売上なくして事業の継続はできません。
彼のドラッカーも著書:「マネジメント[エッセンシャル版] – 基本と原則」のなかで、「企業の目的=顧客の想像」と定義しております。
つまり、企業にとって最大の問題点は仕事がないということです。
全ての「企業戦略」は「誰に何を提供するか?」というところから始まります。
その一部である「営業」マインドこそが「経営者」マインドの1つであり、経営にとって最も大切なことです。
この記事の目次
経営者に求められる「営業」能力とは
企業活動は様々なアスペクトを有しています。
そのすべてが必要不可欠なものです。
しかし、経営者の視点から優先順位をつけるとしたなら間違いなく「営業」が最初に挙げられるはずです。
その他は、ほぼすべてがアウトソーシング可能であるといってもいいでしょう。
もし「営業」をアウトソーシングするとしたら、それは下請け化を意味するからです。
ここで言う営業とは、営業行為の中の部分的パフォーマンスを指すのではなく営業を起案し、戦略的方法論を検討し、遂行における管理手法を構築し、着手から完遂までの工程管理を行うという一連の企画を完遂までのプロセスを指します。
奇想天外な発想のイノベーターであること
プロダクト・ライフ・サイクルや売り上げ動向など、既存商品や既存サービスには市場に投下されてからしかるべき時系列におけるサイクルを有します。
どんなに優れたものであろうと、必ず衰退期を迎えます。
経営者に必要なのは、花形商材の現在のパフォーマンスに慢心せず、常に市場の動向を捉え次の商材を開発する先見性です。
既存の商材でしのぎを削るのではなく、独自の商材を開発してマーケットを切り拓くのが最も確実な営業の手法です。
経営者に求められる営業センスとは、立て板に水のごとくセールストークを炸裂させる「トップ・セールスマン」になることではなく、何をどう売るべきなのかを示唆するイノベーターとしての能力です。
シビアなエクセキューションを追求する異端児であること
商材の決定、開発、製作、デストリビューション、プロモーション、カスタマー・コントロール、コンプライアンスなどなど、いざ着手するとなるとその多岐にわたる業務の量に気後れして、妥協をしてしまいがちです。
それでは経営者のリーダーたる意味がありません。何よりも重要なのは、市場に出すタイミングはいつが理想的かということです。
それを中心に据えて、他のすべてはそれに基づいてアレンジされていくべきです。
企業という組織において、困難を極める場合がありますが、経営者としては決して諦めずに理想的市場投入時期を最優先させるべきです。
経営の視点からは、妥当な時期設定を唱える従業員よりも、理想的時期設定に必死で対応する従業員こそが会社の浮沈を握っているという事実を認識するべきです。
全社を向こうにまわしてでも自らの理想を追求する異端児であることを恐れては、営業の第一歩から躓いているのと同じです。
常にトップを目指す野心家であること
常に最高のパフォーマンスを求め続けること。
他との競争ではなく自己における最善を追求することにより、ひいてはトップであることを追求する野心を絶やさないことです。
経営者の望むものが従業員に繁栄し、企業の姿に投影されていくわけです。つまり、経営者自身のあり方が、企業のあり方そのものなのだということを認識する必要があります。
このモチベーションを失った時に、企業は存亡の危機を迎えます。
企業活動とは、役員会におけるパワーゲームではありません。
経営者がいかに理想を伝え、企業という組織を通して市場ひいては社会においてその理想を具現化していくかということです。
常に刷新・革新を求める強い指導力が次々と「営業」プランを生み出し健全な新陳代謝のある企業活動が営まれ続けるのです。
編集後記
経営者にとって、最悪の状況は商材が売れない、売るべき商材が無い、何を商材としたらよいか分からない、つまり仕事が無いという状況です。これは全て「営業」活動の滞りに起因します。営業活動の弛まぬ継続こそが、企業の存続を可能にします。
経営者とは企業における羅針盤です。
経営者のなすべき「営業」とは、自らの理想を追求し、理想を具現化する手法を構築し、遂行することです。