中小零細企業にとって資金繰りを重視したキャッシュフロー経営こそ、最も大切です。
しかし、2つの局面において、財務諸表(損益計算書や貸借対照表など)が重要になります。 この2つの例外をしっかりと押さえましょう。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は「中小企業にとって損益計算書と貸借対照表とはいつ役に立つのか?」です。(編集前のメルマガは2014年10月15日(水)に配信されています)
この記事の目次
中小零細企業にとって一番大切なのは資金繰りです。
中小零細企業の経営にとって大事なのは、貸借対象表(B/S)や損益計算書(P/L)ではないというお話は再三再四お伝えしてきたかと思います。
中小零細企業の経営にとってもっとも大事なのは、資金繰りであり、資金繰り表さえあれば上記2つは見る必要はさほど気にしなくても良いといっても過言ではありません。
資金繰り表といってもそれほど大げさなものではなく、通帳をみて過去の出費を把握し、現在残高と未来の入金、出金の予測さえできれば良いのです。
その上で、費用の内訳や、入金ではなく、仕事をした月ベースの売上を見たければ損益計算書(P/L)を、売掛金や買掛金、借入金等の細かい残高が、あといくら残っているのか見たければ貸借対照表(B/S)を見れば良い訳です。
中小零細企業にとって損益計算書と貸借対照表が重要になる局面
しかし、例外が2つあります。
それは、
①金融機関
②税金計算
です。
もちろん、増資やM&Aなどの場合にも関係してきますが、ほとんどの中小零細企業には関係なにので割愛します。
①金融機関
①の金融機関に関しては、業績に関しては決算書で判断します。
他の部分にはいろいろな要素がありますが、話すとそれだけで、10回シリーズくらい作れてしまうので、今回は割愛します。
②税金計算
②の税金計算はもっと顕著で、
売上が1億円、経費が7千万、利益が3千万円であれば、3千万円に係る税金を納税する必要があります。
仮に法人税だとして、法人税等の税率が40%だとすると、3千万円×40%=1,200万円の税金がかかってきます。
あの有名な○○さんは、この状況で儲かった3,000万円を株に使ってしまったので、手元がお金になくなってしまい、1,200万円の税金を払えなくなってしまったということですね。
(厳密には株式の損が確定すれば経費に出来ますが、細かい説明は割愛です。)
経費にならないものにお金を使っても、お金はなくなっているのに、税金はそのお金があるものとしてかかってしまうわけですね。
だからこそ、決算が近くなってきたら税理士さんとしっかり相談して下さい。
何が経費になるお金なのか、何が経費にならないお金なのか。
一般的な中小零細法人は、決算月の2ヶ月後が申告&納税の時期になりますが、そのころになって税金の支払いがこのくらいになりますといってくる税理士さんとつきあってはいけませんよ!
決算月の2ヶ月前くらいから、予測を一緒に立ててくれて、対策を考えてくれる税理士さんと付き合いましょう。
頭ではわかっても、なかなか経営には活かせない、損益と資金の違い
資金が大事なのは、実感としてもわかると思います。
また損益が大事なのも、経営者であれば当り前の感覚としてわかっていると思います。
しかし、資金と損益がイコールにならないというのは、頭ではわかっていると思いますが、実際にそれで資金がショートして大変な目にあっている会社がたくさんあります。
そんな現状を踏まえて、資金と損益がイコールにならない例として、次の宿題を出させて頂きます。