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前回に引き続き、フリーランスのお話です。

フリーランスになった方、フリーランスになろうと思っている方が一番不安なのは、将来に対する不安ではないでしょうか?
一体いくら稼げば良いのだろう?、一体どうやったら収入が増えるのだろう?、必要なスキルは何だろう?などなど。

会社員と比較しながら稼がなければいけない収入の考え方と、そのために必要なスキルを書きました。

前回の記事はこちら。
【VOL155】無知だと危険!フリーランスが気をつけるべきこと


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このメルマガはシリーズものになっていますので、

【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字

からお読み頂くことをお勧めします。

今回は『フリーランスが稼がなければいけない収入とそのために必要な6つのスキル』です。(編集前のメルマガは2018年7月30日(月)に配信されています)

会社員とフリーランスの収入の違い

前回の【VOL155】無知だと危険!フリーランスが気をつけるべきことでは、雇用形態や社会保険制度の違いなどをとりあげました。

今回はもっと大事な収入の仕組みについて書きます。


会社員の収入の仕組み

会社員で一般的に言われているのは、

年齢×10万円=年収=負け組
年齢×1万円=月収=勝ち組

です。

何が勝ち組で何が負け組かという議論と、そもそも上記の基準が収入の多い少ないの基準としてあっているかはいったんおいておきましょう。

大切なのは仕組みで、年齢を基準に考えられているということです。

仮に35歳の人であれば、
35歳×1万円×12ヶ月=420万円
ここにボーナスがあれば、少なくとも年収500万強になります。

一方、55歳の人は、
55歳×1万円×12ヶ月=660万円
同じくボーナスがあれば、少なくとも年収750万程度になります。

では、55歳の人が35歳の人の1.5倍の働きをしているのでしょうか?

普通は働き盛りの35歳の人のほうが、お客様や会社に貢献しています。

にも関わらず55歳の人のほうが収入が多いのはなぜか?

それは55歳の人も30代のころは、働きに見合わないお給料だったからです。

若手から搾取して年配のお給料を払っているのか、自分が歳をとったときのためにお金を会社に貯めているのかはさておき、会社というのはそういう仕組みで回っています。

若いうちに頑張れば、頑張りに応じて将来の収入が増えていく仕組みになっていて、定年まで安心して働けるという一種の保険制度でした。
(その「年功序列」「終身雇用」が崩壊してきているという話は後ほど)


フリーランスの収入の仕組み

一方でフリーランスは、自分の能力に応じて収入を得ます。
単純に年齢という意味で考えると、右肩上がりではなく、ピークの年齢を頂点に山なりの収入曲線を描くことになります。

業種によってピークの年齢は異なりますが、早くて35歳、遅くても50歳くらいです。

つまり、その年齢までは、本人の努力と能力次第ですが、収入が増え、その後は減っていくことが当たり前です。

なので、フリーランスになってサラリーマン時代より稼げてなければ、かなりヤバいわけです。

大事なことなのでもう一度言います!

フリーランスでサラリーマン時代より稼げてないとヤバいです!!

ちまたでは、独立したらまずは年収1,000万円などと言われていますが、多くの場合、年収ではなく年商で1,000万円を目指しています。

まず年商ではなく、売上から経費を引いて1,000万円を目指すべきです。
自分のお給料やサラリーマン時代お給料から払っていたお金、例えば社会保険や住民税、生活費などは経費に入れない計算で1,000万円です。

サラリーマンの生涯年収が2億〜3億と言われています。

それでもサラリーマンの生涯年収に到達するまで20年〜30年かかる計算です。

本当に今の働き方で20年〜30年継続して1,000万円稼げるのでしょうか?

それでも独立をお勧めする理由

フリーランスに限らず独立をお勧めしています。
その理由は、「年功序列・終身雇用」が崩壊しつつあるからです。

一生1つの会社に勤めれば必ず安泰という時代ではなくなっています。
(私と同じ30代はまだ逃げ切れる可能性もありますが、逃げ切れない可能性もあります)

倒産はもちろん、リストラもありえますし、そこまでいかなくても、ピークの年齢を超えた後はお給料が減っていく可能性は十分にあります。

会社に一生勤めるということは、自分の持っているリソースを一点集中で投資することに等しいということです。

前回も紹介しましたが、

ということと、

特に新生銀行が副業を解禁したときの人事部長が、

周知の通り、終身雇用にはもう限界が来ています。今後、銀行はフィンテックの流れもあり、同じ数の社員を雇っていける保証はありませんし、必要な人材像も変わっていきます。
(『究極の“個人戦”時代、「副業社会」が到来する』より引用)

