【VOL41】サイト負けが引き起こす倒産の危機

読了時間目安:約 6分38秒

資金が足りなくなると、もっと利益を稼がなければと考えがちですが、実はその原因はサイト負けにある場合があります。
この場合利益を出そうと売上を増やせば増やすほど資金繰りは大変になっていってしまいます。
そんなことにならないように、例題をぜひ見て下さい。



今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。

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今回は『サイト負けが引き起こす倒産の危機』です。(編集前のメルマガは2015年2月11日(水)に配信されています)

前回まで運転資金の考え方の1つである入金出金サイトについてご説明させて頂きました。
前回までの内容は、こちらの記事から3回分を読んで頂けたらと思います。
http://kigyo-jyuku.asia/424/zaimu-merumaga39-how-to-think-working-capital/

頭を抱える経営者

前回サイト負けが何かについては前回ご説明させて頂きましたので、こちらをご参照下さい。
http://kigyo-jyuku.asia/474/zaimu-merumaga40-term-of-cashflow/

前回の例題を確認

入金サイトが60日、支払サイトが30日
つまり「サイト負けが30日発生する」企業で、

商品を買う1個1万円×100個=100万円→支払い30日後

商品を売る1個1.5万円×100個=150万円→入金60日後

という内容でした。

計算を簡単にするために、この取引しかなく、数ヶ月この取引のみが継続する企業だった場合には、200万円(最低でも100万円)の初期費用が必要だとご説明致しました。

忘れてしまった方はこちら→http://kigyo-jyuku.asia/474/zaimu-merumaga40-term-of-cashflow/

「資金不足=利益をもっと稼がなければ」は間違いです

この例題は計算が簡単ですから思わないかもしれませんが、資金が足りなくなるので、もっと売上を伸ばして利益を出すことで、資金不足を補おうと企業を経営していると思いがちです。

この例題でも2ヶ月目には資金が100万円足りなくなります。
優秀な経営者であればあるほど、資金繰りが大変だからもっと儲けなければ!と思う方が多いのが現状です。

しかし、売上が増えて利益が増えていくとどういうことが起こるのか、また同じ例題で考えてみましょう。

売上が増え、利益が増えると、どんどん資金不足はひどくなる

1ヶ月目(1倍)
損益:売上150万円ー仕入れ 100万円=利益50万円
資金:入金0円ー支払0円=0円

2ヶ月目(1ヶ月目の2倍の取引)
損益:売上300万円ー仕入れ200万円=利益100万円
資金:入金0円ー支払100万円=▲100万円

3ヶ月目(2ヶ月目の2倍の取引)
損益:売上600万円ー仕入れ400万円=利益200万円
資金:入金150万円ー支払200万円=▲50万円

4ヶ月目(3ヶ月目の2倍の取引)
損益:売上1,200万円ー仕入れ800万円=利益400万円
資金:入金300万円-支払い400万円=▲100万円

5ヶ月目(4ヶ月目の2倍)
損益:売上2,400万円ー仕入れ1,600万円=利益800万円
資金:入金600万円ー支払い800万円=▲200万円

つまり…

5ヶ月累計で
利益は1,550万円の優良企業で、毎月200%成長を続ける現実離れした企業となっていますが、

資金は、▲450万円のマイナス企業で、資金が足りないから焦って拡大しようとすればするほど泥沼にはまり資金不足になる典型例のような企業です。

企業経営において大切なのは損益ではなく資金繰りです

企業経営において損益はもちろん大切ですが、それ以上に大切なのが資金繰りです。
利益が出ていても資金がショートしてしまえばそれで会社は倒産します。

逆にいえば赤字でも資金があれば会社は継続します。
(赤字で会社に資金があるなんてありえないと思われるかもしれませんが、中小企業の半数以上がこの状態です)

それだけ大事な資金繰りのお話で、上記例題は一般的に黒字倒産と呼ばれるケースです。

経営者は損益だけでなく、貸借対照表や資金繰り表についても勉強する必要があるということです。

実は、以前にも同じことをお話していますが、覚えていらっしゃったでしょうか?
→【VOL22】財務に弱い経営者がひっかかるよくある落とし穴
http://kigyo-jyuku.asia/246/zaimu-merumaga22-trap/

同じようなことを角度を変えてお話した感じにはなっていますが、非常に大切なことですので、何度もお伝えしていけたらと思います。

次回は、金融機関が見るサイトについてです。

 

最後に

最後までお読みいただきありがとうございます。
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