貸借対照表が読めるようになり、目標貸借対照表を作れるようになると、経営の考え方が変わります。
まずは利益計画を作ったら、未来の貸借対照表をシミュレーションできるようになりましょう。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は『目標貸借対照表の作り方』です。(編集前のメルマガは2015年3月25日(水)に配信されています)
この記事の目次
今回も例題で考えてみましょう
今回もまた同じ例題を使ってみます。
売上が月150万円、仕入が月100万円の会社で、売上の入金サイトが2ヶ月、仕入の支払サイトが1ヶ月、買ってから売れるまで在庫になるのが1ヶ月分とします。
そうすると、年間の売上高が1,800万円、仕入高が1,200万円、利益が600万円となります。
損益計算書にすると
売上高1,800万円
仕入高1,200万円
利益 600万円
となりますね。
では、貸借対照表にするとどうでしょうか?資本金(元手)を300万円の会社だと過程しましょう。
ここまでは前回と同じです。
この情報だけで貸借対照表を作ってみると?
現金預金…現状では、計算不能です
売掛金…月売上150万円×2ヶ月=300万円
商品…月仕入100万円×1ヶ月=100万円
買掛金…月仕入100万円×1ヶ月=100万円
資本金…300万円
利益…損益計算書より600万円
となります。
貸借対照表は資産=負債+資本である
ちょっと専門用語が入りますが、貸借対照表は貸と借が対照、つまりイコールになるので、貸借対照表と言います。
借とは借り方=資産、と、貸とは貸し方=負債と資本のことです。
つまり、
現金預金(?)+売掛金(300万円)+商品(100万円)=買掛金(100万円)+資本金(300万円)+利益(600万円)
となるわけです。
結果として、現金預金は600万円になりますね。
貸借対照表にすると以下の通りになります。
貸借対照表にすると
(資産の部)
現金預金 600万円(差し引きにて計算)
売掛金 300万円(2ヶ月分の売上が未入金)
商品 100万円(1ヶ月分の仕入が在庫)
◆資産合計 1,000万円
(負債の部)
買掛金 100万円(1ヶ月分の仕入100万円が未払)
◆負債合計 100万円
(資本の部)
資本金 300万円
利益 600万円(損益計算書の利益より)
◆資本合計 900万円
◆負債・資本合計 1,000万円
目標貸借対照表と利益計画の関係
この計算の仕組みがわかると、来年の利益計画を立てると自然と来年の目標貸借対照表も作れることとなります。
まずは、利益計画から目標貸借対照表を作れるようになりましょう。
その次にステップは目標貸借対照を作り、それを達成するための利益計画をつくれるようになることです。
貸借対照表とは?
ところで、貸借対照表の資産とは何なのでしょうか?
1つの考え方としては将来現金になるものと考えることができます。
売掛金300万円のうち、150万円は翌月入金になるわけですし、商品は翌月には売れることで売上となり、2ヶ月後には入金されます。
一方、負債は将来出金するものです。
買掛金の100万円は来月には支払になるわけです。
貸借対照表を見る目的は?
しかし、よく考えて見て下さい。
売掛金300万円がいつ入金になるのか、買掛金の150万円がいつ出金になるのか、入出金のサイトを知らないとわかりません。
それを理解するためであれば、貸借対照表より資金繰り表のほうが良いのではないでしょうか?
それでは貸借対照表は何を見る為に存在するのでしょうか?
次回は貸借対照表の見方について説明致します。