前回は抵当権と根抵当権の違いでしたが、そもそも不動産の担保価値が評価されているかを知っていますか?
どう評価されているか知ることができれば、交渉材料にもできますし、今より上手に金融機関とつきあっていけるはずです。
金融シリーズの担保編も第3弾ですが、前回までの内容を確認しておきましょう。
そして今回は、日本ではまだまだ担保として他のものに比べて効力の高い不動産について、その評価方法と、不動産の中でも金融機関が担保にするのを嫌がるものを確認していきましょう。
この記事の目次
担保価値計算の仕方
金融機関の一番大好きな担保は不動産です。
理由は簡単、動かせないものなので、隠すこともできませんし、建物のように作ったあと老朽化が進んで価値が下がっていくものではないからです。
金融機関はなぜ担保をとるのか、これは「①金融機関はなぜ担保を求めるのかでご説明しましたが、借入金を借りたお金を返済できなくなった場合に、物的担保を売却して返済してもらうためです。
つまり、不動産でも出来る限り売りやすい不動産のほうが良い訳ですね。
では、本題の担保価値の計算の仕方ですが、意外と考え方は簡単でも、計算の仕方は複雑なので、考え方を覚えて頂ければと思います。
時価×掛け目=担保価値です。
時価はどうやって計算するか
時価は1平方メートルあたりの地価×面積=土地の時価と定義されることが多く、ほとんどの金融機関がこの計算方法をとっています。
では地価はどうやって調べたら良いのか?
一般的には公示地価、路線価、固定資産税評価額の順で使用します。
公示地価のあるところは公示地価を、公示地価がないとこで路線価があれば路線価を、公示価格も路線価もなければ固定資産税評価額をという順番で計算するのが一般的になります。
固定資産税評価額は不動産がもっていればかかる固定資産税の計算の基礎になるものですから、ない不動産というのは原則ありません(実際にはあるようですが…)
そして調べ方は簡単、このサイトで探せば大丈夫です。
全国地価マップ:http://www.chikamap.jp/
注意点は、
公示地価は、実際の地価の90%くらいの金額、
路線価は、70%〜80%、(公示価格の80%程度)
固定資産税評価額は、60%〜70%(公示価格の70%程度)
に設定されていると言われます。
掛け率の計算の方法
掛け率は金融機関によってその金融機関ごとにルールがありますが、おおむね70%くらいと考えておけば間違いありません。
実際の例題で土地の担保価値を計算してみましょう。
どこでも良いのですが、
さっきの全国地価マップのサイトを見た結果、仮に路線価が18万円能登地をで150平方メートル持っていたとしましょう。
18万円×150平方メートル=2,700万円
2,700万円÷70%=約3,860万円(路線価は実際の実勢価格の70%〜80%程度なため)
約3,860万円×70%=2,700万円(金融機関の掛け率は70%程度なため)
となり、2,700万円の担保価値のある不動産を持っていることになります。
金融機関から融資を受ける際に、不動産の担保をお願いされた場合の参考や交渉材料にしてみて下さい。
金融機関が担保にするのを嫌がる不動産
金融機関がなぜ担保をとるのかというところでもお話をしましたが、借り主が借入金を返済できなくなった時に売却等して借入金の返済にあてるために担保をとるわけですから、売却しにくい不動産は嫌がります。
どういう不動産が売却しにくいか列挙してみましょう。
・公共のものに使用している不動産(学校や公園等)
・他人との共有不動産
・訴訟中または紛争中の不動産
・買い戻し特約の登記がされている不動産
・その他、売却が困難と思われる不動産(飛び地、土地の形が複雑、田舎、農地法の制限がある等)
編集後記
担保編いかがだったでしょうか?
なぜ担保をとるのか?
担保にはどういう種類があるのか?
担保はどう評価されているのか?
これがわかるだけで金融機関と上手につきあっていけると思いませんか?
次回は金融機関が一発で融資をしなくなってしまうNG事項をご紹介致します。