コピーライティングについての第2回目です。
コピーライティングとは何かや、「何を誰に伝えるか」を決め、その後「型」を覚えましょうという話を以前はしました。
前回が本質とテクニックというお話で「何を誰に伝えるか」の部分が本質ですという内容でした。
今回は「コピーの型」について書いていきます。
まずこちらからご覧下さい。
→【VOL140】経営に活かすためのコピーライティング~本質とテクニックを見分けよう~
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今回は『経営に活かすためのコピーライティング~コピーの型①~』です。(編集前のメルマガは2017年2月15日(木)に配信されています)
この記事の目次
3つのNOT
コピーの型をご紹介する前に、コピー業界の常識となっている「3つのnot」という概念を紹介します。
この3つのNOTをいかに攻略するかがコピーの目的ともいえます。
読まない=NOT Read
書き手は読まれると思ってコピーや文章を書きますが、読み手は基本的には読みません。
情報が溢れている現在では、読み手の興味を惹き、実際に読まれる可能性は低いのです。
家に来るダイレクトメール、Yahoo!ニュースのタイトル、メルマガ、ほとんど開封もしない人が多いのではないでしょうか?
では、どういうときに開封するかを考えてみていただくと答えが見えてくると思いますが、タイトルに惹かれた時ではないでしょうか?
つまり、コピーライティングの技術を身につけて、読み手に興味を持ってもらえるようなタイトルをつけられるようになることが大事なのです。
信じない=NOT Believe
仮に読んだとしても、読み手はその内容を基本的には信じません。
それもそのはず、書いている本人は本気で信じて実行して結果を出していたとしても、世の中に「たった5分で月100万円稼ぐ方法」などというコピーが氾濫していては、簡単に書かれている内容を信じるわけがないということに納得できるはずです。
そのため、どうやって読み手に信じてもらえるかもコピーライティングに必要な要素です。
以前かいたマーケティングに役立つ心理効果シリーズの中にも、権威性などを中心として信頼を得るための方法をご紹介しました。
→【VOL135】マーケティングに役立つ心理効果〜印象編5選〜
→【VOL136】マーケティングに役立つ心理効果〜特別感4選〜
→【VOL137】マーケティングに役立つ心理効果〜表現方法5選〜
→【VOL138】マーケティングに役立つ心理効果〜感情編4選〜
→【VOL139】マーケティングに役立つ心理効果〜意思決定編4選〜
行動しない=NOT Act
開封して読んで信じたとしても、機会があったらやろうと思う人がほとんどです。
すぐに行動に移す人はごく稀と言っても過言ではありません。
どうしたら購入という行動に移ってもらえるかを考えるのもコピーライティングの分野です。
コピーライティングの型5つの分類
人間の心理にも関わる話ですが、以下の5つの心理に働きかけるようなコピーが効果的です。
そしてコピーの型はこの5つの心理に1つまたは複数に働きかける形で作られます。
新しい情報
新発売や新発表というのは人の心を揺さぶります。
例えば、「新しい時代の新しい◯◯の使い方」などでも大丈夫です。
また、新という時を使わなくても「速報」など新情報だということがわかれば、何となく見たくなる人は多くなります。
そして見て本当に有意義な情報であれば人に話したくなるという心理が生まれます。
何かのコピーを書くときに、まだ気づかれていなりメリットや情報を探し、新しい情報の提供をコピーに入れるのは1つの効果的な型といえます。
楽をする方法
「簡単に◯◯できる5つの方法」などのコピーをよく見ると思いますが、よく見るだけあって効果は絶大です。
簡単にといわれても信じない人が多いのも現実ですが、でも見てみようと思う人が多くいます。
つまり、3つのNOTのうち「読まない」という部分をクリアできます。
「もう料理を作る苦労から解放されませんか?」
などというタイトルのコピーが中食では使われたりします。
自炊をしている独身層から、料理を作る主婦(または主夫)に対して響くコピーです。
楽をしたいという一方で、楽をすることに罪悪感があるという一面を人は持ち合わせています。
その罪悪感を解放してあげるようなコピーや、タイトル後の文章を書くことは、コピーライティングの型の1つです。
不安をあおる
「男性が無意識にやってしまう女性に嫌われる◯つの行動」とか、「あなたの会社がうまくいかない理由教えます」とか、読み手が潜在的に不安に思っているであろうところを刺激するという方法も、コピーでは効果があります。
「◯◯を知らなくて損をしていませんか?」などという手法もその1つです。
嘘はいけませんが、お客様の不安を解決するというのは商売の基本です。
商品やサービスを買うことでお客様の不安や困っていることを解決できる点に注目してコピーを作るのはコピーライティングの型の1つです。
得する情報を伝える
ベネフィットを伝えるという言い方もしますが、「あなたの生活がより快適になる◯◯」とか、「売上をあげるのに効果的な3つの方法」などが代表的です。
また、吉野家の「うまい、はやい、やすい」というキャッチフレーズもベネフィットを伝えています。
それとは別に、無料特典などもベネフィットの1つです。
メルマガに登録の方に無料プレゼントなどというフレーズを見たことがあると思いますが、これもベネフィットの1つです。
