貸借対照表では企業の安定性を確認することができます。
事業の経営者がわかっていると便利な貸借対照表の見方、考え方のポイントを簡潔にまとめています。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は『企業の安定度をみるための貸借対照表の数字』です。(編集前のメルマガは2015年5月6日(水)に配信されています)
この記事の目次
貸借対照表とは何かの復習です。
貸借対照表の最大のポイントといえば自己資本比率です。
→【VOL50】貸借対照表で見るべき大事な数字:自己資本比率とは?
そして、貸借対照表はどうやってお金を調達してきたか(右側の負債と資本)、そのお金をどう運用しているか(左側の資産)を表すものだというのことはご説明させて頂きました。
→【VOL48】貸借対照表とは?BS経営のための貸借対照表の読み方の基礎
更に、貸借対照表は左(資産)も右(負債・資本)も資金の流動性の高いものから順に並んでいるということもご説明しました。
→【VOL52】一目でわかる!簡単な貸借対照表のポイントは資金の流動性です。
貸借対照表を簡単に見るポイント
つまり、左側の資産は換金性の高いもので早いものから順に上に並んでいて、右側の負債・資本は支払の早いものから並んでいるということです。
結果として、左側の資産は上にある科目の金額が高ければ高い方が、右側の負債・資本は下のほうにある科目の金額が高ければ高い方が、良い貸借対照表ということになります。
その代表例が流動比率であり、自己資本比率です。
流動比率で考えると
例えば流動比率は、
流動資産÷流動負債
という算式で計算され、流動比率が高ければ高いほど良いとされています。
つまり左側(資産)の一番上である流動資産が多くて、右側(負債・資本)の一番上である流動負債が少なければ比率が高くなるので、良い貸借対照表となるわけです。
自己資本比率では?
また、自己資本比率は、
資本の部÷総資産
で計算され、同様に高ければ高いほど、良いとされています。
資本の部とは右側の下の数字の合計であり、総資産とは貸借対照表全体の合計額です。
合計に占める右下の数字が大きければ、良い貸借対照表ということになるわけです。
貸借対照費用でわかる企業の安定度
普通に考えればわかりますが、流動資産(1年以内に入金するお金)と流動負債(1年以内に支払するお金)の比率ですから、当然1年以内に入金するお金が多ければ、安定した企業です。
また、総資産とは、資本(返済不要のお金)と負債(返済が必要なお金)の合計ですから、その合計のうち資本(返済不要のお金)が多ければ多いほど安定した企業であるというのは、簡単な話です。
企業の安定性を見る貸借対照表の代表的な指標
同様の数字として、様々な指標がありますが、金融機関の企業評価をする際に使われている数字をご紹介させて頂きます。
・自己資本比率「自己資本÷総資産」
・ギアリング比率「有利子負債(短期・長期借入金社債等)÷自己資本」
・固定長期適合率「固定資産÷(固定負債+自己資本)」
・流動比率「流動資産÷流動負債」
次回は、「ギアリング比率」「固定長期適合率」についてご紹介させて頂きます。