10人までの組織作り、個人事業主から会社へ

読了時間目安:約 8分16秒

起業して少し経営が軌道に乗ってきときに打ち当たる壁があります。
それは個人フリーランスのような事業から、10人程度の会社になるために必要な組織作りです。
1人〜3人程度でやっていた事業は、それまで親族や友人を中心とした緊密な人間関係を基礎として、いわばツーカーの関係で運営してきているケースが多くを占めます。

事業が上手く行き始め、バイトなどの形で人員も補充し、これから躍進をしようとするような会社には必要なことがあります。
それは、これまであまり意識してこなかった「組織」の運営がその会社をより大きくするかどうかの、重要なポイントになります。

そこで何をまず、すべきかを考えてみましょう。

理念から現実へ

10名以下数人で起業した場合、その理念は共有され、その方向性もお互いに理解しあっているでしょう。

ところがその理念が具体化し、会社として機能し始めた瞬間、当初は想定しなかった側面が見えて来ることがあります。

例えば、設立当初は「がんばって自分の夢を実現するのだ」という意気込みだけで、事業運営をしてきたとしても、何かを成し遂げるためには、1人または数人で事業運営するのが難しくなってくるタイミングがあります。

そこで、会社の活動に持続性をもたせるためにも、単なる夢として会社を運営するのではなくて、具体的な組織として運営する必要性に迫られます。

すなわち、それまで理念ないしは夢という目的に向かって協働してきたものを夢や目標にプラスして、作業ないしは職務というものに分解し、その職務の組み合わせによって日々の業務が上手く回るように再設計することが求められます。

つまり組織化や仕組み化、ルール化と呼ばれるものです。

職務の再設計:組織化の原理

このような職務の再設計が求められる理由は大きくいって二つあります。

一つは、会社や事業の運営が軌道に乗り、今後の発展のためには、人的パワーを補完しなくてはいけない場合です。

なんらかの形で人員を雇い入れ、その人になんらかの仕事を担ってもらう際には、どの仕事すなわち職務をやってもらうかを明確にしておかねばなりません。

例えば、小さな蕎麦屋を家族で立ち上げたとしましょう。
父親が蕎麦を打ち、母親がその他の料理を担当し、娘さんが接客一般を担当していたとしましょう。

蕎麦が評判になり、お昼時には行列ができるようになりました。

そこで、昼食時だけのアルバイトを雇うことにしました。
その場合、そのアルバイトの人にどの業務を担当して貰うかが問題になります。

蕎麦打ちをアルバイトの人にやってもらうことは考えにくいので、その他の料理かあるいは、接客ということになると思います。

しかし、その他の料理の補助に入ってもらうとすると、母親との業務分担をどうするかが問題になるでしょう。

実はそのお店は、蕎麦はもちろんのこと、母親の作る親子丼の美味しさによって評判になっているとした場合、その親子丼のレシピを教えるのか、それとも親子丼以外の料理をそのアルバイトの担当とするのかが問題となります。

家族だけで蕎麦屋を営んでいた状態では想定されなかったような問題が生じることになります。
ここで、アルバイトとはいっても組織にとっては人的パワーの提供者であることは間違いありません。
その人から適切な活動を引き出すことができなかったら、組織の力は半減するでしょう。そのためにも、そのアルバイトが何をするかを明確にする必要があります。

職務の再設計:効率化の原理

職務の再設計が求められる、もう一つのケースは、組織の効率化を図るためです。

先ほどの蕎麦屋のケースを考えてみましょう。
昼時に忙しい際に、娘さんが状況に応じてフロアで接客をしたり、あるいは親子丼を作ったりできれば、アルバイトを雇わずに済むようにも思えます。

娘さんは、注文を聞き、それを厨房に伝えたら、忙しい時間であるのにも関わらず、手待ち時間が発生しているからです。

娘さんが母親の補助として親子丼の作成のどのプロセスかを補完できれば親子丼が効率的に作れるようです。

そうすると、問題は親子丼の作成プロセスを分解して、そのどの部分が補完可能かを考えることになります。

例えば、玉ネギ、三つ葉、鶏肉などは事前に準備し、その投入は娘さんが補完可能とするが、完成段階は母親だけが担当とするとすれば、味のレベルは落ちないで維持可能かもしれません。

このようなプロセスの効率化を図るためにも、業務あるいは職務の細分化とその再設計が必要になると言えるでしょう。

日本企業の強みと弱み:日本の中小企業が強い理由

日本企業の多くはここで述べたような組織の再設計を、ある意味本能的に行っているように思えます。
日本人社会の特性かもしれませんが、組織の協働を比較的容易に、あるいはスムーズに行うように思えます。

さらに、ここで取り上げているような少数の緊密な関係者のみで起業したケースでは、特にそれらのプロセスは「阿吽の呼吸」でなされているように思えます。

しかしながら、それらがそのような「阿吽の呼吸」で行なわれている間は、その企業は大きく飛躍することはないでしょう。

すなわち、「阿吽の呼吸」を共有できる範囲にその企業の可能性が限定されるからです。
大企業においても、この「阿吽の呼吸」を形成するために、忘年会や新年会などに代表される数多くの交流の場が設定されているともいえます。

しかしそれらを嫌う若者や、それらの「阿吽の呼吸」を理解しえない外国人を、組織に協働プロセスに参加させることは困難だということになりかねません。

それらの人たちの人的パワーを結集させるためにも、これらの業務の再設計は必要だということになります。

実際、私が仕事で接した外国人たちは、「なぜ、日本企業にはジョブ・ディスクリプション(job description)がないんだ?」と聞いてくることがありました。OJTと飲み会の場がそうだよと、彼らに説明しても怪訝な顔をするばかりでした。

今後、中小企業といっても海外との交流が不可欠となり、そのために外国人を雇いれることも求められるでしょう。その際にも、業務をいかに組織化するかの発想が求められるでしょう。

組織作り

編集後記

中小企業を飛躍的に、かつ短期間に成長させるためには、職務の再構築が必要です。
それらのプロセスを通じてのみ、最適な組織化が可能となり、業務の効率化が図れることになります。また、その作業は企業の国際化においても最低限必要な作業と言えるでしょう。

ここが個人事業主から飛躍できるかの1つ目のポイントとなるでしょう。

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