【VOL77】財務指標から考える利益を出すための改善方法

読了時間目安:約 8分5秒

毎月の試算表を見てもどこに問題点があって、どう改善したらいいのかわからないことがあるのではないでしょうか?

「数字」というのは、経営において非常に正直に実態を表してくれますが、どこに問題点があるのかは数字を見ただけではわかりません。
ましてや、改善となるとその指標を見ながら考える必要があります。

今回はそのヒントになる数字の見方をお伝え致します。



そもそも会社がいくらの利益を稼いだら良いかの考え方に関してはこちらをご覧下さい。

【VOL75】利益計画と資金計画から考える長期的な財務計画の考え方

【VOL76】長期の利益計画から考える資金繰りと金融機関との付き合い方



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今回は『財務指標から考える利益を出すための改善方法』です。(編集前のメルマガは2015年10月21日(水)に配信されています)

試算表で読み取れる重要な情報

売上高

会社の売上高です。事業の収入のほとんどが売上高で構成されています。
簡単にいえば「収入>支出」であればお金が増えるわけですから、売上高を支出以上に稼ぐ、または、支出を売上高以下に減らすのどちらかをすれば業績は改善することになります。

売上高は細分化すると、単価×お客様数となります。

変動費

売上高が増えることにより増える経費です。
例えば、モノを売っている会社における仕入などが該当します。
商品を100円で仕入れて200円で売っている事業の場合、売上高が20,000円になれば仕入は10,000円となり変動するので、変動費といいます。

逆に家賃のようにいくら売上が増えても金額が変わらないものや、売上の増減と比例関係がなく変動する広告宣伝費などは変動費とはいいません(広告宣伝をすれば売上が増える可能性はありますが、失敗してムダになる可能性もありますし、売上に比例するわけではないので変動費とはなりません。)

粗利益額

売上高ー変動費=粗利益額です。
粗利益額は自分たちがお客様に提供した価値ですので、非常に重要な指標です。
どんなに売上高が高くても意味がありません。

1億の土地を買ってきて1億100円で売れば、1億100円の売上高です。
売上高は大きくなりますが、そもそも1億は土地そのものの価値で、自分たちの価値は100円ということです。

コンサルティングをして月に100万円稼ぐ人がいるとしたら、変動費はありませんので、粗利益100万円になります。

売上は1億対100万円ですが、どっちのほうが事業として良いかはわかると思います。

粗利益率

粗利益額÷売上高=粗利益率です。

粗利益率は業種によって違いがありますので、同業とくらべて粗利益率が高いのか低いのかは確認しておくと良いと思います。

一般的には、

小売業・・・10%
卸売業・・・20%
飲食業・・・70%
美容業・・・80%〜90%

などと言われています。

但し、同じ飲食店でもラーメン屋と高級イタリアンでは粗利益率は違いますし、同じ寿司屋でも100円寿司と高級寿司では違います。
また、フードメニューとドリンクメニューでも粗利益率は違いますし、ランチとディナーでも違ってきますので、自分たちの業種に合わせて細かい分析は不可欠となります。

参考:

【VOL67】上場企業の財務分析:かっぱ寿司の業績

【VOL68】上場企業の財務分析:スシローの業績

【VOL69】上場企業の財務分析:くら寿司の業績

固定費

粗利益額と固定費、どちらが多いかで事業が黒字か赤字か変わってきます。

固定費とは、人件費や家賃、広告宣伝費などなど売上に連動しない経費のことを言います。

損益分岐点

固定費÷粗利益額で計算されます。
粗利益額に占める固定
費の割合ということですね。

80%以下が理想と言われています。
つまり売上高が20%落ちても黒字を確保できると理想的な水準ということです。

減価償却費

「減価償却費+税引き後利益ー借入の返済=現金預金の増減」です。

詳しくはこちらの記事を。

【VOL75】利益計画と資金計画から考える長期的な財務計画の考え方

【VOL76】長期の利益計画から考える資金繰りと金融機関との付き合い方

借入金の返済額

どんなに利益が出ていても、減価償却費+税引き後利益が借入金の返済額を上回らなければ、手元の現金預金は減っていく一方です。
そういう意味で非常に大切なのが借入金の返済額です。

利益を出し、手元にお金を残すためには?

売上高を増やす、つまりお客様単価をあげるか、お客様数を増やすかしかありません。
原価を減らす、固定費を減らす、返済額を減らす。

ものすごく単純化して考えると、

①お客様単価をあげる
②お客様数を増やす
③原価を下げる
④固定費を減らす
⑤返済額を減らす

となります。

具体的な方法は次回書きますが、パッと考えてみてどの方法が一番やり易いか、やり易いことから始めることをお勧めします。

ちなみにお勧めの書籍で利益が見える戦略MQ会計という本があります。

同じ10%努力するとしても、利益に与える影響は違うということが書かれています。
単価を10%あげる場合とお客様を10%増やす場合では、単価を10%あげたほうが利益は増える理由が書かれています。

その他にも「どこをどうしたら利益がどうなるか」という利益感度分析をはじめ、財務会計を使った戦略的なことがたくさん載っているのでお勧めです。

参考
【VOL7】どっちが儲かる?販売単価アップと販売数量アップ?(メルマガ版財務講座)

利益を出すために改善

編集後記

経営に関わらず何事もシンプルに考えることが必要だと思います。

利益を出すためには、収入>支出にすれば良いということが大前提となります。

そのために何をすれば良いのか、それぞれの状況に応じて違うとは思いますが、一般的な方法を次回いくつか列挙したいと思います。

また、利益感度分析についても次回以降で解説していきます。


最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
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◯内容に関しては万全を期しておりますが、内容を保証するものではありません。
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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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