年始の1月は、実は企業や事業主にとってたくさんの提出物があります。
年末年始休みの後なので、時間が無いように感じますが、忘れずに期日内に提出しましょう。
今回は、1月が期限のものをまとめてみました。
参考にしてみてください。
この記事の目次
法定調書
法定調書というものをご存じでしょうか。
経理や人事なら知っている人も多いけれど、実は一般の社会人でもほとんどの人が知りません。
しかし、この法定調書、全事業主と企業に提出義務があります。
法定調書とは、支払調書などの各調書の控えとその合計表を税務署に提出する行為を一般的には法定調書といいます。
調書の種類は、所得税法、相続税法、租税特別措置法などによって、税務署に提出が義務付けられている書類群のことです。
所得税で規定されている法定調書だけで、実に44種類もあります。
ここで、すべてをご紹介することはできないので、その中から、経営者に関係するものだけを選びたいと思います。
A)国税の主な法定調書
①源泉徴収票
昨年1年の社員の給与から天引きした所得税を一括して、企業が支払います。源泉徴収票がこの時に作成されます。
②退職所得の源泉徴収票
法人の役員などに対して退職手当、一時恩給その他のこれらの性質を有する給与などの支払いをした場合に作成し、提出します。
③報酬、料金、契約金及び賞金の支払調書
弁護士や税理士などの報酬、料金、契約金及び賞金の支払をした場合に作成し、提出します。
④不動産等の使用料などの支払調書
不動産などの使用料を支払った法人や個人の不動産業者が作成し、提出します。
⑤不動産等の譲り受けの対価の支払い調書
不動産などを購入した法人や個人の不動産業者が作成し、提出します。
⑥不動産等の売買又は貸し付けのあっせん手数料の支払い調書
不動産売買や賃貸に関する手数料を支払った法人や個人の不動産業者が作成し、提出します。
これら、6点の提出期限は、支払を行った翌年の1月31日です。事業所などの所在地を所轄する税務署長に提出します。
その時には、「給与所得の源泉徴収票等の法定調書合計表」を作成し、添付して提出します。この法定調書合計表についても詳しい書き方があります。また、書類の綴じ方の順番もきまっていますので、確認が必要です。
*法定調書の種類ごとに1000枚以上の法定調書については、光ディスク等やe-Taxによる提出が義務化されています。
住民税
B)地方税の主な法定調書
①給与支払報告書
これは、「給与所得の源泉徴収票」と同じ様式です。
いわゆる住民税の申告と呼ばれるもので、市区町村が住民税を計算するために基礎資料としています。
②特別徴収票
これは、「退職所得の源泉徴収票」と同じ様式です。
これらの提出書類には、「給与支払報告書 総括表」をまとめとして添付し提出します。この場合には、大抵の市町村で前もってその様式が送付されます。
ここに、提出義務者の番号などが記載されていることが多く、この様式を使用することを推奨しています。
給与支払報告書などは、事業所の所在地ではなく、受給者の1月1日現在の住所地の市町村に提出します。
そのため、社員の住所地へそれぞれ提出することになります。
この給与支払報告書などを基に、個人の住民税が決定されるため、大変重要な資料となります。
これによって、1月1日以降に支払う住民税が計算され、決定されます。前年度の収入が高いと、その次の年の収入に関係なく、高い住民税を支払うことになるのは、こういった計算の仕組みになっているからです。
償却資産(固定資産税)
固定資産税は土地・家屋のほか償却資産についても課税されます。
償却資産とは土地・家屋以外の事業で使うことができる資産のことです。
この場合には、1月1日現在の資産の状況について申告することになります。
大抵の場合は、前年12月に各市町村から、申告書類が送られてきますので、そちらに記入して提出します。
1月31日が期限です。
労務関連提出物
いままでは、税金に関する提出書類をご紹介してきました。ここからは、労務関連の提出書類についてご紹介します。
労働保険一括有期事業開始届
労働保険とは、労災保険と雇用保険を足した呼び名です。
これは、法律できめられた必ず加入しなくてはいけない保険です。
労働者を一人でも雇っていれば、加入手続きをしなければいけません。
一括有期事業開始届というのは、建設業などで期限のある事業で、その他の条件をみたせば、一度にその申告を行えるというものです。
この届は毎月1回10日に提出することが決められています。
労働者死傷病(軽度)報告期限
労働災害がおこったときに、その程度が比較的軽く4日未満の休業をした時に行う報告です。
これは、労働基準監督署に提出します。
4日未満の休業の場合は、その都度報告する義務はなく、3か月ごとにまとめて行うことができます。
1月末がその期限です。
編集後記
いかがでしょうか。
税務関連、労務関連ともに1月には提出すべき書類がたくさんあります。
また、税金など納めるべきもので納付期限が1月中だというものもあります。
マイナンバーを記載することが必要な書類もでてきますので、早めにチェックする必要がありそうですね。
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