【VOL44】在庫は危険?在庫が資金繰りに与える影響をわかっていますか?

読了時間目安:約 5分53秒

在庫は危険とか、在庫=死産(資産)だとか、在庫増やすな、金増やせなどと言われますが、なぜ在庫が危険なのかをしっかりと理解している人は少ないのではないかと思います。
今回は在庫が与える資金繰りへの影響ということで書きました。



今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。

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今回は『在庫は危険?在庫が資金繰りに与える影響をわかっていますか?』です。(編集前のメルマガは2015年3月4日(水)に配信されています)

在庫と金塊

まずは例題の確認です

さて前回まで使っていた例題の復習ですが、

売上が月150万円、仕入が月100万円の会社で、売上の入金サイトが2ヶ月、仕入の支払サイトが1ヶ月という会社を例題として使ってきました。

説明を簡単にするために割愛してきましたが、普通に考えて、仕入れてきたらすぐにモノが売れる業種も珍しいですよね。

普通は売れるまでに平均1ヶ月とかかかる訳ですし、製造業とかですと、作るのに◯ヶ月、売れるまでに◯ヶ月とかかるわけです。
建設業なんかでいう、工事期間が長い工事なども完成までは原則在庫と考えます。

そもそも在庫とは?

在庫=棚卸資産の代表的な例として

卸売や小売をしている業種では、仕入れたモノをそのまま売るので、売れるまで店頭などにおいているものを商品と呼びます。

製造業では、買ってきた材料を原材料、外注さんにお願いして加工していたり、社員さんが加工したりしている段階のものを仕掛品、完成して売れるまでのものを製品などと呼びます。

棚卸資産とは何かがざっくりとで良いのですが、わかって頂けたでしょうか?

例題の会社に在庫を入れてみると?

まずは例題の会社で、買ってから、売れるまで平均1ヶ月かかる会社だとします。

そうすると資金繰りはどう変わるかをよく比べて頂けたらと思います。

在庫がない時のシミュレーションはこちら。
http://kigyo-jyuku.asia/474/zaimu-merumaga40-term-of-cashflow/

1ヶ月目
損益:売上0万円ー仕入れ100万円+在庫増減100万円=利益50万円
(仕入ましたが、売れなかったので経費になりません。後ほど説明します)
資金:入金0円ー支払0円=0円

2ヶ月目
損益:売上150万円ー仕入れ100万円+在庫増減0万円=利益50万円
(毎月100万円仕入れ、2ヶ月目からは前月に仕入れたものが売れるので、在庫は当月仕入れた100万円が増え、先月仕入れた100万円が減るので、増減は0万円になります)
資金:入金0円ー支払100万円=▲100万円

3ヶ月目
損益:売上150万円ー仕入れ100万円+在庫増減0万円=利益50万円
資金:入金0万円ー支払100万円=▲100万円
(1ヶ月目に売れていないので入金はありません)

4ヶ月目
損益:売上150万円ー仕入れ100万円+在庫増減0万円=利益50万円
資金:入金150万円ー支払100万円=+50万円
(1ヶ月目に売れていないので入金はありません)

在庫が与える資金繰りへの影響

仕入れたらすぐ売れる事例では、3ヶ月目には資金繰りがプラスになりましたが、仕入れて平均1ヶ月後に売れる会社では、4ヶ月目に資金繰りがプラスになりました。

これが在庫が資金繰りに与える影響なのです。

在庫が与える損益への影響

ちなみに、損益を考える上で、在庫をどう考えるかというと、売れたものに対応するものだけが経費になるという考え方になります。

つまり、1ヶ月目は何も売れていないので、仕入れた100万円も経費にならないのです。

そうでないと、税金を計算する時に、儲かっているから売れないけど大量に買って節税するかという話になってしまうからです。

あくまでも売れてないものは、棚卸資産という名前だけあって資産なわけです。

なので、在庫が増えれば、資産が増えたということで、利益を増やす計算を1ヶ月目のようにします。

今回で在庫が与える資金繰りに対する影響がわかって頂けたのではないかと思います。

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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