【VOL98】財務体質を強くしたければ支払手形をなくすことから始めましょう!

読了時間目安:約 7分24秒

会社は借入金や負債がどんなに多くても潰れないが、支払手形によって潰れるという言葉を聞いたことはあるでしょうか?

近年に事業を開始した法人は当座預金を持っていることは少ないと思いますが、昔から事業をしている法人は金融機関に当座預金を開設させてもらって、慣習として支払手形で支払をしている企業もたくさんあると思います。

なんとなく今までの慣習で振り出してしまっている支払手形かもしれませんが、そこには会社が潰れる最大のリスクが詰まっています。

今回は、支払手形を発行していない企業には関係ありませんが、支払手形を発行していて、支払手形が危険という認識のない方にぜひ読んでもらいたいないようとなっています。



今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で配信している内容です。

メルマガの登録はこちらからお願いします。→http://mail.os7.biz/m/KhOi

このメルマガはシリーズものになっていますので、

【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字

からお読み頂くことをお勧めします。

今回は『財務体質を強くしたければ支払手形をなくすことから始めましょう!』です。(編集前のメルマガは2016年3月16日(水)に配信されています)

支払手形とは?

支払手形は当座預金がなければ発行できません。

金融機関の審査をとおり、「当座勘定取引契約」を締結した企業に当座預金の口座が開設され、通常であれば小切手帳と手形帳が発行されます。

小切手はともかく、手形は今現在お金が当座預金に無くても発行することができ、手形の期日までに入金しておけば何の問題もありません。

紙1枚でお金の変わりを果たし、支払を延期することができるので、もの凄い信用力があります。

余談ですが、当座の開設に金融機関の審査があるため、決して金融機関がこの会社は安全だとお墨付きを与えたわけではないにも関わらず、金融機関がお墨付きを与えた信用力のある会社と見られがちです。

紙1枚で信用力があるということは、決済できなかった場合のリスクが高いことを示します。
リスクが高いからこそ、紙1枚で約束した支払という約束を果たそうと必死になるわけで、逆説的にだから信用力が高くなるともいえます。

支払手形と小切手の違い

支払手形は前述したとおり、支払手形発行時にお金がなくとも決済期日までに当座預金にお金があれば決済ができます。

が、小切手は発行時にお金がなくとも発行できる点は変わりありませんが、もらった側は先日付小切手だったとしても、いつでも金融機関に持ち込み現金に変えることができるため、発行日に口座に決済できるお金がない、または、相手が決済しようとしたタイミングで口座にお金がないと、即不渡りとなってしまいます。

資金に余力がない企業にとって小切手は非常に怖いものですね。



今回の話題には関係ありませんが、金融機関が見る際の支払手形について
金融機関の融資審査のポイント【支払手形の内訳書編】

支払手形が決済できないとどうなるのか?

不渡りとなります。
6ヶ月以内に2度不渡りを出すと銀行取引停止になるという話を聞いたことはあるでしょうか?

2度の不渡りを出すと、当座預金は使えなくなり、普通預金は引き出しができなくなります。

しかも、不渡りを出した金融機関だけでなく、他の金融機関にも通知が行き、取引のある金融機関全てがそうなります。

また、借入がある場合には、借入の一括返済を迫られます。

とはいえ、一括返済はできないでしょうが、入金したお金は引き出せませんので、自動的に支払手形の決済分や、借入の返済へとまわって行きます。

つまり、銀行取引停止になると、実質上ほぼ倒産すると考えていいでしょう。

いや、現金取引のみで生き残る!という選択肢もあるかもしれませんが、世間一般では一度でも手形の不渡りを出すと、「あ、あそこは倒産する」と見られ、仕入先も得意先も離れていく、または前金でないと取引してくれなくなります。

前金で取引できるくらいであれば、手形を不渡りなどにはしないでしょうから、生き残れる可能性は非常に低いと言っていいでしょう。

借入を返せなくなったら?

リスケジュールという手段がありますし、1度や2度返済に遅れがあっても一発で取引停止にはなりません。

リスケジュールをした場合には、新規借入は難しくなりますし、金融機関からの評価は下がりますが、仕入先や得意先に知られることはありませんので、手形のように一発退場ということはありません。

これが、借入が多くても潰れないが、手形によって会社が潰れると言われる所以なのです。

手形を急激になくそうとしても失敗する

手形は危険だからなくそう!と考えるかたも多いかと思いますが、急になくそうとすると失敗します。

例えば月300万円の仕入があって、翌月末に4ヶ月手形を振り出していたとすると、その会社は

買掛金300万円(300万円×1ヶ月)
支払手形1,200万円(300万円×4ヶ月)
となります。

当然、支払手形をもらった会社は金融機関で割り引いて現金にしたり、裏書きして支払代金にあてたりしているでしょうから、5ヶ月後に現金払いにさせてくれというわけにはいかないでしょう。

つまり、支払手形をなくそうとしている1,200万円分の現金をどうにかしなければ、支払手形を辞めた途端に資金がショートしてしまうこととなります。

手形

編集後記

今回は支払手形の危険性についてまとめてみました。
では、実際に支払手形をどうやってなくしていったらいいのか?については次回のメルマガでご案内させていただきます。

どういう方法があるのかイメージしておいていただけると、より理解が深まるのではないかと思います。

事業計画作成ツール

参考までに



最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
もし気に入って頂けましたらメルマガ登録して頂けると嬉しいです。
http://mail.os7.biz/m/KhOi

「メルマガ版財務講」に関する記事一覧はこちら→http://kigyo-jyuku.asia/category/merumaga-zaimu/

このメルマガはシリーズものになっていますので、最初から読みたい方はこちらから。
【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字
最初からお読み頂くことをお勧めしています。

※免責事項

◯わかりやすくするために厳密な法律用語とは若干違うところがあります。

◯内容に関しては万全を期しておりますが、内容を保証するものではありません。
これらに起因して発生するいかなる損失についても補償しかねますので、自己責任での運用をお願い致します。

  • Pocket
  • LINEで送る
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

この記事に関連するお勧めの書籍

この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

関連記事

【VOL133】資金繰り改善の方法:テクニック編Part4〜リースバック
【VOL111】経営者は会計の数字だけをみていれば良いのか?経営者がみるべき数字とは?
【VOL35】経営は能率主義では失敗します。経営者の仕事は儲かる事業構造を作ることです。(メルマガ版財務講座)
【VOL126】貸借対照表の罠!「資産」と「死産」を見極め健全な経営を。
【VOL28】試算表は経営者の成績表です。早く見て対策を練ることに価値があります(メルマガ版財務講座)
【VOL87】4つの資金の性質をつかんで財務体質改善をする方法
【VOL121】商品(在庫)回転率を使った適正在庫の考え方
【VOL77】財務指標から考える利益を出すための改善方法
【VOL83】資金会計理論を活用して事業の本当の財務体質をみましょう
【VOL18】長期事業計画でビジョンとミッションを示す(メルマガ版財務講座)
【VOL122】中小企業の経営に最低限必要なマーケティングの基礎
【VOL71】上場企業の財務分析:日高屋の業績
【VOL64】会計を経営に活かせ!決算書は税務署のために作るものではありません。
【VOL116】BSCを参考にしたKPI設置による経営改善の事例
【VOL128】資金繰り改善の方法:王道編

コメントを残す






スポンサードリンク

Menu

HOME

 TOP