借換保証制度とは?資金繰りを改善する魔法の手段?

読了時間目安:約 6分24秒

融資の借り換えとか一本化という言葉を聞いたことがあると思います。

借り換えをすることにより、一定の資金繰り改善が見込めます。

そんな借換制度と借り換えによる効果をまとめてみました。

借換保証制度とは?

制度の概要

正式名称を「資金繰り円滑化借換保証制度」といい、中小企業の資金繰りを円滑にすることを目的に、平成15年2月から開始されました。
既存の保証協会付借入を新規の保証協会付融資で一本化することで、月々の返済を軽減することを目的としています。

緊急融資制度に該当するかしないかを含め、どの制度の借入なのかによって要件が変わってきます。

これも頻繁に変更になるので、実際に利用される方は、中小企業庁のホームページをご覧になるか、自社が借換保証制度の対象になるか、金融機関の担当者に直接聞くか、または、顧問税理士の方に確認されるのが良いと思います。

以前、信用保証協会の責任共有制度とは?でもお伝えしましたが、責任共有制度の対象となっている保証を、責任共有制度対象外の保証で借り換えることは、原則として認められません。

借換保証制度の利用例

例えば、ある企業が5,000万円を5年で借りたとしましょう。

毎月の返済額は、5,000万円÷5年÷12ヶ月=約83万円(万円未満四捨五入)になります。

この会社の保証枠は5,000万円です。

3年後に借入残高が2,000万円になったところで、追加で3,000万円のお金が必要になったとします。

追加融資の場合

普通に3,000万円を借りると、毎月の返済額は、

既存の2,000万円が残り2年で返済、つまり、2,000万円÷2年÷12ヶ月=約83万円

追加の3,000万円が5年で借りれたとして、3,000万円÷5年÷12ヶ月=約50万円

つまり月々の返済は、83万円+50万円=133万円となります。

借換融資の場合

5,000万円を5年で借りて、既存の2,000万は返済します。

つまり増減は3,000万円で追加融資と同じです。

しかし、毎月の返済額は?

5,000万円÷5年÷12ヶ月=約83万円

となり、資金繰りが50万円改善することになります。

金融機関からお金をどう借りるかで資金繰りが大きく変わるということがわかって頂けたでしょうか?

もう1つ例題

先ほどの例は追加融資でしたが、増額ではなく同額で融資を受ける場合もあります。

例えば3,000万円で3年の融資と、7,000万円で7年の合計1億の融資を受けたとします。

返済額は、3,000÷3年÷12+7,000万円÷7年÷12=約167万円(年間2,000万円)

2年後の残額は1,000万円と5,000万円で6,000万円。

この6,000万円を7年で借り換えたとしたら、

6,000万円÷7年÷12=約71万円

となり、毎月の資金繰りは96万円も改善することになります。

借換とリスケジュールの違い

借換も返済額を減らす目的にすることが多いため、リスケジュール(条件変更)と誤解されている方が多くいらっしゃいます。

しかし、借換はあくまでも制度の活用であったり、新規の借入をして既存の借入を約束より早く返す行為であり、リスケジュールのように既存の返済額を減らしてもらい、返済期間を長くするような交渉とは全く違います。

リスケジュールのように信用にキズがついたり、金融機関の履歴として残ることはありません。

ですので、資金繰りが厳しい時はいきなりリスケジュールではなく、追加融資→借換→リスケジュールの順番で考えてみると良いと思います。

但し、これは経験則ですが、同一の金融機関で借換を行うと、その金融機関では実質的なリスケジュールと見られる可能性もありますので、他行を利用しての借換にするか、借換の前に実質的なリスケジュールにならないかの確認をしたほうが良いと思います。

実質的なリスケジュールとは、あくまでもその金融機関での取扱であり、通常のリスケジュールとは違い、他行や信用保証協会への信用にキズがつくことはありません。その金融機関内で要注意と見られ新規貸し出しを控えたり、利率アップや担保の追加要求等がされる可能性があるということです。(これも金融機関によります。)

資金繰りに悩んだら

編集後記

借換保証制度を利用するか否かは別としても、借換は資金繰りを劇的に改善する可能性のある方法です。

ぜひ借入のある会社は、資金繰りに困る前に自社が借換をしたらどのくらい資金繰りが改善するのかをシミュレーションするとともに、制度的に借換ができるのかを調べておくことをお勧めします。

細かい方法はともかく、「うちの会社は借換制度は利用できないですかね?」と金融機関の担当者または顧問税理士に聞けるか聞けないかで、会社の舵取りは大きく変わってくるのではないでしょうか?
(税理士法人に勤務していた経験からすると、税理士は聞かれる前に提案するべきだと思いますが…)

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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