重要な数字
貸借対照表や損益計算書にはたくさんの数字が並んでいて、頭が痛くなってしまうと思います。
しかし、長期事業計画を立てる上でまっさきに大事なのは利益計画です。
昨今では、利益を出さない経営などが話題ですが、対比させながら利益の重要性についてお話させて頂きます。

今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。

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このメルマガはシリーズものになっていますので、

【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字

からお読み頂くことをお勧めします。

重要な数字

今回は「長期事業計画を立てる時に重要である利益の考え方」です。(編集前のメルマガは2014年08月13日(水)に配信されています)

重要な数字

復習!まず経営者が見るべき数字とは?

まずは前回の告知通りに長期計画を立てる時に重要な数字について解説します。

思い出して頂きたいのは、記念すべき第1回目のメルマガである、

【VOL1】起業したら真っ先に見るべき会計の3つの数字
http://kigyo-jyuku.asia/125/zaimu-merumaga1-inportant-number/

でお伝えしました「3つの数字」です。

・・・

・・・

・・・

はい、答えは、

税引き後損益、役員報酬、減価償却費

でしたね。

そう、長期計画を立てる上でもこの数字はとても大切になります。

できれば見たほうが数字

更に付け加えて言えば、売上高、粗利益額、営業利益、経常利益という各種利益の数字、粗利益率、労働分配率、損益分岐点比率、1人あたり○○といった管理指標、更には人件費、そして、貸借対照表からは、現金預金の残高と借入金の残高、更には毎月の借入返済額といった数字が重要となってきます。

特に重要な数字は?

その中でも特に大事なのが、利益です。

なぜ利益を出さなければいけないのか

まず、何のために利益を出さなければいけないのか?
(この場合の利益とは、代表者が多めに役員報酬をもらい、個人的に貯めておくなどの実質的な余剰金のことであり、貸借対照表や損益計算書上に現れる表面上の利益の話だけではありません)

最近流行っている利益を残さない経営の本質とは?

昨今では、アマゾンに代表されるように、利益を出さない経営、もう少し正確にいうと利益を次の投資へ回すことで、利益を残さない経営を推奨する流れがあります。

また、

「赤字って本当にいけないことですか?」
http://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m000323.html
という記事が書かれたり、

「グノシー、500万DL突破 赤字14億円も「想定通り」」
http://news.yahoo.co.jp/pickup/6129727

というニュースが流れたりしています。

それでも利益は必要です

この記事を全部同じ感覚で、利益は投資に回すから赤字で良いんだと考えているとしたら大きな間違いです。

この3つの記事は同じように見えて、全く状況が違う環境、経営方針の会社です。

どの記事も中小企業で当てはまるところは数少ないと思います、本質をしっかり理解していないと危険です。

そういう意味で素人が真似をすると大失敗します。
(損益と資金繰りの違い、投資したからといってすべて経費になるわけではないし、経費になるタイミングとお金を払うタイミングは違うということ、お金が増えるといっても税金がかかる増え方とかからない増え方がある等は、最低限知っていなければできません。このあたりは後日詳しく解説します)

もちろん事業の成長のためにいくら投資をしていくかは事業をする上で大切なことで、計画を立て管理をしていく数値です。

額面通り鵜呑みにして本質を読み間違えてはいけません

しかし、こんなメディアで取り上げられた内容を鵜呑みにするのではなく、現実的に考えていきましょう。

例えば、収入が年間3,000万、経費が2,500万の会社が1,000万の投資をしたら、利益は▲500万円になります。(簡単にするために投資はすべて経費になると仮定します)

当然資金も▲500万ですから、借入500万が必要となります。
仮に5年で借りたとしましょう。

翌年、投資の成果があり150%の成長をし、収益が4,500万、経費が3,750万になりました。当然利益は投資に回す経営なので、1,500万投資します。
結果利益は、▲600万です。

更に資金は前年に借りた500万の返済が100万円ありますから、利益▲600万と返済▲100万円で▲700万円の資金が足りなくなります。

借入をしたいところですが、2期連続赤字の会社にお金を貸してくれる金融機関が果たしてどれだけあるでしょうか?

仮に借りれたとしても、毎年こんな経営をしていたら、どうなってしまうかは想像がつくと思います。

短期的な赤字は長期的構想と確かな戦略があるから許される

例えば、Gnosyであれば成長性を評価して投資家からお金を集めることができるかもしれません。

でも中小企業では無理です。

更に最終的に赤字のままでも事業の価値を評価してもらって事業売却(バイアウト)で赤字以上の金額で売ることも可能です。

しかし、中小企業でそこまでの未来を想定して経営している企業は稀ではないでしょうか?

もう1つは、経営者自身もしくは、オーナーがお金持ちであるという場合に可能です。

金融機関に頼らず、ある目標規模まで成長するまで、自己資金を投入し続けるという方法がとれます。

しかし、多くの中小企業経営者はそんな恵まれた環境にいるわけではないと思います。

事業を継続させるために利益は絶対に必要なものです。

結果、利益をだし、金融機関に評価されながら事業を展開しなければいけませんし、利益を資金として蓄積し、いざという時に備えなければなりません。

事業が好調な時も不調な時も、未来に対して投資していかなければ、すぐに事業はうまくいかなくなってしまいます。

上記のお金持ちだったらいくら赤字になっても投資できるという話ではありませんが、利益を資金として蓄積しておけば、多少なりとも同じようなことができるわけです。

つまり、「事業を継続させるために利益は必ず出さなければいけないもの」なのです。

流行り廃りで短期的に考えて赤字でも良いなんて考えてはいけません

利益の大切さはわかって頂けたでしょうか?

次回は長期事業計画(数字)の立て方についてお話させて頂きます。

最後に

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