「値決めは経営なり」とは決して高く売れば良いという意味ではありません。
値決めこそ経営の本質という意味です。今回はその言葉に含まれる意味の1つである事柄について書かせて頂きました。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は「値決めは経営なり」です。(編集前のメルマガは2014年06月25日(水)に配信されています)
今回のタイトルは、あの京セラの創業者稲森和夫さんの言葉ですね。
今回のタイトルと、販売数量より販売単価を10%アップさせたほうが利益が増えるという前回の内容(【VOL7】どっちが儲かる?販売単価アップと販売数量アップ?)を見て、値段は高くつければ良いんだと勘違いしないようにご注意ください。
なぜ販売単価をアップさせると利益が出るのでしょうか?
まず、販売数量10%アップより販売単価10%アップの方がなぜ利益が出るかについて考えましょう。
答えは簡単ですね。それは販売単価を10%あげても、1個当たりの仕入単価が10%増えるわけではないということです。
逆に販売数量を1個増やすためには、1個大目に仕入れなければいけないため、仕入高が1個分増えるわけです。
結果、その仕入高(=変動費)の分だけ販売数量を増やした場合には、販売単価を増やした場合より利益が減ってしまうので、同じ10%アップでも結果が変わってきます。
ここで大切なことは、変動費の存在と固定費の存在です。
(忘れてしまった方はこちらを確認して下さい→【VOL4】財務に強い経営者の習慣の1つである費用の色分けの仕方)
逆に値引きをするとどうなるか?
販売数量が10%減った場合には仕入数量も10%減るため仕入高も減りますが、販売単価を10%減らした場合仕入数量は変わらないため仕入高も変わりません。
結果、販売単価を10%減らす=値引きのほうが利益は減ってしまう結果になります。
これが、安易な値引きはいけないと言われる所以です。
値引きは経営とは高く売れなどという安直なものではありません
しかし、値段は高くつければ良いということであれば、「値決めは経営」などと呼ばれません。
値引きをしたほうが良いケースとしないほうが良いケースはそれぞれあります。
そして、それは数字を1つの判断基準にすることができます。
次回はそれについて解説させて頂きます。