昨今の好景気の影響からか、新卒採用市場は大変に激化しております。
しかし、新卒採用が激化している要因は、もう一つあります。
従来大学3年生の12月に大手ナビサイトがオープン。
大学4年生の4月に大手企業の採用が開始となっておりました。
しかし、2016年度からは大学3年生の3月に大手ナビサイトがオープン。
大学4年生の8月から大手企業の採用が開始となっております。
こうした外部環境の変化のなか、中小企業の採用に関しては、早めに内定出しをしても、大手の選考が開始されるまで保留されてしまうという、苦しい状況に立たされています。
この記事の目次
採用に現場社員を巻き込む
現代の新卒採用において一つのポイントとなるのが、現場社員の採用への巻き込み。
早い段階で「働くイメージ」を醸成することで、決意を固めてしまうのです。
しかし、慢性的なマンパワー不足に陥っている中小企業では、現場社員の巻き込みは非常に困難かと思います。
そこで本日は、現場社員を新卒採用へと巻き込むことの3つのメリットについて、ご紹介いたします。
メリット1:無垢な学生からの反応で自信をつける「サンクス効果」
まず初めの効果としては、社員の自信を付ける、もしくは自身が行っている事業や仕事の意義を見つめ直すことができるということです。
現場社員を巻き込む場面と言うのは、大きく「企業説明会での座談会」か「リクルーター」としての起用という形が多いかと思われます。
そこで社員は、自身の仕事がどのように社会やお客様へ貢献しているのかを語ることが求められます。
自信がいつも行っている業務の意義を整理し、知識のない学生に分かりやすい言葉で落とし込む。
実は、その作業こそが、自身の仕事に対するモチベーションを上げる秘訣の一つなのです。
また、そうした社員の話を聞いた学生は、何も知らない無垢な状態です。
キラキラとした目で「凄いですね!」と言ってもらえることで、社員は自身が受け持っている業務の意義を、改めて認識することができるのです。
メリット2:語ったからには実行が求められる「ラダー効果」
そうして社員は自身の仕事や職場環境について、学生に語ります。
しかし、その内容にはマイナス面を改善したい、こんな仕事をしたいという「未来への意志」が多分に含まれているのです。
「自分が魅力を語って入社を決意する学生がいる中で、実行しなければ嘘をついたことになってしまうな。」という意識が、新卒採用に携わる社員には自然と生まれます。
そうして、日々の自信の言動を振り返り、改める。
これこそが二つ目のメリットである「ラダー効果」なのです。
人は、意図しない形で他人に嘘をついてしまうことを嫌います。
また、他人に格好悪い姿を見られてしまうことも嫌います。
そうした人間の心理をうまく利用することが、社員自身の言動や職場環境を変える結果に結びつくのです。
メリット3:会社の未来をつくる「当事者意識の醸成」
最後にご紹介するのは、新卒採用とは、会社の10年後をつくる活動であるということ。
現場社員は、ともすれば目の前の業務に追われがちになってしまうもの。
そうした環境の中で、当事者意識を持って取り組むことは難しくなってしまうのです。
「自分が責任を持ち、会社の10年後を生み出しているんだ」と言う意識を現場社員に醸成することができることで、社員の視点は「現場」レベルから「経営」レベルに引き上げられます。
採用に携わる社員全員が経営視点を持つこと。その影響の大きさは、経営に携わられている方であれば予想することが難しくはないかと思います。
現場社員を巻き込まれる際に、一番重要となるのが「みんなが会社の10年後を作るんだ」というメッセージの投げかけとなるのです。
編集後記
いかがでしたでしょうか。
マンパワーが不足している中で現場社員を採用へ巻き込まれることは、大きな負担となるかと思います。
しかし、それ以上の効果が見込まれる、とても大切な活動になることは間違いありません。
うまく現場を巻き込みつつ、厳しい外部環境のなかでも新卒採用を成功に導きましょう。