預り金という勘定科目をご存知でしょうか?
名前の通り他人または他社から預かっているお金のことですが、どんな内容のものがあって、金融機関が融資の審査をする際にどこをチェックするのかをまとめました。
この記事の目次
預り金とは?
預り金にはどういう内容のものがあるかというと
預り金の具体的な例
・従業員のお給料から預かった源泉所得税や住民税、社会保険料
・個人への外注などの報酬に関する源泉所得税(例:税理士、社会保険労務士、デザイナー、作家など)
詳しくは国税庁のホームページをご覧下さい
→No.2792 源泉徴収が必要な報酬・料金等とは
・消費税
・その他、他社や他人から一時的に預かったお金
預り金の特徴
「預り」ですから、返す(支払の)必要があるということです。
例えば、従業員から預かった源泉所得税であれば、預かった月の翌月10日までに税務署に納付しなければいけません。(常時従業員10人未満の小規模事業者は特例で半年に1回まとめて納付することも、税務署に届け出ることで認められています)
長く事業をしてきた方であれば、源泉所得税の納付や社会保険の納付はもちろん、消費税の納付に資金繰り面で苦しんだことがある人もいるかもしれません。
しかし、あくまで他人から預かったものであるというのが、税務署や金融機関の考え方です。
余談ですが、税務署の徴収も、法人税や所得税など利益に対して税金をかけているものより、他人から預かっているものである消費税や源泉所得税の徴収を厳しくするという噂もあるくらいです。
融資審査で預り金が問題になるケース
「預り金はあくまで他人から預かったもの」という基本に基づくのですが、預かったものを返せなかった場合に融資審査の際に問題になります。
預り金を運転資金に流用してしまったケース
預かったお金を仕入代金の支払に使ってしまったり、家賃の支払に使ってしまったりしてしまうケースです。
ただ、お金には色がついていないので、具体的にどれが預かったお金なのか、どれが借りてきたのか、どれが利益で稼いだお金なのかはわかりません。
具体的には、預り金の支払期日までに支払がされておらず、預り金が増えてしまっているケースです。
例えば源泉所得税であれば、預かった翌月の10日までに支払わなければいけないのに支払えていないなどの場合をいいます。
預かったお金すら払えない、預かったお金を流用した、つまり資金繰りに相当困っていると見られるということです。
一方で預り金の残高に対して現金預金の残高が少ない場合、実質的には預かったお金を運転資金に流用していることとなりますが、直接的に問題になることはありません。
間接的には、流動比率などがわるくなるため、信用格付けに影響してきます。
信用格付けについてはこちら
→金融機関(銀行)の融資審査の最大のポイント、信用格付けを徹底解剖
預り金の支払ができなかった場合どうしたら良いのか?
払えるのであれば即刻支払うことです。
すぐに払えない場合には、支払先との支払遅延または分割の同意書等があると金融機関の評価は少しだけですが良くなります。
例えば、源泉所得税や消費税で税務署との間に債務承認書や分割支払計画書があるなどです。
支払が遅れているが、支払う意思があり、相手先の同意を得られているという事実が大切となります。
但し、税金の滞納などは限りなく融資審査にはNGとなりますので、資金繰りに困ったら何から支払うべきか、優先順位を間違えてはいけません。
どういうものが融資審査の際にNGになるかはこちらから。
→うっかりやってしまいそうな借入がNGになる8つの行為。
編集後記
通常であれば、それほど見られる項目ではありませんが、異常に金額が多いとか、支払期日を過ぎているものが残っているなどの場合問題になります。
変な誤解を招かないためにも、何でも預り金ではなく、未払金や未払費用などの適切な科目を使うことも方法の1つです。
どの科目を使うかで信用格付け等も変わってきますので、専門家と相談して慎重に判断して下さい。