ランチェスター戦略に基づく企業の資源配分の原則はお客様獲得に8割の資源を配分すること

読了時間目安:約 8分51秒

ランチェスター戦略は、営業や販売における戦略です。
そのことを差し引いて見る必要はありますが、企業の経費をどこに使っていくべきなのか、当たり前にも関わらず忘れられていたり、できていなかったりすることがたくさんあります。
ランチェスター戦略は中小企業が大企業に勝つための方法がたくさん載っている戦略でもあります。
ぜひ現状に苦戦している中小企業経営者の方がいらっしゃいましたら、参考にしていただけたらと思います。

経営は粗利益で成り立っている

ここには賛否両論あるかもしれません。
粗利益より最終利益が大事だという意見や、経常利益が大事だという意見も正しいと思います。

ただ、ランチェスター戦略では粗利益を重視しています。

その理由は、商品やサービスを買うかどうかの決定権はお客様が100%持っていて、売る側には決定権がないというところによります。

あの有名なピーター・ドラッカーも「経営は顧客の創造」といっています。
それだけ経営においてお客様の獲得というのは大切ということです。

事業の基本はお客様に付加価値を提供し、喜んでいただくこと

ランチェスター戦略からは少し離れますが、事業の本質はお客様に喜んでいただくことです。

喜んでいただくためには付加価値がなければいけませんが、「価値」ではなく「付加価値」であることが重要です。

例えば1,000円の価値のあるA商品をお客様は1,000円で買ってくれますし、きっと喜んでくれます。

しかし、それでは仕入1,000円、売上1,000円、粗利益ゼロ円ということになってしまします。

ここに1,000円の価値のあるA商品にいかに付加価値をつけるか、ここが企業の努力のしどころとなるのではないでしょうか?

例えばスタッフのサービスをよくして1,000円以上の価値を出すとか、500円の部品を組み合わせ加工することで2,000円の価値を出すとか、大量仕入をして800円で買ってくるとか、そこには企業努力のほとんどがつまっているはずです。

その結果が粗利益です。

買ってきた商品や他人に外注に出した商品をそのまま売っていたらとうてい粗利益を稼ぐことはできません。

なので付加価値が大事という話になるのです。

ランチェスター戦略でも、付加価値が大切だと考えているからこそ粗利益が大事という話になるのです。

粗利益額をいかに稼ぐか

この付加価値が粗利益が大事という話を前提にすると、付加価値はあくまで商品・サービス力の話です。
なので、商品サービスの開発や研究をいかにするかという話になってしまいますが、それはもちろん大事とした上で、「経営でもっとも大事な仕事はお客様を作り出すこと」と定義し、お客様獲得のための営業戦略が書かれているのがランチェスター戦略です。

その上で、競争相手といかに戦い、競争相手に負けずにお客様獲得をするか、戦いに勝つための方法に特化しているのがランチェスター戦略の優れている点です。

それを前提とした上で、何(商品やサービス)を、どの地域(営業地域)で、誰(業界や客層)に対して、どんな方法で販売し、どうリピートしてもらうのか、そのための人や資源の配分をどうするかといったことが書かれています。

このランチェスター戦略で重要な指標の1つは、「従業員1人あたりの粗利益額」です。
自社の「従業員1人あたりの粗利益額」は業界平均とくらべてどうかを見ておくと良いと思います。

ランチェスター戦略は関係なく、私の個人的な見解では、1人あたり年間1,000万円の粗利益額が稼げていれば、中小企業では合格ラインではないかと思います。(経理や総務などの間接部門を含む、アルバイトやパートさんは0.5人換算)

逆に500万円を切っているとしたら、危険水域にいるのではないかと思います。

ランチェスターの基本戦略は「商品3分に売り7分」

・広い意味での営業対策 53%
・商品対策 27%
・組織対策 13%
・資金対策 7%

つまり商品27%対営業53%となります。
ちょっと強引ですが、概ね3対7になりますね笑

また、営業対策と商品対策を「お客様作りのための活動」と考え、組織対策と資金対策を「内部のための活動」と考えると、お客様作りのための活動に8割の資源を投入することとなります。

中小企業経営者の皆様はご理解いただけると思いますが、どんなに立派な組織を作っても、どんなに金融機関からお金を借りれて資金対策ができても、お客様がいなければ事業は成り立ちません。

そのため、お客様の獲得のために8割の資源を投入しなさいというのがランチェスター戦略の教えなのです。

粗利益額の7割は営業費用

営業マンの給料はもちろん、広告宣伝費、営業車のリース代や減価償却費、ガソリン代、修理代、店舗の家賃や水道光熱費などなど、広い意味での営業費用を考えると、すぐに粗利益額の7割を超えてしまいます。

逆にいえば、お客様獲得に直結しない経費はほとんど使ってはいけないということになります。

今一度、自社の経費を見直してみましょう。
営業経費が7割以上の会社は、営業経費を削るのではなく、営業経費が7割になるようにいかに粗利益額を増やすべきかを考えてみましょう。
粗利益額を増やすとはつまり、お客様を獲得することです。

お客様獲得をいかにしていくかはランチェスター戦略が役立つと思います。

お客様獲得のためのランチェスター戦略8つの要員

以下に並べる8つの要因について、弱者(=中小企業)でも競争に勝ち、お客様を獲得できるヒントがあるのがランチェスター戦略です。

参考までに以前の記事を。

ランチェスター戦略に学ぶ中小企業の営業戦略:基礎編

中小企業が参考にすべきランチェスター戦略における強者と弱者の違いとは?

具体的な方法は次回以降ですが、まずはどんな要因があるのかを見て下さい。

商品またはサービス対策

何を売るか

営業地域対策

どこの地域を中心に営業するか

業界客層対策

誰をお客様にするか
どの業界、どんな層など

営業対策

お客様の見つけ方、集め方、作り方など

顧客維持対策

いかにリピートしてもらうか

組織対策

人の配分と役割分担、給料などの処遇

資金対策

資金の調達とその配分。
粗利益の確保と経費の配分。

時間対策

営業マンの時間の使い方
ランチェスター時間の戦略



ランチェスター戦略が特に特化しているのが、営業地域対策、業界客層対策、営業対策です。

具体的な方法に関しては次回以降解説させていただきます。

ランチェスター戦略通りに営業する営業マン

編集後記

ランチェスター戦略に従って経営をし、強い企業になった中小企業はたくさんあります。

例えば、小さな会社のすごい社長!という本には、原則論ではなく、実際に成功した企業の実例が書かれています。

ランチェスター戦略についてじっくり解説していきますので、ぜひ自分のものにして経営の役に立てていただけたらと思います。

次回は、「強者の戦略の具体的な方法論」を、それが終わればいよいよ「弱者の戦略の具体的な方法論」を書いていきます。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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