ワタミの営業赤字から考える、経営における盛者必衰の理。

読了時間目安:約 11分6秒

ワタミのニュースから、企業経営における好調不調の波を書かせて頂きました。
好調時に中小企業は何をすべきか、好業績の企業がいきなり業績悪化する事例を見てきた観点からまとめてみましたので、ご興味ある方はご覧下さい。

本日はYahoo!ニュースに載っていた居酒屋ワタミが上場以来初めての赤字だという記事から。
ワタミ 上場後初の営業赤字へ(2015年2月9日(月)掲載) – Yahoo!ニュース

懐かしのユッケ?

この記事を読んで頭に浮かんだのは平家物語の一節である、「盛者必衰の理をあらはす。」という言葉でした。

ちなみに平家物語の序章は、

祗園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。
娑羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。
おごれる人も久しからず、唯春の夜の夢のごとし。
たけき者も遂にはほろびぬ、偏に風の前の塵に同じ。

となっていますね。

ワタミに感じた盛者必衰とは?

ワタミが有名になったのは何のときだったでしょうか?
私個人としては、創業者の渡邉美樹氏の「夢に日付を!」を読んで感銘を受けたのがキッカケだったと記憶しています。

余談ですが、私は現在でもこの本にある6本の柱という考え方で5カ年計画を立てています。

この出版は2005年ですが、2005年ごろまでは好調な様子が年表形式に見てもわかります。

好調期のワタミ

創業

1984年4月:
有限会社渡美商事を設立し、つぼ八のフランチャイズ店としてスタート。
その後、何度かの会社名の変更や海外進出、飲食事業以外への展開、つぼ八とのフランチャイズ契約解除など様々なことがあるが、概ね下記のように成長。

店頭登録

1996年10月:
日本証券業協会に株式を店頭登録。

東証二部に株式上場及び事業の多角化

1998年8月:
東京証券取引所市場第2部に株式を上場。また1998年には農業事業にも進出。

海外進出

2000年7月:
和民(中國)有限公司設立。(海外進出)

介護事業進出

2004年4月:
ワタミメディカルサービス株式会社設立。(介護事業進出)

労働問題が発覚するワタミ

賃金未払問題

2006年10月:
アルバイト従業員の労働時間のうち30分未満部分を切り捨てて賃金を支払っていなかったことが発覚。その後全国41店舗で同様の賃金不払いが発覚

不当解雇で提訴

2008年6月:
上記賃金不払いを内部告発した元店員が報復人事で解雇されたとしてワタミを提訴

ワタミ=ブラック企業が定着?!

2012年7月:
第1回ブラック企業大賞 市民賞を受賞。

上場後はじめての赤字

2014年5月:
2014年3月期の連結最終損益が、49億円の赤字であることを発表

となっております。

その他の大きなトピックとしては、

ワタミ創業者、渡邉美樹氏の政治活動

2011年2月:
渡邉美樹氏、民主党の推薦を受け東京都知事選挙に出馬

2013年7月:
渡邉美樹、自民党の公認候補として参議院議員選挙に出馬し、当選。

があります。

大きなトピックのみ引き出して載せています。Wikipediaを参考にしていますので、ご興味ある方はWikipediaを参照下さい。

ワタミの功績

ワタミは「和民」で居酒屋とファミレスの中間の事業体である「居食屋」という業態を生み出しています。
居食屋という言い方は浸透しなかった気もしますが、家族でもいける居酒屋、子ども連れでも楽しめる居酒屋という形態を流行らせたのはまさにワタミでした。

労働問題からはじまるワタミの業績悪化

以前から問題があったからではあるものの、2006年に労働問題が表面かしたことを発端に、ブラック企業という認識が世に広まり、2013年には最終損益が赤字に上場後はじめて転落、2014年には営業利益が上場後初めて赤字になるという状況になっています。

ワタミがブラック企業か否か、創業者の渡邉美樹氏の政治活動の善し悪しに関しては論じるつもりはありませんが、世間の評判というのは大切だということですね。

盛者必衰と同じで企業経営には波がある!