と発表しているのが、その裏付けです。

最初は会社に勤めながら副業でも良いので、自分自身でお金を稼ぐという能力を磨くことを強くお勧めします。

フリーランス・起業に必要な6つのスキル

「自分自身でお金を稼ぐという能力」と書きましたが、それにはどういうスキルが必要なのかについて書いて行きます。
上から順に大切な順番でもあります。

営業スキル

よくある技術者出身のフリーランスにありがちな間違いが「良いものを作っていれば売れる」という勘違いです。

士業、エンジニアなど専門職系に多い傾向があります。

極論ですが、「売れるものが良いもの」です。

売るためにはどうしたら良いか。

マーケティングやクロージングテクニック、ライティングを学ぶなどテクニック的なことはたくさんありますが、人に好きになってもらえる能力が一番といっていいくらい大切です。

「何を売っているのかよくわからないけど、あなたがお勧めするなら頼むよ」
と言ってもらえるようになれば、ほとんどの問題は解決します。

世界で1番優れた商品・サービスを提供できるのであれば、商品力やサービス力にこだわり、わかる人にだけ売るというのもありですが、大抵自分より優れたものがあります。

その中でなぜ自分の商品を選んでもらうのか?
それはあなたのことが好きだから以外にありません。

万人に好かれる必要はありません。
自分が好かれたい人に好かれれば、年収1,000万は見えてきます。

マーケティングスキル

マーケティングとは、

『企業などの組織が行うあらゆる活動のうち、「顧客が真に求める商品やサービスを作り、その情報を届け、顧客がその価値を効果的に得られるようにする」ための概念』(Wikipediaより)

とかなり広い概念で紹介されています。

市場調査、商品・サービスの開発、集客、教育、販売など、企業の活動の大部分を総称してマーケティングと呼ばれていますが、まず大切なのは以下の質問に答えられるかです。

「なぜお客様はライバルの商品ではなく、あなたの商品を買ってくれるのですか?」

これに自分自身が答えられなければ、お客様はあなたの商品を買う理由がありません。

マーケティングの手法は数多くありますが、最低限覚えておきたいのは3Cと3Mです。

これについては以前、中小企業向けに書いた【VOL122】中小企業の経営に最低限必要なマーケティングの基礎という記事を書きました。

フリーランスの方でも変わらず必要なスキルですので、ぜひ読んで頂けたらと思います。

その上で中小企業もそうですが、フリーランスに一番効果的な手法がダイレクト・レスポンス・マーケティング(以下DRM)です。

大企業が行うようなイメージ浸透型のマーケティング、例えばテレビCMとかではなく、ダイレクトに注文という反応を狙ったマーケティング手法です。

集客→教育→販売という3つのステップでお客様を増やします。

こちらも以前こんな記事を書きましたので参考にして頂けたら幸いです。
【VOL147】ダイレクト・レスポンス・マーケティング(DRM)こそ中小企業の活路?!

このDRMを行うために必要なのが、消費者心理の理解と、ライティングというテクニックです。
この辺りのことも以前まとめていますので、参考にしてください。

マーケティングに関する記事一覧

お勧めの本はこちら



自己管理能力

これが意外と重要です。

決まった時間に決まった場所にいかなくて良い自由な環境がフリーランスにはあります。

油断すると・・・昼夜逆転の生活になります。

昼夜逆転くらいだったらしっかり仕事の時間を確保出来ていれば良いのですが、ダラダラ過ごす時間がいつの間にか増えていきます。

〆切のあるものや依頼されている仕事はそれでも何とか終わるのですが、事業を伸ばすための「緊急ではないが重要なこと」にいかに時間を使えるかがとても大切です。

サボっていても、給料分はなんとか稼いでもらわないとと、強制的に仕事が与えられる会社員と違ってサボり放題です。

加えて、仕事とそれ以外の区別がなかなかつきにくくなります。

その気になれば、マンガからでもドラマからでも学ぶことはできます。
またネットサーフィングをしていて良いアイディアを思いつくこともあります。

いつの間にか、テレビ、YouTube、インターネットの流し見の時間が増え、インプットしているつもりが浪費している時間が増えている現象にはまります。

タスク管理と時間管理などの自己管理能力が必須となります。
お勧めは時間を有効に活用できてないと思ったら、スマホアプリなどを使って1日の時間の使い方を計測してみることです。
出来れば、1ヶ月、最低でも2週間くらい計測すると傾向が見えてきます。

