昔の携帯電話会社が携帯を普及させた時の価格戦略の事例を紹介しています。
「値決めは経営」と言われる一例を書かせて頂きました。
値決め、価格をいくらにするのが適正なのか、悩んでいる方は多いのではないでしょうか?
価格をどうするかで経営は大きく変わりますので、少しでも参考になれば幸いです。
今回の内容は、メルマガ版財務講座「実践型!経営者向け財務講座 ~財務に強い経営者が見ている数字のポイント~」で過去に配信した内容を再編集して掲載しています。
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今回は「価格の考え方1つで変わるビジネスモデル」です。(編集前のメルマガは2014年07月09日(水)に配信されています)
商品サービス2つの種類
商品・サービスには、1回買って頂いたらおしまいの単発の商品・サービスと、何度も買って頂ける繰り返しの商品・サービスの2つがあります。
ご存知の方にとっては当たり前のお話かもしれませんが、事業としては繰り返し買って頂ける商品・サービスが多いほうが、事業は安定します。
今回は詳しくお話しませんが、飲食店や理美容室で「新規のお客様に来て頂くためにかけたコスト」と「お客様に再来店して頂くためにかけたコスト」では、圧倒的に後者のほうが、コストパフォーマンスが良く、少額のコストで多くの人に来店して頂けるというデータがあります。
また、士業のように顧問料形式で毎月の売上が決まっている商売のほうが、毎月の収入が読めて安定するのはイメージできるかと思います。
昔の携帯電話会社の価格に秘められた戦略
携帯電話会社も携帯電話が市場に普及するまで、また自分たちの会社がシェアをとれるまで、本体価格を無料とか1円とかの低価格に値引きして、通信料という繰り返しの商品・サービスで利益を出すという戦略をとっていたのは、ご存知だと思います。
毎月かかる固定費(お給料や地代家賃)を毎月繰り返し買って頂ける商品・サービスの利益で賄えたら、経営がどれだけ安定するかは、説明をするまでもないところです。
自社に毎月繰り返し買って頂ける商品・サービスがない場合には、まずこれを作ること、難しければ、毎月でなくともリピートして定期的に購入して頂く商品・サービスを考えることです。
家電量販店の価格戦略
ある中小零細の家電販売店は、家電の販売では大手の安い値段に勝てませんでしたが、アフターサービスやメンテナンスで、繰り返し買って頂く商品・サービスを作り、1部の地域に特化して素晴らしい事業展開をしています。
(この地域に特化してというところも、ミソなのですが、それはまた後々ご説明します)
だからこそ値決めは経営である
定期的に購入して頂く商品・サービスがあるのであれば、そこにつながる単発の商品であれば、値下げをして売るのもありということになります。
試供品や試食、無料体験、無料分析などのほとんどはこの方法というわけです。導入商品・サービスと呼ぶこともできますね。
自社に置き換えた時に、この導入商品・サービスは何なのか?繰り返し買って頂く商品・サービスは何なのか?をしっかり考えてみると良いと思います。
そして、その後、その導入商品・サービスの総量、そして繰り返し買って頂く商品・サービスにつながるパーセンテージなどを調べながら数字を使って改善していくことが大切です。