なにごともそうかもしれませんが、良い時もあれば悪い時もあります。

会社の経営もそうで、時代の流れに載れて非常に良い時もあれば、悪くなる時もあります。

これは経営努力だけではどうにもならない部分もあります。

業績悪化の事例

順不同ですが、最近の中小企業の事例だけでも、

狂牛病問題で牛丼屋はもちろん、焼き肉関係の企業も売上が極端に減り、経営危機に陥りました。

O157やノロウィルスが流行ると、寿司屋や生もを取り扱うお店の業績は一気に悪化します。

リーマンショックでは、自動車関連の下請け企業(工場など)は売上が8割減りました。8割になったのではなく、8割減ったのです…

他にも東日本大震災、過度の円高などで業績が一気に悪くなった企業はたくさんあります。

逆に、業績が良くなった企業もあります。
今まで牛丼屋に行っていた人が、となりのトンカツ屋にくるようになったみたいな事象もたくさん起こりますから。

マネーの虎の現在

テレビ番組のマネーの虎をご存知ですか?
何年か前に放映されていた番組ですが、あの番組で出資者として名を連ねていた、当時いわゆる成功者だった方が現在どうなっているかご存知ですか?

「マネーの虎 現在」

などとYouTubeあたりで調べればでてきますが、半数くらいが負債を抱えていますし、中には自己破産している人もおります。

波に備えるために中小企業経営はどうするべきか?

ワタミはもちろん、大手牛丼チェーンなどの大企業は資本もブランドも違いますので、多少の逆境でも生き残るでしょう。

では中小企業はどうして行ったら良いのでしょうか?

業績が良い時こそ悪い時に備えましょう

特に財務の部分です。

まず自己資本比率、最低でも30%を目指しましょう。
高ければ高い方が良いので50%とか80%とか書かれている本もありますが、最低でも30%です。

そして、キャッシュ(現金)を貯めましょう。
目標は、売上がゼロになっても会社を1年は維持できるお金です。
そして全体比率で言えば総資産の最低でも30%以上を目安にして下さい。

厳しいことを言えば、ブランドを構築するお金、広告宣伝、新商品開発、設備投資などの攻撃的なお金を使いながら貯めて下さい。

攻撃は最大の防御と言いますが、攻撃的なことにお金を使わなくなった企業は衰退していきます。

また商品構成の幅を増やすことや事業の多角化も必要となってきます。
少し前は、多角化や商品構成を広げることは悪いことのように言われていましたが、時代の早い昨今では必要なことです。

もちろん、何屋だかわからなくなったり、強みがわからなくなってはいけません。
そういう意味ではブランドをどう作っていくかが重要です。

私は星野リゾートのブランド戦略こそ、これからの時代に合っていると思っています。
「ほしのや」は高級路線、その他にも「界」ブランドなど複数のブランドを価格帯やコンセプト別に持っていますし、再生旅館の案件では、そのままの名前を使い続けるケースもあります。

星野リゾートの星野社長がブランド戦略で参考にしている本はこの本の中で語られています。
私にとってはこの本こそ教科書です。

事業を存続させることこそ最大の社会貢献

どうしても、最近はインターネットが発達したお陰か、企業の成長スピードが早く、◯千万円でバイアウトに成功とか、◯千万円の資金調達に成功などといった、輝かしい功績に目がいってしまいます。(私も羨ましい…あ、違った。)

でも本当に大事なことは、会社を存続させることです。
そのために中小企業経営者は様々なことを勉強しなければいけません。

一説によると、創業からの倒産率が
1年以内に約50%、5年以内に約80%、10年以内に95%と言われています。

それだけ経営が難しいということですが、関わった人にご迷惑をおかけしているということですね。
従業員の雇用が守れないのはもちろん、お客様、仕入れ先、外注先、その他関係者に迷惑をかけるわけです。

逆に存続するだけでお客様に喜んで頂けていたり、社会に雇用に貢献していたりの証明になるわけです。

ですので、「誰に」「何を」「何で」売るのが経営では一番大切ですが、守りの部分でもある「お金」つまり「財務」の部分も大切にして頂けたらと思います。

編集後記

長く中小企業の経営に関わっているので、伝えたいことの1つだったのですが、なかなか好業績の時には頭では理解できても行動することはできず、業績が悪くなってから気づくケースが多いのが現実でした。
でも、繰り返しお伝えしていくことが大事だと思うので、あえて書かせて頂きました。

最後に

宣伝になってしまいますが、私が経営するBelink(ビリンク)では中小企業向けに財務サポートをしております。
http://belink.asia/about_business/accounting/

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◯内容に関しては万全を期しておりますが、内容を保証するものではありません。
これらに起因して発生するいかなる損失についても補償しかねますので、自己責任での運用をお願い致します。

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この記事を書いた人

吉田 和矢 Kazuya Yoshida
経営ナビの運営者であり、合同会社Belinkの代表社員。 また、株式会社VARIEの取締役&CFOとYOGAsalonひよこの共同経営者を兼任。 なんだかんだで前職時代を含めると、財務を中心に中小企業のコンサルを丸9年行っており、今年が10年目です。 詳しいプロフィールはこちら→経営ナビの運営者

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