金融機関の融資審査のポイント【現金預金の内訳書編】

読了時間目安:約 6分24秒

金融機関の融資審査の際に現金預金の内訳のどんなところが見られているかご存知でしょうか?

現金預金の内訳とは、どこの金融機関にいくらの残高があるかを一覧にした表で、税務署への申告の際に貸借対照表や損益計算書と一緒に提出している書類です。

この内訳書から実に多くのことを金融機関は分析しています。どんなことに金融機関が着目しているかをまとめてみました。

メインバンクについて

金融機関の融資審査というのは基本的に1年分の決算書に目を通すだけではなく、前期、又は前期、前々期の両方と今期を比較しながら確認していくものになります。

メインバンクの変更はないか?

金融機関別の預金の残高と借入の残高を見ればどこがメインバンクかは自動的にわかるものです。
(預金残と借入残が多いところがメインバンクと見られます。)

前期、前々期と比較して変更がなければ問題ありませんが、変更していた場合にはなぜ変更したのかを聞かれるケースがありますので、明確に説明できるようにしておく必要があります。

金融機関が気にしているのはメインバンクから追加の借入ができず、別の金融機関にメインバンクを移しているのではないかということです。

その場合には、最初のメインバンクから追加の借入が出来ないという判断を受けたということになりますし、ちょっと借入ができないくらいでメインバンクを変える経営者なのかという見られ方をする可能性があるということです。

メインバンクの変更は慎重にしましょう。

(昔ほどメインバンクというこだわりは減ってきていますので、1つの金融機関への依存型の会社でなければ、多少の残高の変動があっても気にされないケースが多くなっています。)

なぜメインバンクから融資を受けないのか?

融資審査をお願いしている金融機関がメインバンクでない場合、なぜメインバンクに融資のお願いをしないのかを気にすることがあります。(既に借りたことがある金融機関で折り返し融資であれば気にされません。)

※折り返し融資とは、簡単に言うと、例えば5,000万円の借入をし、半分(2,500万円)返した時点で、2,500万円の融資をお願いしたり、4,000万円返した時点で、新たに5,000万円借り、1,000万円を返済するなど、当初の借入の枠内で借入を繰り返すことを言います。

気にしているのは、メインバンクに断られて仕方なく別の金融機関に融資のお願いに来ているのではないか、などということです。

戦略的に、メインバンクが地方銀行なので、都市銀行とも付き合いを持ちたくてなどという明確な理由があれば問題になりません。



都市銀行、地方銀行をはじめとした金融機関の違いをまとめた記事を参考までに載せておきます。

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ①都市銀行と地方銀行編

経営者が知っておくべき金融機関の種類と選び方 ②信用金庫・信用組合と政府系金融機関 編

結局どうやって金融機関を選んだら良いのか? 都市銀行、地方銀行、信用金庫・信用組合、政府系金融機関

当座預金にマイナス項目はないか

当座預金残高にマイナスがあるということは当座貸越で資金繰りをやりくりしているということですから、資金繰りが危険な会社です。

また、マイナスではなくとも、当座照合表などを確認し、入出金のタイミングの確認などもし、手形の決済日や支払の直前に入金している会社は資金繰りの厳しい会社だと判断されます。

それがイコール融資NGということにはなりませんが、資金繰りが厳しい原因が、プラス要因(急成長中などによる売上仕入資金によるサイト負けなど)なのか、マイナス要因(赤字や過剰設備投資など)なのかを確認されることとなります。

定期預金、積立預金の有無や増加減少

前年の内訳書と比較して定期預金や積立預金が増減していないかをチェックします。

特に前年の内訳書にない金融機関から借入がある場合などは、特に重点的にチェックされる傾向にあります。

なぜなら、強制ではありませんが、借入の変わりに定期預金や積立預金への協力を要請してくる金融機関がまだまだ多くあるからです。

こういう定期預金や積立預金がある場合には、いつ借入金と相殺されるかわからない預金として見られることとなります。

数字の内訳

編集後記

少し細かい視点で書きましたので、実際の融資審査ですべてを見られるということは、あまりありませんが、どれかに該当することが無いような日々の経営を心がけることと、仮にどうしようもない事情で該当してしまったとしても説明できるようにしておくことが重要です。

金融機関が一番嫌うのは、自社のことを経営者自身がわかっていないことです。

どんなところを金融機関が知りたがっているのかを知ることで、キチンと自社のことを説明できるようにしておくことが、金融機関との話をする上での第一歩となります。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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