日本政策金融公庫のセーフティネット貸付とは?

読了時間目安:約 7分5秒

日本政策金融公庫が独自に行っているセーフティネットも、信用保証協会の行っている緊急保証制度(セーフティネット)と同様に資金繰りに困った際に活用できる方法の1つです。
そんな資金繰り最後の頼み綱とも命綱とも言われている、日本政策金融公庫のセーフティネット貸付についてまとめてみました。

日本政策金融公庫とは何かについてはこちらから

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ②信用金庫・信用組合と政府系金融機関 編

創業融資を受けるなら日本政策金融公庫をお勧めする3つの理由

日本政策金融公庫のセーフティネット貸付

日本政策金融公庫が独自に行う貸付制度で、経済環境の悪化等に伴う中小企業の資金繰り悪化を救済する目的に作られています。
平成27年4月現在、セーフティネットだけでも3種類の貸付制度があります。
(実際にご利用される場合は日本政策金融公庫のホームページの融資制度をご確認下さい)

経営環境変化対応資金

対象

社会的、経済的環境の変化等外的要因により、一時的に売上の減少等業況悪化をきたしているが、中長期的にはその業況が回復し発展することが見込まれる企業のうち一定の要件を満たすもの(売上前年比5%減少等)

詳細は日本政策金融公庫のホームページの経営環境変化対応資金のページを参考にして下さい。

貸付限度額

国民生活事業 4,800万円
中小企業事業 7億2,000万円

返済期間

運転資金:8年以内(内据置期間3年以内)
設備資金:15年以内(内据置期間3年以内)

資金使途

運転資金、設備資金

保証人・担保

応相談

利率

基準利率(一定の条件を満たした場合には特別利率の適用あり)
利率一覧表はこちら

金融環境変化対応資金

対象

金融機関との取引状況の変化により、一時的に資金繰りに困難をきたし、中長期的には資金繰りが改善し経営が安定することが見込まれる方で、一定の条件を満たすもの。(取引金融機関が業務停止命令を受けた、または経営破綻状態等)

詳細は日本政策金融公庫のホームページの金融環境変化対応資金のページを参考にして下さい。

貸付限度額

国民生活事業 別枠4,000万円
中小企業事業 別枠3億

返済期間

運転資金:8年以内(内据置期間3年以内)
設備資金:15年以内(内据置期間3年以内)

資金使途

設備資金及び金融機関との取引状況の変化に伴い必要となる運転資金

保証人・担保

応相談

利率

基準利率(一定の条件を満たした場合には特別利率の適用あり)
利率一覧表はこちら

取引企業倒産対応資金

対象

取引企業など関連企業の倒産により経営に困難を来している方で、一定の要件を満たすもの(倒産した企業に対して50万円以上売掛金を有するまたは取引依存度が10%以上である等)

詳細は日本政策金融公庫のホームページの取引企業倒産対応資金のページを参考にして下さい。

貸付限度額

国民生活事業 別枠3,000万円
中小企業事業 別枠1億5,000万円

返済期間

運転資金:8年以内(内据置期間3年以内)

資金使途

運転資金

保証人・担保

応相談

利率

基準利率(一定の条件を満たした場合には特別利率の適用あり)
利率一覧表はこちら

日本政策金融公庫のセーフティネットのメリットとデメリット

信用保証協会の緊急保証制度と違い、保証料がかからないことのほか、保証協会の融資枠がいっぱいでも日本政策金融公庫は独自の裁量で貸付を行うので、借りられる可能性があることがあげられます。

順番としては保証協会の緊急保証制度の枠もいっぱいになってしまった際の最後の最後の命綱として使うことをお勧めします。

独自の裁量で行うため、返済条件の変更(リスケジュール)などを行う際に、他の金融機関と足並みをそろえようという傾向が少ないことがデメリットにあげられます。

つまり、他の金融機関が1年は利息だけで元金はゼロでも良いですよとリスケに応じてくれたとしても、日本政策金融公庫だけは約定通りの返済を求めてくるなど、別途交渉の必要があるということです。
また、他の金融機関は半年または1年後の業績を見て見直しということが多いですが、日本政策金融公庫だけは、10年以内に返済するプランを作ることを求めてくる傾向があります。

資金繰りは安全第一

編集後記

メリット、デメリットのところでもあげましたが、リスケジュールなどの際に、通常はメインの金融機関(貸付額の一番大きい金融機関)がリスケジュールに応じると同様の処置を横並びにする傾向が金融機関にはありますが、日本政策金融公庫は独自路線をとる傾向があります。

私個人の経験からも、リスケジュールに成功し、金融機関への返済は半年間ゼロになっても、日本政策金融公庫だけは10年のプランにリスケジュールし、返済しているケースがほとんどでした。

通常、金融機関は他行も足並みそろえてくれるなら応じますという傾向がありますが、日本政策金融公庫さんだけはしょうがないですね…といって、日本政策金融公庫だけ返済することを認めてくれる傾向があります。

経営破綻または返済困難になった場合に債権の回収を一番積極的にやるのも日本政策金融公庫です。

また経営破綻した時の流れなどはどこかにまとめたいと思いますが、通常は額面の◯分の1を返済して終わりなど減額される傾向がありますが、日本政策金融公庫は全額回収しようとしてくる傾向があるので、そういう点も含めて経営困難に陥った時の資金繰りとして日本政策金融公庫にお願いするかは検討したほうが良いかもしれません。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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