金融機関の融資審査のポイント【買掛金の内訳書編】

読了時間目安:約 6分40秒

売掛金の内訳書と同じような項目がチェックされるのが買掛金の内訳書です。
主に、支払が滞っている相手先がないか、あるなら理由は何故なのかをチェックされます。
重要度は高くありませんが、理由によっては、金融機関との付き合いに不利になるケースもありますので、知っておいて損はないと思います。

取引条件とのチェック

受取手形や売掛金、支払手形と同様に取引条件に対して異常な残高の買掛金残高になっていないかを、推定有り高と実際有り高を使ってチェックされます。

簡単に推定有り高は、どう計算されるかというと、

例えば、年間の原価(仕入や外注費)が1,200万円だとすると、月あたりの平均原価が100万円(1,200万円÷12ヶ月)となります。

取引条件が月末締めの翌々月末支払だとすると2ヶ月分の買掛金残高が残っている計算になります。

なので、100万円×2ヶ月=200万円が推定有り高となるわけです。

この推定有り高と実際の決算書の有り高を比較して、異常な数値でないかを確認します。

一般的には実際有り高が推定有り高の70%〜150%であれば正常と見られます(金融機関または担当者、業種毎によって違います)

詳しくはこちら。
金融機関の融資審査のポイント【取引条件と推定有り高編】

参考までに
金融機関の融資審査のポイント【売掛金の内訳書編】

支払がストップしていないか?

取引条件通りに支払をしていれば問題ないのですが、中には支払がストップしてしまっているものがあるケースもあります。

支払をストップしていても問題にならないケースと問題になるケースがあるので、代表的な物をみていきましょう。

自社の資金繰りが厳しいために支払が遅延しているケース

自社の資金繰りが厳しいために支払が一方的に遅延してしまっているケースです。

相手先からは毎月のように督促請求があるのですが、資金がないため払えないようなケースですが、これは大きな問題となります。

金融機関の融資審査でも問題になりますが、普通に経営する上でも大きな問題です。

一時的な資金難なのか、長期的な資金難(赤字など)なのかによって融資がされるかどうかが決まってきますが、経営に重要な仕入先などの取引先との支払約束も守れないような企業にはお金を貸したくないと考えるのが普通です。

取引先から承諾を得て、支払をストップしているケース

問題はあるものの、支払を猶予しても良いと思えるだけの信頼を得られているケースになりますので、金融機関からも一定の評価を得られます。

過去にその相手先を助けたことがあるとか、相手先が自社の応援をしてくれている等、様々な理由があると思いますが、それだけの信頼を得られていることと、一方的に支払遅延して約束を破っているのではないことが評価の対象となります。

支払ストップしていないに越したことはありませんが、相手先が友好的な態度で支払を猶予してくれている場合には、問題にならないことのほうが多いようです。

取引上のトラブルによる支払ストップ

例えば、仕入商品に不足があったとか、不良品があったとか、取引上の不備に基づき支払をしない、又は出来ない状態のことを指します。

双方で、不足分を納品したら支払とか、不良品を交換したら支払とか、合意を得られていれば何も問題はありません。

むしろしっかりしている会社だと評価される事由となります。

但し、いくら取引上のトラブルがあったとしても揉めていたり、無理難題を言っていたりしている場合には、問題があります。

例えば、不良品の交換にも応じてもらっているのに、不良品があったことを理由に支払を拒否しているケースなどがこれにあたります。(損害補填や迷惑料のために一部拒否等ならともかく、商品をもらっておいて全額拒否というのは常識から外れるため)

帳簿上の手違いのために買掛金が残り続けているケース

相手先に対して買掛金残高が帳簿や決算書には残っているのですが、相手先からの請求は一切なく、支払うわけにもいかず残っているケースを指します。

帳簿上の間違いなのか、相手先の勘違いなのか、わからなくなってしまうケースもたまにあります。

帳簿自体がキチンとしていないことは大きな問題ですが、買掛金残高が残っていること自体は問題になりません。

但し、何年も同じ状態だと問題がありますので、相手先と協議して、帳簿の間違いなら修正が必要ですし、相手の請求間違いであれば、改めて請求してもらい支払をしましょう。

不規則な記号

編集後記

買掛金の内訳書自体は、融資審査の際に重要視される項目ではありませんが、取引条件と比較してあまりにも買掛金が少なければ粉飾を疑われますし、多ければ支払が滞っている取引先があるのではないかと疑われます。

取引条件と推定有り高、実際有り高をもう一度確認し、通常より残高が多すぎたり、少なすぎたりしないかを改めて確認してみましょう。

金融機関の融資審査のポイント【取引条件と推定有り高編】

もし、多かったり、少なかったりした場合には、なぜそうなのか理由を明確にしておくことをお勧めします。

他の金融機関に関する記事はこちらから

「金融機関・銀行・資金調達」に関する記事一覧

◆メルマガのご案内◆

無料メルマガを発行しております。ご興味ある方はぜひ登録して頂けたら幸いです。
無料特典もあります。登録はこちらから。
http://mail.os7.biz/m/KhOi

「メルマガ版財務講」に関する記事一覧はこちら→http://kigyo-jyuku.asia/category/merumaga-zaimu/

このメルマガはシリーズものになっていますので、最初から読みたい方はこちらから。
【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字
最初からお読み頂くことをお勧めしています。

※免責事項

◯わかりやすくするために厳密な法律用語とは若干違うところがあります。

◯内容に関しては万全を期しておりますが、内容を保証するものではありません。
これらに起因して発生するいかなる損失についても補償しかねますので、自己責任での運用をお願い致します。

  • Pocket
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連するお勧めの書籍

この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

関連記事

信用保証協会の責任共有制度とは?信用保証協会の基礎。
金融機関の融資審査のポイント【受取手形の内訳書編】
結局どうやって金融機関を選んだら良いのか? 都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、政府系金融機関
債務超過とデメリットと金融機関の債務超過に対する評価
金融機関の融資審査のポイント【貸借対照表編】
金融機関の融資審査のポイント【特別利益・特別損失編】
金融機関の融資審査のポイント【未払金の内訳書編】
金融機関の融資審査のポイント【取引条件と推定有り高編】
うっかりやってしまいそうな借入がNGになる8つの行為。
金融機関の融資審査のポイント【預り金の内訳書編】
金融機関(銀行)の融資審査の最大のポイント、信用格付けを徹底解剖
借入基礎知識:借入の種類編 ②信用保証協会とは何者か?
金融機関(銀行)の融資審査、3つの基準を徹底解剖
創業融資を受けるなら日本政策金融公庫をお勧めする3つの理由
金融期間の担当者と話す時に抑えておきたい5つのポイント

コメントを残す






スポンサードリンク

Menu

HOME

 TOP