今回もありえない事例ですが、わかりやすくするためですので、ご容赦ください。
土地と建物、同じ1億円だったら、どっちが買うのが簡単か?というお話です。
同じ金額なんだから一緒だろうと思った方、間違いですのでぜひ読み進めて見てください。
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今回は『事業用資産、1億円の土地と1億円の建物。買うのが簡単なのはどっち?』です。(編集前のメルマガは2016年3月9日(水)に配信されています)
この記事の目次
1億円を貯めて買うとしたら?
自力で1億円を貯めて土地か建物を買うなら、実は同じです。
どっちが簡単ということはありません。
一生懸命ビジネスをやり、税金を払って、そして貯めたお金で買う分には難易度は一緒になります。
但し、その後の経営は…
かなり変わってきます。
その理由については後述します。
1億円を借りて買うとしたら?
1億円を借りて買うとしたら…
借入期間を30年、建物の減価償却期間を50年とします。
減価償却(?)と思った方は恐らく正解です。
土地は減価償却費がありません。
借入金の返済は「税引き後利益+減価償却費」で理論上返すわけです。
1億円÷30年÷12年=約333万円/年の返済が必要となります。
それぞれ必要な利益を計算してみましょう。
建物の場合、返済に必要な利益
減価償却費が
1億÷50年=200万/年
ですので、
333万円-200万円=133万円
法人税率を仮に40%とすると、
133万円÷(100%ー40%)=約222万円の税引き前利益が必要となります。
土地の場合、返済に必要な利益
土地の場合は減価償却がないわけですから、
333万円÷(100%-40%)=約555万円の税引き前利益が必要となります。
どっちが返済が簡単か
土地には減価償却がなく、建物には減価償却がありますので、減価償却を除いた単純な必要利益の差は、
土地=555万円
建物=222万円+200万円(減価償却費)=422万円
となります。
それでも、555万円>422万円ですから、土地のほうが返すのに必要な利益額は大きくなります。
返済が大変なのは当然土地を買った場合であり、建物を買うほうが楽になります。
つまりタイトルの答えは、土地のほうが簡単となります。
経費になる支出と経費にならない支出を覚える
例えば、事務所や店舗借りるときの保証金。
これは経費になりません、資産ですね。
では、保証金をたくさん積んで家賃を安くしてもらうのと、保証金を安くしてもらって家賃をたくさん払うのと、どっちが得か?
普通は保証金は返ってくるけど、家賃は返ってこないから、前者のほうが得だと思ってしまいます。
今回はあまり深く追求しませんが、保証金をたくさん積むということは寝ているお金が増えるということです。
経営の本質は、お金を投資して稼ぐことにあるわけですから、寝ているお金があるというのは最悪です。
であれば貯金でもしておいたほうが、低金利とはいえ利息がつくわけです。
その保証金を捻出するために借入でもして、利息を払っているようだったら、もっと最悪ですね。
そして実は、保証金は経費にならないので、税金もたくさんかかってきます。
更に、保証金が満額返ってくる保証もありません。
そんなことを踏まえたら、どっちが得なのかを考えてみてください。
このあたりがわかると、財務に強い経営者と金融機関からも税理士からも見られることでしょう。
編集後記
実はこの減価償却を含む、お金の入出金と収入経費になるならないといった問題が財務会計を難しくしている1番の理由です。
中小企業の場合には、税金計算のために会計を入出金の家計簿ではなく、発生ベースと呼ばれる基準で作っている要素が大きいですが、税金がどのくらいかかるのかを抑えておくことはとても大事です。
日々の経営は入出金でできますが、この収入になるかならないか、支出になるかならないかがわからないと、申告したら手元にお金があるより税金を払わなければいけなくなった…ということが起こって窮地に追い込まれてしまいます。
経営をする以上避けては通れないところですが、実はキチンと理解できれば、理解していない人よりも加速的にビジネスを成長させることもできるわけです。
→【VOL93】借入をすると事業の成長は加速する??借入を上手に利用して効率的な経営を。
財務の仕組みを理解して、どんどん事業を成長させていって欲しいと思います。
事業計画作成ツール
参考までに