昨今良く言われるBS経営ですが、貸借対照表の理解が必要です。
事業計画を立てる際には、利益計画しか立てないケースが多いですが、本当にBS経営を目指すのであれば目標貸借対照表も作るべきです。そのヒントになれば幸いです。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は『未来の貸借対照表をつくってみよう!』です。(編集前のメルマガは2015年3月18日(水)に配信されています)
例題はいつも通りです
今回もまた同じ例題を使ってみます。
売上が月150万円、仕入が月100万円の会社で、売上の入金サイトが2ヶ月、仕入の支払サイトが1ヶ月、買ってから売れるまで在庫になるのが1ヶ月分とします。
そうすると、年間の売上高が1,800万円、仕入高が1,200万円、利益が600万円となります。
損益計算書
損益計算書にすると
売上高1,800万円
仕入高1,200万円
利益 600万円
となりますね。
貸借対照表
では、貸借対照表にするとどうでしょうか?資本金(元手)を300万円の会社だと過程しましょう。
(資産の部)
現金預金 600万円
売掛金 300万円(2ヶ月分の売上が未入金)
商品 100万円(1ヶ月分の仕入が在庫)
◆資産合計 1,000万円
(負債の部)
買掛金 100万円(1ヶ月分の仕入100万円が未払)
◆負債合計 100万円
(資本の部)
資本金 300万円
利益 600万円(損益計算書の利益より)
◆資本合計 900万円
◆負債・資本合計 1,000万円
資産の合計と負債資本の合計が一致するので貸借対照表と呼ばれているのですね。
なぜ貸借対照表がこうなるかがわかると、良く言われる貸借対照表が読めるということになります。少しずつお伝えしていこうと思います。
翌年の貸借対照表を予想しましょう
さてこの取引が2年目は2倍になるとすると
損益計算書
売上高 3,600万円
仕入高 2,400万円
利益 1,200万円
となります。
貸借対照表は
(資産の部)
現金預金 1,500万円
売掛金 600万円(2ヶ月分の売上が未入金)
商品 200万円(1ヶ月分の仕入が在庫)
◆資産合計 2,300万円
(負債の部)
買掛金 200万円(1ヶ月分の仕入100万円が未払)
◆負債合計 200万円
(資本の部)
資本金 300万円
前年利益 600万円(損益計算書の利益より)
今年利益 1,200万円
◆資本合計 2,100万円
◆負債・資本合計 2,300万円
となり、現金預金は600万円から1,500万円になり、資金繰りはうまくいく結果となります。
貸借対照表のシミュレーションの仕方
これが未来の貸借対照表をシミュレーションする時の基本的な考え方となります。
今ある損益計算書と貸借対照表から、月商売上1,800万÷12=150万円と算出し、貸借対照表の売掛金300万円÷月商150万円=2ヶ月と計算できますね。
その上で翌年の売上目標が2倍なら月商も2倍になるはずなので、月商300万円×2ヶ月=600万円の売掛金になるというのが予測できます。
同じように買掛金や在庫もシミュレーションできます。
次回は更に詳しく計算の仕方をお伝えしていきます。