あなたの事業の目的や目標はなんでしょうか?
事業は1人ではできません、スタッフ、お客様、仕入先、様々な人の協力で成り立ちます。
だからこそ、ビジョンやミッションが必要で、それを表すのが長期事業計画です。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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このメルマガはシリーズものになっていますので、
からお読み頂くことをお勧めします。
今回は「長期事業計画でビジョンとミッションを示す」です。(編集前のメルマガは2014年09月03日(水)に配信されています)
経営における長期視点とは何か?
このメルマガのタイトルは「実践型!経営者向け財務講座~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」ですが、
今回は数字はほとんど関係ない話になります。
しかし、財務戦略には長期的視点が不可欠です。
そのために、まず今回は長期的視点とは何か、そしてなぜ大切なのかというお話をさせて頂きます。
長期視点に必要な要素
長期的視点には、
(1)使命と未来像
(2)戦略と戦術
(3)数字
が必要です。
(1)使命と未来像
まず、会社が存在するミッション(使命)、会社がどこに向かうかというビジョン(未来像)が不可欠です。
経営はよく船旅に例えられますが、なぜ旅をしているのか(使命)、船はどこに向かっているのか(未来像)がない船に喜んで乗船する人は多くないかと思います。
会社=船、乗船している人は社員や取引先、関係者です。
まずは船の行先と目的を明確に出来なければ、会社経営はうまくいきません。
(2)戦略と戦術
次に、戦略と戦術が必要となります。
戦略とは、どんな商品でどんな市場でビジネスをするかです。
船旅でいうと、どんな船で、どんな海を、何人で通るのかみたいなお話になります。
丸太船で太平洋を渡るのは難しいでしょうし、豪華客船で荒川を下るのも困難でしょう。
ミッション(使命)やビジョン(未来像)を達成するために、どんな戦略でビジネスをするのかが非常に大切になります。
次が戦術です。
戦術とはやり方であり、例えば集客をするのに、新聞に広告を出すのか、テレビにCMを出すのか、それともブログをやるのか、HPをやるのか等々の話です。
集客をするというのが戦略で、そのためにどういうやり方でやるかの部分が戦術です。
船旅でいえば、どのくらいのスピードで進むのか、食料は持っていくのか、途中で調達するのか等です。
これが決まって初めて会社の長期事業計画が決まります。
【注意点】:
よくある間違いで、長期事業計画が必要ないと思ってしまう原因の多くがここにあります。
ここで良くある勘違いが、長期事業計画は約5年~10年で作って頂きますが、それ通りに経営しなければいけないと思ってしまうことです。
現在、時代の流れはとても早く、昨日と今日で大きく状況が変わってしまうことも多々あります。
だからこそ、計画はこまめに修正すべきです。
しかし、もともとの計画がなければ、実績を見てもどれだけ変わってしまったのかわからないという弊害が出てしまいます。
つまり、計画は経営者の予測であり、実態と計画を比べるのは、経営者が計画を立てた段階からどの程度、予測にブレがあり、どう方針を転換していくかを見るための指標になります。
(3)数字
そして、ここに数字がなければ客観的に状況を把握することはできません。
例えば、資金調達は3年後に1,000万円必要と計画していたとして、3年後までの長期で財務戦略を立てておけば、2年目に順調に来ているのか、それとも予定を早めて調達する必要があるのか等、わかるわけです。
これが計画もなく、2年目を迎えてしまうと、予測通り来ているのかはもちろん、資金調達がいつ必要なのかも、見えなくなってしまいます。
数字は、その数字だけを見ても、その効果は少ないですが、計画を立て計画と実績を比較するという使い方をするだけで、その効果は何倍にもなります。
だから長期的視点で長期事業計画は重要です
そういう意味でも長期事業計画は非常に大切です。
ミッション(使命)やビジョン(未来像)も数字に置き換えて設定してみて下さい。
(例:1,000社のお客様に喜ばれる100人規模の会社になる。など)
次回は長期事業計画を数字に置き換える上で見るべき「数字」についてお話させて頂きます。