読み手や買い手に何の得があるかを伝えることも、コピーライティングの型の1つです。
希少性を出す
「限定○組に激安でご提供!」や「○日までにお申込の方にのみプレゼント」など希少性を出すのもコピーでよく使われる手法です。
人は得をしたいという願望より、他人より損をしたくない願望のほうが強いと心理学ではいわれています。
みんなで我慢することには耐えられても、自分だけ我慢しなければいけない状況は耐えられないのと似ています。
希少性を前面に出すのもコピーライティングの基本の型の1つです。
文章の作り方5つの方法
インパクトを残すような強い言葉を作る方法はいくつかありますが、今回は5つ紹介します。
この5つは「伝え方が9割」という本に書かれている内容です。
この本は本当に文章を書いたり、インパクトのある言葉を話せなかったりする方にはお勧めなので、ぜひ読んでいただき来たい本です。
マンガもあります。
サプライズ法
簡単な方法ですが、プロも使っている技術です。
伝えるコトバに、驚きワードをつくる方法として、
「(語尾に)!」「びっくり、~」「そうだ、~」「ほら、~」「実は、~」「凄い、~」「信じられない、~」「あ、~」など伝えたいコトバを決め、適したサプライズワードを入れるという方法がとられます。
例えば、「そうだ、京都に行こう」「あ、小林製薬」などがあります。
但し、注意として、意味もなく連発するとオオカミ少年になってしまいます。
サプライズワードを、自分が驚いたときではなく、相手の心を動かしたいときにつかうのがコツです。
ギャップ法
「NO1にならなくてもいい、もともと特別なONLY1」「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場でおきてるんだ!!」「お前の為にチームがあるんじゃねぇ、チームの為にお前がいるんだ!!」「高く、硬い壁と、それに当たって砕ける卵があれば、私は常に卵の側に立つ」
「あなたが好き」ではなく「嫌いになりたいのに、あなたが好き」
など、一瞬「え?」と思うような言葉を選んで使う方法です。
最も伝えたいコトバを決め、伝えたいコトバの正反対のワードを考え、前半に入れ、前半と後半がつながるように、コトバを埋めてギャップをつくれば、感動をつくることができます。
赤裸々法
自分のコトバを、プロが書いたように変える技術です。
「上を向いて歩こう、涙がこぼれないように、上を向いてあるこう」「息をきらしてさ、駆け抜けた道を」「朝、目が覚めると泣いていた」「世界の中心で愛をさけぶ」「眠気で思いまぶたをゆっくり持ち上げた瞬間、眼球が飛び出るかと思うくらいの衝撃を受けた」などが赤裸々法の例です。
赤裸々法は自分のコトバに、体温を感じさせ、ときに詩人のようなニュアンスをつくりだすことのできる方法です。
赤裸々法は、自分の肌感覚に素直になる方法で、
「くちびるがふるえてる。あなたが好き」
赤裸々法はふだん意識をしていない、自分の感覚に向き合うことを重視します。
人間としてそれがあたりまえだから、今までコトバにしなかったものを、あえてコトバにすることで印象に残る言葉になります。
「顔→赤くなる」「のど→カラカラになる」「くちびる→ふるえる」など、意識はしていませんが、あたりまえのことです。
最も伝えたいコトバを決め、自分のカラダの反応を赤裸々にコトバにし、赤裸々ワードを、伝えたいコトバの前に入れるのがポイントです。
赤裸々ワードを入れれば、生命力あふれるコトバに変わります。
リピート法
相手の記憶にすりこみ、感情をのせる技術です。
「さいた、さいた、チューリップのはなが~♪」「桃太郎さん、桃太郎さん、お腰につけた~♪」「まいにち、まいにち、ぼくらはてっぱんの~♪」など昔から使われている方法です。
2回繰り返すことで感情が伝わります。
伝えたいコトバを決め、繰り返す、ただこれだけの技術です。
リピートをすれば記憶にに残し、感情をのせることができます。
クライマックス法
寝ている人も目をさます、強烈なメッセージ技術です。
「これだけは覚えてほしいのですが、~」「ここだけの話ですが、~」「他では話さないのですが、~」「誰にも言わないでくださいね、~」「これだけは、忘れないでください、~」「一言だけつけくわえますと、~」「ワンポイント・アドバイスですが、~」「3つのコツがあります、1つ目が、~」などで、見たことがあるのではないでしょうか?
いきなり「伝えたい話」をせず、クライマックスワードから始めるというのがポイントです。
聞き手の集中力はスピーカーの技術によります。
クライマックスをつくれば、切れかけた相手の集中スイッチを入れられます。
出典:「伝え方が9割」
編集後記
最後に紹介した「伝え方が9割」という本ですが、私がはじめてライティングに興味を持ったときに読んだ本でとてもわかりやすい本です。
また、わかりやすいから初心者用の本ということではなく、いつ読んでも新しい発見はもちろん、確認になる本です。
今回紹介したインパクトを残す方法以外にも、『「ノー」を「イエス」に変える技術』や、「相手の頭の中を想像するときの、とっておきな7つの切り口」なども紹介されています。
コピーライティングは昔から続く不変的な技術です。
人によっては一文無しになってもコピーライティングさえできれば、他人の商品やサービスを紹介する仕事をして、生きて行くことができるという人もいるくらいです。
ぜひ、コピーライティングの技術を身につけ、実践していって欲しいと思います。