ちなみに時間管理に関しては、この本がお勧めです。

タスク管理に関してはこちらです。

自ら身につける方法と、フリーランス仲間を見つけて他人に宣言する方法や、コンサルタントを頼んで進捗管理をお願いする方法、スクールなどに入り仲間探しと進捗管理をする方法など、やり方はたくさんあります。

お金に関するスキル

ひと言でお金と書きましたが、会計・税金・その他の3つにわかれます。
正直このあたりは専門家に依頼して自身の負担を減らすことこそ、早く成長するカギです。

会計の知識

ビジネスにおけるお金の流れは、資金調達→投資→回収(売上)→返済という流れが基本です。

資金調達は借りる、出資してもらう、貯めるなどの方法があります。

その調達した資金の中から、小さなところではPC購入や広告宣伝、大きなところでは店舗費用などに投資します。

そして、その投資をするから売上という形で回収ができます。

回収したお金の中から返済や配当を行います。

投資を怖がる人が多いですが、投資をしなければ売上も増えません。
いかに怖がらずに投資ができるかは1つのスキルです。
投資には失敗はつきものです。
小さな失敗を重ねて投資に慣れていくことこそビジネススキルの成長につながります。

しかし、会計の知識がないと、この投資を過大にしてしまう危険性があります。
特に借入をしだすとこれが顕著です。

甘い事業計画で多額のお金を借り、返せなくなり返済のために借入をして、返済するために働くという地獄のような状況になります。

どれだけ投資したら過大なのか、今投資に使えるお金はいくらあるのか、そういったことを理解するための道具が会計です。

自身で独学で勉強することも可能ですが、専門家と相談しながら事業を進めたほうが、自身の成長も事業の成長も早まります。

月3万円〜10万円くらいで投資だと思って専門家にお願いするのも1つの手です。

ちなみに私もこのあたりのコンサルはたくさんやっています笑

税金の知識

税金の知識で覚えておきたいのは、支払ったお金=経費ではない場合があるということです。

例えば借入金の返済や保証金の支払は経費になりませんし、30万円以上のPCなどは払った年の経費に全額がなるわけではありません。

つまり、売上が年間1,000万で、1,000万の支払があったら手元に残るお金はゼロ円ですが、経費にならない支払があると、その分税金がかかるということになります。

それを正確に把握していないと、手元のお金はゼロにも関わらず税金がかかり、支払えないという事態に陥ります。



また、税金関係に限らずですが、知らないと損することがたくさんあります。

青色申告の届出を出していないと控除が受けられませんし、赤字も繰越ができません。
小規模企業共済は支払った分全額経費になりますし、1年後には支払った金額の90%は借入できるという素晴らしい制度です。
仮に利益50万円だとしたら、税金を20%払うより、50万円小規模企業共済をかけて、税金ゼロにして翌年45万円借りてきたほうが、手元のお金はたくさん残ります。(税金を払った場合30万円しか残らないので)

小規模企業共済にかけたお金は将来の退職金がわりですので、元本割れは基本的にはなく超長期の預金みたいなものですので、借入をしても貯金を担保に借りているようなもので、税金を払うより効率よく上記の投資→回収のサイクルが回せます。

【VOL151】中小企業経営者の退職金制度!小規模企業共済のメリットとは?

中小企業と書いてありますが、フリーランスも個人事業主も同様です。

あとお得な制度としては、倒産防止共済。
【VOL134】資金繰り改善:倒産防止共済の4つのメリットを徹底解説

などがあります。

また、助成金や補助金情報なども年によって変わります。
知らなきゃもらえませんが、知っていればもらえるものもたくさんありますので、知らずに損しないようにしましょう。

このあたりも最新情報を常におっかけるより、税理士に依頼して税金や助成金・補助金などの最新情報を教えてもらったほうがコスパが良いのは間違いありません。

その他

法律のスキルや社会保険の知識、人を雇うなら労務の知識など専門的な知識が必要になります。
会社員のころは全部会社がやってくれていたことですが、自分自身でやっていかなければなりません。
特に契約書は超重要。
更に経理業務、請求書の発行、入金管理、振込、帳簿の作成など1円も売上につながらないけれども、とても大事な仕事もあります。

