時代の流れがはやくなった昨今では、計画を立ててもムダという意見も多くなってきています。
時代の流れ云々とは別に、経営という観点に立てば、計画を立てるか立てないかは、経営がうまくいくかの大きな要素ではありません。
しかし、計画を立てたほうが良い理由が3つあります。
更には、経営を改善するために計画以上に必要なことが1つだけありますのでご紹介します。
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今回は『経営計画や事業計画は中小企業経営に必要なのか?』です。(編集前のメルマガは2016年6月8日(水)に配信されています)
この記事の目次
経営計画、事業計画が必要な3つの理由
計画を立ててもムダという意見も最近は良く聞きます。
昔のように、どうせ立てても計画通りにいかないからムダというようなネガティブな意見ではなく、時代の流れがはやいので計画に縛られず臨機応変に経営をしていったほうが良いというポジティブな意見が増えてきています。
それでも、経営計画又は事業計画を立てることを以下の3つの理由から強くお勧めします。
金融機関向け
融資を受けるためには決算書はもちろん経営計画、事業計画が必要になるケースが多くあります。
※決算書のどこが重要かかについてはこちら。
→金融機関(銀行)の融資審査の最大のポイント、信用格付けを徹底解剖
毎回、毎回借入をするのに絶対に必要ではありませんが、融資を受けるのに計画があることは確実に有利に働きます。
計画×毎月の計画対実績の金融機関への報告は最強の組み合わせです。
金融機関の身になって考えれば当然ですが、時代の流れがはやいから計画も立てずに行き当たりばったり経営をしますと公言している会社には貸しづらいものです。(不動産などの担保があれば担保分は借りられるでしょうが。。)
また、金融機関にリスケをお願いするケースでは、経営改善計画書という形で計画は必須となります。
社員向け
会社がどこを目指して経営しているのかわからなければ社員は不安になります。
また、何を頑張れば良いのか、頑張った先に何があるのかがわかりません。
お給料の話だけではなく、安心して働ける会社なのか、どう会社は社会に貢献しようとしているのか、その中で自分はどういう自己成長ができるのかなど、社員が会社に求める要素を盛り込んだ経営計画書があると、社員の働くモチベーションになります。
金融機関の時と同じですが、行き当たりばったりでどうなるかわからない会社より、目標を立て、例え達成してなくともその目標がどの程度達成できているのか、あとどのくらい頑張れば良いのかがわかることは大切です。
社員の安心と希望のためにも経営計画書または事業計画書というのは、社員がいる会社では作ることをお勧めします。
絶対に必要な条件ではありませんが、計画を作り毎月キチンと確認をすることを会社の業務フローに入れると驚くべき成果が発揮されます。
(但し作っただけで運用されていないものはないものと同じです。)
経営者の予測の測定
計画は何の為に立てるのか?
それは経営者の予測と現実がどれだけ違うのかを測定するためです。
時代の流れがはやくなろうがならまいが、その時代を生きる以上その流れのはやさについていき予測する力は経営者には必須です。
例えば、自動車整備業は電気自動車の整備も取り入れていかなければ時代から取り残されますし、タクシー業は自動運転になった時の対策を考えておかなければ、そのときになって時代の流れがはやかったからと言っても後の祭りです。
その兆候は常にどこかにあります。
それを読み取り予測する力こそ優れた経営者かそうでないかの分かれ道です。
その能力を磨くためにも、計画(=予測)を立て、計画と実績をチェックすることを繰り返し、時代の流れを読む力を磨く必要があります。
何度も繰り返し、ズレた原因を追求することで確実にこの予測能力はあがっていきます。
業績の良い会社の経営者ほど、この計画と実績の差が少ない傾向がありますが、計画を立てはじめた当初は的外れな計画をしていて、徐々に精度があがってきた経営者がほとんどです。
そもそも時代の流れがはやいというのは中小企業にとって本当でしょうか?
また、いつの時代でも前の時代に比べれば時代の流れがはやいと感じるのではないでしょうか?
