お金がなぜ増えたのか、減ったのか、理由ごとに色がついていればわかりやすいのですが、実際には色がついていません。
そんなお金の増減に、営業・投資・財務の3色をつけてわかりやすくしてくれるのがキャッシュフロー計算書です。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は『お金に色をつけるのがキャッシュフロー計算書の役割?!』です。(編集前のメルマガは2015年7月1日(水)に配信されています)
この記事の目次
フリーキャッシュフローとは
キャッシュフロー計算書は、損益と実際のお金の増減の違いの原因を、「営業活動によるキャッシュフロー」、「投資活動によるキャッシュフロー」、「財務活動によるキャッシュフロー」の3つにわけて分析する表のことを言います。
その中でフリーキャッシュフローとは、損益に「営業活動によるキャッシュフロー」と「投資活動によるキャッシュフロー」の増減を加味した金額のことをいいます。
つまり、お金の増減から、借りてきたお金のよる増加や、お金を返したことによる減少、お金を貸したことによる減少、貸したお金が返ってきたことによるお金の増加など、いわゆるお金の貸し借り(ローンや分割を含む)によるお金の増減を除いた金額のこととなります。
お金には色がついていない。その色を明確にするのがキャッシュフロー計算書
1,000万円のお金が増えたとして、その増えたお金のうち利益で稼いできたお金500万円が青色、仕入先に待ってもらっているから増えたお金300万円が黄色、金融機関から借りてきたお金200万円が赤色、などと色がついていればわかりやすいのですが、実際のお金には色がついておりません。
なぜ手元にお金が増えているのか、損益なのか、営業活動なのか、投資活動なのか、それとも財務活動なのかを表すのがキャッシュフロー計算書です。
営業活動、投資活動、財務活動によるキャッシュフローとは
それぞれの違いについて解説します。
営業活動によるキャッシュフロー
簡単に言うと、営業活動とは、売掛金や買掛金、在庫の増加や減少による事業を行う上で必ず発生する活動にともなう、損益と実際の現金預金のズレを表します。
今年売った100万円が来年入金するとしたら、今年は売上100万円ですので、利益は+100万円になりますが、入金はされないので現金預金はプラスマイナスゼロ円ということになります。
結果、損益+100万円、売掛金の増加によるキャッシュの増減▲100万円、現金預金の増減0円とキャッシュフロー計算書に表示されます。
逆に翌年は売上がないのに、100万円入金しますので、損益ゼロですが、入金は100万円されますので、現金預金は+100万円となります。
結果、損益0、売掛金の減少によるキャッシュの増減+100万円、現金預金の増減+100万円と表示されます。
これで、何が原因でお金が増えてたり、減ったりしているのかがわかるかと思います。
投資活動によるキャッシュフロー
投資活動は、資産を買った又は売ったことによる、現金預金のズレで、1年前に500万円で土地を買った場合損益はゼロですが、キャッシュは▲500万円、それを今年1000万円で売ったとすれば、損益は+500万円ですが、実際の現金預金の増減は+1,000万円となります。
結果、キャッシュフロー計算書は、
1年前が、損益0、土地の購入によるキャッシュフロー▲500万円、現金預金の増減▲500万円となり、
今年が、損益+500万円、土地の売却によるキャッシュフロー+500万円、現金預金の増減+1,000万円となります。
財務活動によるキャッシュフロー
お金の貸し借りや、ローン、分割払いなどによる現金預金の増減を表します。
1年目にお金を1000万円貸し、2年目にお金を500万円返してもらったとすると、キャッシュフロー計算書は
1年目、損益0、貸付金の増加によるキャッシュフロー▲1,000万円、現金預金の増減▲1,000万円となり、
2年目、損益0、貸付金の減少によるキャッシュフロー+500万円、現金預金の増減+500万円となります。
大切なのはフリーキャッシュフロー
まず一番最初に見て頂きたいのはフリーキャッシュフローです。
フリーキャッシュフローはキャッシュフロー計算書上の損益と言われるくらい大切な指標です。
1年間でここがマイナスということは本業ではお金がマイナスということになります。
ここをどうしたらプラスにできるかを考えることがまず最初のキャッシュフロー計算書の活用法と言えるでしょう。
次回はキャッシュフロー計算書の各項目を見ていきます。