もし、3,000万円を持っていて、利益の出る不動産が2つあったとしたら…
どの投資が一番投資効率が良いかを例題で考えてみましょう!
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は『あなたが3,000万円持っていたとしたら??』です。(編集前のメルマガは2015年1月21日(水)に配信されています)
3,000万円持っていたらどう投資しますか?
今回の例題は
①3,000万円のお金を持っています。2,000万で200万の利益を稼ぐA不動産と1,000万円で50万円の利益を稼ぐB不動産があります。(1)~(4)のうち、どれが一番最適な選択だと思いますか?
(1)両方買う
(2)A不動産だけ買う
(3)B不動産だけ買う
(4)どちらも買わない
でした。
物件ごとに考える
まず、物件ごとの経営効率を考えてみましょう。
今までのメルマガで、中小企業の場合はROAの考え方で経営効率を確認しましょうとお伝えさせて頂きました。
(忘れてしまった方はこちらから→http://kigyo-jyuku.asia/378/zaimu-merumaga36-number-for-management/)
ROAとはReturn On Assetの略で、当期純利益÷総資産で計算できます。
簡単に言うと、総資産、つまり借りてきたり、自分で貯めたりしたお金をどれだけ使って、どれだけの利益を出せたかという指標です。
では、まずA不動産。(計算を単純にするために税金等は割愛します。)
200万÷2,000万=10%
次はB不動産。
50万÷1,000万=5%
では実際にROAを考えてみると?
では、(1)〜(4)までの例を考えてみましょう。
(1)両方買う
250万÷3,000万=約8.3%
(2)A不動産だけ買う
200万÷3,000万=約6.6%
(3)B不動産だけ買う
50万÷3,000万=約1.6%
(4)どちらも買わない
0万÷3,000万=0%
(2)と(3)について分母が3,000万ではなく、(2)が2,000万、(3)が1,000万ではないかと思った方、今までのメルマガをよく読んで下さっている方だと思います。
物件ごとに考えると確かに分母(=総資産)は(2)が2,000万、(3)が1,000万になるのですが、事業として考えると手元に3,000万円のお金があるわけですので、総資産は3,000万円と考えます。
つまり、(2)の場合は2,000万を不動産に投資し、1,000万円を預金として銀行などに投資したと考えることになります。
つまり正解は?
今回の正解は、「(1)両方買う」になります。
経営効率の考え方はご理解いただけたでしょうか?
資金をいかに効率よく利益に変えているかという視点に基づいて考えているのが経営効率であり、それを測る指標が、ROAになります。
経営効率(ROA)よりも大切なこと
ところで、3,000万円の現金預金を持っていて、3,000万円とも投資してしまったら、運転資金がなくなり、経営としては間違いなのではと思われた方、正解です。
今回は経営効率のお話でしたので割愛しましたが、有り金すべてを投資に回してしまったら危険ですよね。
次回は、運転資金の考え方についてご説明させて頂きます。