江戸から明治や戦前〜戦中そして戦後の時代では時代の流れがはやいどころではなく、一気に変わったものも多かったでしょう。
その当時に比べたら今は楽な時代です。
ある経営者は、「明日がどんな日になるかは予測できないが5年後の自社の未来は予測できる」とおっしゃっています。
ぜひ計画を立てることで予測能力を磨いていくことをお勧めします。
経営を良くするために計画より先に必要な2つのこと
そうは言っても計画は立てないより立てたほうが良いというモノで、絶対条件ではありません。
計画を立てなくても業績の良い会社はたくさんありますし、会社は潰れません。
計画よりも先に必要なのは目先の売上です。
目先の売上をあげるのに必要で、かつ、中小企業に欠けがちな2つのことについて書いていきます。
ビジネスモデル
まずはビジネスモデルです。
ビジネスモデルが崩壊していたらいくら頑張っても会社は存続できないか、ずっと苦しいままです。
例えば、集客するのに100万円かけても売上が1万円しかあがらないようなビジネスモデルの仕事をしていては厳しいのは当たり前です。
儲かる仕組みが出来ているか、これが非常に大事です。
何を誰にどうやって提供し、どのくらいの利益がでるのか?
これを徹底的に追求することこそが、非常に大事なことです。
計画はいつでも修正できますが、ビジネスモデルを変えるのは相当な苦労が必要です。
可能であれば、①初期投資が少なく、②粗利益率が高く、③毎月定額で売上が上がり、かつ、④在庫がない商売、もしくはそのうち②粗利益率が高く、③毎月定額で売上が上がり、を満たすことができれば経営は安定します。
少なくとも2つ以上、1つも満たさないような事業はかなり難易度が高いビジネスモデルです。
ビジネスモデルの作り方は起業7STEPでご紹介しています。
メルマガ登録に登録していただいた方に無料でプレゼントさせていただいていますので、ご興味あるかたはぜひ。
→起業7ステップを無料プレゼント中!(2016年6月30日を持って打ち切りとなりました)
※大変申し訳ございませんが2016年6月30日を持ちまして、起業7ステップの無料プレゼントは終了しました。(2016年7月2日追記)
マーケティング
そしてその次に必要なのがマーケティングです。
もちろん寝てても売上があがるようなビジネスモデルを持てるのであればマーケティングは不要です。
またどこか特定の会社の下請けになっている中小企業にとってもマーケティングは不要です。(少数の会社に依存することの危険性は非常に高いのでお勧めはしませんが…)
マーケティングとは、集客活動〜成約、そしてその後のフォローまでのすべてのことを指しています。
以下に他社と自社の商品を差別化し、興味を引くような言葉で伝え、お客様が感じる自社の商品の必要性を高め、プレゼンし、クロージングし、成約する、そしてその後のフォローをしリピートしてもらいファンになっていただくという一連の行動がマーケティングです。
このフローを上手に構築できると売上の心配がなくなります。
特に新規にお客様になっていただくための費用は、リビートのお客様に1人になってもらう費用の7倍と言われています。
だからといって新規のお客様よりリピートのお客様に注力するという判断は間違いですが、リピートしやすい仕掛けを作っておくことは非常に大切です。(新規のお客様が増えない事業は潰れます)
良い商品やサービスがあれば売れる時代ではありません。
いかにその魅力や強みを伝えていくか、それがマーケてイングです。
マーケティングが出来ていないのに計画だけを綿密に立てても経営はうまくいきません。
編集後記
儲かっていない中小企業、成長していない中小企業であればあるほど、ビジネスモデルもない、マーケティングがわからない、計画は立てないのないない3拍子の会社の比率が多くなります。
もしこの3つが曖昧な会社があれば、ぜひ考えてみてください。
なぜお客様はその商品をうちの会社から買わなければいけないのか?を。
明確に説明できなければ、マーケティングができていません。
中小企業で一番曖昧になりがち、というか何もなされていないのが、このマーケティング戦略です。
集客に効果のあるSNSは何ですか?などという質問をしたことがある方は、マーケティングについて勉強してみてください。
ツールはあくまで補助的なもの、大事なのはフローと仕組みであることがわかると思います。
マーケティングの基礎を学ぶのにお勧めです。
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