志が強く規律に厳しい人間になって、少なくとも6ヶ月間はダイレクト・マーケティングの厳格な習慣に従ってビジネスをつづける
守・破・離という言葉がありますが、良いとこだけを「つまみ食い」をしてやってもうまくはいきません。
更には短期間やっただけでうまくいくような、おいしい方法もありません。
ダイレクト・マーケティングのルールに従って継続してやることが成功への近道です。
ここまでに述べた9つのルールに合致しないものは、なんであれ入り込ませてはいけない。はっきり断ろう。そして扉にかんぬきをかけよう。
3Mを最大限に活用しよう
3Mとは、マーケット・・メッセージ・メディアの頭文字のMをとって3Mと呼ばれます。
3Mについては何度も説明しているので、割愛します。
忘れてしまった方はこちら。
→【VOL122】中小企業の経営に最低限必要なマーケティングの基礎
編集後記
ダイレクト・レスポンス・マーケティングで活路を切り開けそうでしょうか?
しつこくご紹介しているダン・S・ケネディが教える小さな会社のためのマーケティング入門には、業種別の事例も書かれています。
載っている事例は、
小売り、税務事業、レストラン経営、カイロプラクティック、営業、サービス業などなど
盛りだくさんな事例があります。
最後にもう一度しつこく、たった550円の投資で得られる利益は…お勧めです。