この辺りも弁護士や社労士などの専門家に依頼することをお勧めします。
弁護士や社労士は、最初は困ったときに相談するスポットでも大丈夫です。

ちなみに経理代行の事業やってます笑
【VOL145】記帳代行などの経理業務やバックオフィス業務を外注するメリット

交渉力

価格交渉から納期交渉まで、交渉力はフリーランス、小規模事業者にとって重要です。

1社〜数社に依存した下請けに近い状況だと、なくなったら困るのでなかなか交渉しにくいですが、売上を複数社に分散していると、厳しい条件の仕事には交渉しようと思えるようになります。

話し上手か否かという交渉力ではなく、環境を整えていくことが大切です。

これは仕事をお願いする場合でも同じで、そこにしかお願いできない環境下におかれると、言いなりにならざるを得ない部分がありますが、複数の人にお願いできる状況下であれば、選択の幅が増えます。

そういう環境を作ることができたら、あとは自分の商品・サービスの価格に自信を持つことです。

値下げや値引きをして仕事をしているフリーランスをよく見かけます。
しかし、値下げ競争をして勝てるのは、資本力のある大手だけで、小規模事業者は値下げ競争をしても疲弊するだけです。

あなたに仕事を頼もうとしている以上、あなたの商品やサービスに魅力を感じているわけです。
変に値引きせず自信を持って提示しましょう。
値引きするくらいだったら、プラスαでなにかつけられないか考えてみるのも1つの方法です。

また、値上げ交渉ができない小規模事業者、フリーランスもよくみかけます。
あなたの商品・サービスに満足しているのが前提ですが、意外と言ってみると値上げしてくれる方もいます。
こんなこと言ったら失礼かなと思って言えないレベルであれば、まずは提案してみましょう。
これもプラスアルファでこんなことできます!といって値上げする方法も1つです。

売上は「単価×お客様数」です。
お客様数を増やすのに比べると単価アップのほうが簡単です。
不当に高くするのはダメですが、お付き合いしていく中で、こんなこともお手伝いできるというものを見つけたら、どんどん提案していくことをお勧めします。

技術力

商品・サービスを提供する技術力です。
最後に書いた理由は、前述した「良いものが売れるわけではない」という理由と、多くのフリーランスが技術を磨くことにはどん欲だからです。

エンジニアならプログラミング、ライターならライティング能力、士業なら専門の法律、誰もが勉強しています。

職人ではなく、商売人を目指すのであれば、固執するのは危険ですが、技術はもちろん大切です。

仕事の幅も広がりますし、喜んでいただけるお客様も増えます。

営業力さえあれば難しい仕事でも誰かにお願いするということもできますが、この場合マネジメント力が必要になります。
また、入金と支払のタイミングの管理など、財務会計のスキルも必須になるので、まずは技術力をあげ自分でできたほうが良いのは間違いありません。

アウトソーシングするものと自分でやるものの区別

人に頼むものと自分でやるものは明確に区別していくことこそ、成功の秘訣です。

本業でもないのに、数万円のコストを惜しんで、会計や税務の勉強をし、自分で契約書をチェックしてなどやっている時間があれば本業に集中したほうが絶対に事業は成長しますので、人に頼み、自身は本業に直結するスキルを磨くことをお勧めします。

但し、フリーランスといえど、経営者です。
経営の勉強は他人任せにせず自分でしましょう。

その中でも重要なのはマーケティングの勉強です。

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編集後記

フリーランスという言葉がもてはやされていますが、実態は個人事業主と変わりません。
それどころか、下手をすると固定給を払わず、仕事があるときだけ仕事を頼める都合の良い人に成り下がってしまいます。

今は人手不足でどこも人手が欲しいので、仕事が選べる状況が続いています。
厳しい言い方をすれば、たいしたスキルがなくても労働力として仕事があります。
そして、仕事の単価も高い水準にあります。

しかし、今後、機械化やAIの発展、外国人労働者の流入などの可能性があり、いつまでも人手不足の状況が続く保証はありません。

その未来がきたときに、仕事がなくなると怯えるのではなく、スキルをしっかりと身につけ、機械やAIに使われる側ではなく、それを使う側になりましょう。

会社員と違ってフリーランスや事業者の可能性は無限大です。
昔と違って1社に依存するリスクが高くなっている以上、自分のスキルで人に喜んでもらいお金を稼ぐ能力は、これからの時代絶対に必要な能力になります。

会社員ですら副業(または複業)が推奨され始めている時代です。

必ずしも独立する必要はありませんが、他力ではなく自力で未来を切り開くスキルを身につけていきましょう。


最後に

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