長期借入金を含め、借入金について見られるポイントは決まっています。
金融機関からの借入金であれば原則として問題となりませんが、金融機関以外からの借入先があると、どういう借入金なのか見られることになるので、注意が必要です。
この記事の目次
金融機関が気になる借入先とは?
・個人名義の借入(経営者や役員からのものを除く)
・借入先が明らかに高利と思われる会社名
・金融機関以外の会社名
借入金のポイント
長期借入金も短期借入金も含め、決算書のチェックの際にも、新規借入の際にも金融機関が着目するポイントはほぼ一緒です。
借入先との関係
個人名や金融機関以外の名前が記載されていたとしても、役員であったり、関連会社であったりする場合にはそれほど問題になりません。
高利の会社はもちろん、得意先や仕入先からの借入、親族や株主からの借入の場合には、念入りにチェックされることとなります。
資金使途
何のための借入なのか、例えば、設備投資のためなのか、資金繰りのためなのかを確認されます。
設備投資であっても、なぜ金融機関ではなく、金融機関以外からの借入の場合には、なぜ金融機関から借りなかったのかを問われることとなります。(経営者本人からの借入の場合は問題となりません。)
資金繰りのためであれば、入金と支払のタイミングによる一時的な借入金なのか、恒常的な資金不足によるものなのかをチェックされます。
借入の時期と借入金額
資金使途の説明と資金の借入の時期と借入の総額があっているかを確認されます。
設備投資のための借入であれば、設備投資した時期と金額が合っているかを見られることとなります。
また、現在の借入金の残高と比較して、借入の返済がされているかの確認も合わせてされることとなります。
借入の担保や保証人の有無
借入は無担保でされているのか、何か担保を差し入れているのかを確認されます。
手形や小切手を渡すかわりに借り入れしている場合には注意が必要です。
手形や小切手を渡した相手とどういう約束になっていても、それを知らない第3者に渡ってしまえばその約束は無効になってしまうからです。
特に先日付小切手の場合には、その先に設定した日付に関係なく金融機関に持ち込んだ時点で換金できてしまうので、危険です。
20日までに資金繰りができると思い、20日付けの先日付小切手を降り出していたとしても、10日に小切手が金融機関に持ち込まれてしまえば、額面金額を決済しなければいけないこととなります。
返済の方法
毎月返済なのか、1年に1度の返済なのか、または期日に一括返済なのか等を確認されます。
資金使途と合わせて、一時的な資金繰りのタイミングなのに、毎月返済していれば、話のつじつまが合わないこととなりますので、その理由を聞かれることとなります。
法人や個人の不動産の調査
借入の担保の有無と合わせて、不動産の調査をされます。
登記簿謄本を見ればどこの担保に入っているのかをしっかりと把握できますので、借入の担保の有無の話と一致するかを見られます。
金融機関が気にしていること
金融機関以外からの借入をしている場合に、本当に気にしていることは何かというと以下のこととなります。
本当に一度きりの利用なのか?
1回きりの利用であれば債権の見込みありと見られるケースが多いですが、継続して何度も借りている場合には資金繰りが恒常的に難しい状況であると見られます。
また、借入金の返済実績がない場合にも借りっ放しのお金ということになりますので、相手先がどういう人なのか、担保は何か、金利はどうなっているのかなどを見られます。
営業に必要なものが担保になっていないか
工場や本社の不動産や機械などが担保になっていないか等、返済できずに売却されてしまった場合に営業困難になるようなものが、担保になっていないかをチェックされます。
編集後記
高利貸しから借りたお金を友人、知人の名義に偽装するようなケースもあるようなので、金融機関以外の名義の借入があると警戒されるケースが多いようです。
経営者名義の借入であれば、それほど問題になることはありませんが、金融機関及び経営者以外の名義の借入には神経質になっている金融機関が多いので、どうしたら避けることができるのかを日々の経営の中で考えていくことが重要ではないでしょうか?