法人も個人も年に1回確定申告書を作成することになると思います。 しかし、これを税務署に提出するためだけに使っていてはもったいないと思いませんか?
会計を経営に活かすための方法をご紹介致します
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は「せっかく作った会計書類を経営に活かすためには?」です。(編集前のメルマガは2014年10月22日(水)に配信されています)
この記事の目次
会計書類を経営に活かすためには?
事業をはじめると、会社でも個人でも税金の申告の為に会計書類を作らなければいけなくなります。
その会計書類はいくつかありますが、基本は貸借対照表(BS)と損益計算書(PL)になります。(実際には他にもありますが割愛です。)
実際にはこの貸借対照表と損益計算書を経営に有効活用することができるのですが、現実の中小企業では前回のメルマガでお伝えしたように、資金調達(主に金融機関との交渉)と税務申告にしか活用されていません。
ではどうやったら貸借対照表や損益計算書をはじめとした会計書類を経営に有効に活かすことができるようになるかといいますと…
・・・
・・・
・・・
結論は・・・、
それ相応の勉強が必要になります。
でも、安心して下さい。
このメルマガを毎週欠かさず読み、毎週欠かさず宿題をし、私に質問し、復習すれば、会計資料を経営に活かすための数字が見れるようになります。
まずは損益と資金は違うということを理解しましょう
1番混乱するのは、会計と実際のお金の動きが全く違うということです。
これは頭ではわかっていても、実際にその時になると混乱する人がたくさんいます。
そうならないためにも、事例でいくつか抑えておきましょう。
設備投資で黒字倒産するケース
利益=手元にお金が入金しているわけではない
まず「利益以下の設備投資なのに資金ショートするケース」と聞いて想像するのは、例えば利益が500万出ているけど、入金がまだなくてお金がないケースでしょうか?
はい、正解です。
利益が500万円出ているから節税のために、お金を使おうとしてもお金がなければ設備は買えませんよね?
これは想像がつくと思います。
でも手元に500万円あっても資金がショートすることもあるのです。
一例ですが、
設備投資が経費になると思っているケース
決算が3月の会社であれば、3月中に節税をしなければいけません。
4月になってからやっても翌年の節税にしかならず、3月までの税金は500万円使う前の金額に対して課税されるからです。
では、3月になって500万円の利益が残っていて、500万円以上お金が増えていたとしましょう!
普通はこう考えます、「手元にお金を残しておいても税金で約40%くらいとられるなら、前から欲しかった設備の○○も買って節税をするか」と。
これが大きな落とし穴なのです。
以前配信した内容の『【VOL2】誰もが必ずつまづく減価償却費という曲者』を覚えていらっしゃいますか?
(忘れてしまった人はこちら【VOL2】減価償却費に代表される会計の罠にひっかからないように気をつけましょう!)
簡単にいうと、500万円お金を使ったからって500万円経費になるものばかりではないということです。(厳密には長期的に見れば経費になりますが、その時の経費にはならないという意味です)
何がいつの経費になるのかはしっかりと把握しましょう。
何がいつの経費になるのか、そして何が経費にならないのか、もっと言えばお金を払わなくても経費になるものもあるので、その辺は顧問税理士さんに綿密に聞いてみて下さい。
しかし、500万円使ったのに経費にならなければ、利益は500万円ですから、税率を仮に40%とすると、200万円の納税ということになってしまいます。
つまり、資金繰りと損益計算書の仕組み、両方理解し、両方見ながら経営判断をしていくということになります。
もっというと消費税という恐ろしいものもありますね。
利益500万で現金預金も500万円増えているのに、なぜか法人税が200万円で、消費税が400万円、つまり納税だけで600万円あるというケースもあります。
仮に期末に500万円の利益を節税できて法人税がゼロになったとしても、消費税400万は逃れられませんね。
これは資金繰りや損益計算書を見てもわからないことです。
貸借対照表を見る必要がありますね。
いかがだったでしょうか?
結局何を見たら良いんだーという声が聞こえてきそうですが・・・。
次回は、簡単に消費税の納税額を見る方法をお伝えします。
納税の時期になってびっくりしないためにも、1ヶ月でいくらぐらいの消費税が増えるのか、売上がどのくらいだとどの程度の消費税が増えるのかなど、業種や業態によって違いますが、自社の傾向をつかんでみましょう。