ランチェスター戦略に学ぶ中小企業の営業戦略:基礎編

読了時間目安:約 6分43秒

中小企業が大企業と同じ経営をしていては市場での競争に勝つことはできません。
それは商品サービスに関する戦略はもちろんのこと、営業や販売に関する戦略も同様です。

ランチェスター戦略では大企業がとるべき戦略を「強者の戦略」、中小企業がとるべき戦略を「弱者の戦略」と名付け、両方の立場から営業販売戦略について解説しています。

成功している中小企業の大半が、多かれ少なかれこのランチェスター戦略を取り入れて経営をしています。
そんなランチェスター戦略の基礎についてまとめました。

ランチェスター戦略とは?

正式にはランチェスター法則と呼ばれ、イギリスのF・W・ランチェスターという人が飛行機の空中戦を研究するうちに見つけられた法則に基づいています。

空中戦をする飛行機の機数とそのうち撃墜される飛行機の機数の関係を、つまり兵力の割合と損害量にどんな法則があるのかをまとめたのが、ランチェスター戦略の戦略で、第一法則(局地戦)と第二法則(確率戦)の2つから成り立ちます。

ランチェスター第一法則

局地戦や接近戦を想定しています。
飛行機の空中戦だとイメージしづらいかもしれませんが、武士同士が刀で戦うことをイメージしていただけるとわかりやすいと思います。

宮本武蔵のような剣豪がいることは想定しておらず、武士の強さは同等だとすると、武士の人数差(兵力差)がそのまま生き残る武士の人数の差になるとしています。

つまり5人対3人で戦争が起これば後者は全滅、前者は2人が生き残るというのが法則の前提となります。

ランチェスター第二法則

広域戦や総合戦を想定しています。
武士の時代に刀ではなく鉄砲で打ち合うようなことをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。

この場合は、実際の人数差ではなく、その二乗の兵力差があるのと同等の結果がでるとされています。

つまり5人対3人で戦争が起これば、5人は5の二乗である25の戦力、3は3の二乗である9の戦力となり、戦力差は2ではなく16になるということです。
結果、前者は4人生き残りますが、後者は全滅することとなります。

ランチェスター弱者の戦略と強者の戦略

戦後ランチェスター法則はビジネスの戦略にも活用できるということで研究や改良が進んできました。

その結果、上記のランチェスター第一法則が「ランチェスター弱者の法則」となり、ランチェスター第二法則が「ランチェスター強者の戦略」となりました。

つまり経営資源として代表的な、ヒト・モノ・カネに関して大企業より圧倒的にリソース(=兵力)が少ない中小企業はランチェスター第二法則である強者の戦略で戦っても勝ち目がないどころか、目に見えるリソースの差ではなく、それに二乗した差だ木っ端微塵に粉砕されてしまします。

ではどうしたら良いか?弱者の戦略と強者の戦略を比較してみましょう。

ランチェスター弱者の法則

・差別化戦略
・一点集中主義
・局地戦
・接近戦
・一騎討ち戦
・陽動戦
などに大別されます。

詳しい説明はまた別記事でしますが、強者が手を出さない分野や地域に絞り、一転集中して市場を作り、その地域または分野で強者になることが常道とされています。

そのために、どの分野や地域を狙っているかわからないように陽動戦が必要でライバルがいれば、自分が勝てそうな相手選び一騎打ちのように狙い撃ちして勝っていく必要があります。

ランチェスター強者の法則

・ミート戦略
・総合主義(物量戦)
・広域戦
・遠隔戦
・確率戦
・誘導戦
などに大別されます。

自社で差別化して新しい市場を切り開く必要はなく、弱者が切り開いた市場や分野、地域に対して同様の商品サービスを合わせていく(ミートさせていく)のを基本戦略とします。

ヒト・モノ・カネといったリソース(兵力)で勝つ強者はそれだけで、弱者から市場を奪うことができ自社の反映ができます。

考えてみれば単純ですね。苦労して切り開いた市場や分野に、資金力のある強者が安い価格で同じサービスをする、または研究開発費を投入してもっと質の高いものを提供すれば簡単に弱者に勝てるわけです。

その一方であらゆる商品ラインをそろえる総合主義、地域を絞らない広域戦を仕掛けることによってリスクを分散し、仮に勝てない分野や地域があっても、総合的には勝利をおさめられる状況を作る確率戦を展開するのが、ランチェスター戦略では強者の定石とされています。

空中戦:ランチェスター戦略

編集後記

ランチェスター戦略の基礎を解説しました。
単純に強者といっても大企業であればどの企業でも強者であるわけではないというのが、このランチェスター戦略の面白いところです。
小さな会社でもある分野では強者になることができますし、トヨタやソニーのような大手でもある分野では弱者になることもあります。

次回は、ランチェスター戦略における強者と弱者の違いを中心に、もう少しランチェスター戦略について突っ込んでいきたいと思います。

その後、実際にランチェスター戦略を企業経営にどう活かしていったらいいのかについて書いていけたら思っておりますので、ご興味ある方はしばらくお付き合いください。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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